「物流が停止」:バルティック海運指数が急落し、インサイダーが国際的「交易が停止した」と警告を発する
“Nothing Is Moving,” Baltic Dry Index Crashes as Insiders Warn International “Commerce Has Come To a Halt”
 
1月16日【Zero Headge】http://www.zerohedge.com/news/2016-01-11/nothing-moving-baltic-dry-crashes-insiders-warn-commerce-has-come-haltより翻訳


バルティック海運指数が急落し続けていますが、ほとんどの人には無視されています。だって私たちにはまだ、ネットフリックスがありますからね!

しかしDollar Vigilante(訳注:ドル崩壊、サバイバル情報などをまとめたウェブサイト)紙のJeff Berwick氏が詳しくまとめているように、世界中の「本物の」経済は停止してしまったかのように見えるのです!

先週、世界でも有数で最大級の船舶輸送を行う億万長者なファミリーの友人から、ニュースを教えてもらいました。彼が言うには、船舶を運営すると赤字になるので、現在、海洋上にはまったく船を出していないということです。

北大西洋にはほとんど移動中の貨物船がない、とほとんど同じようなことを伝えるレポートが今週末に出回っていました。船舶は移動せず、錨を下ろし、微動もせずに空っぽだというのです。そのレポートはこちらからご覧いただけます。


このレポートには次のように記されています。

ヨーロッパと北米間の交易は文字通り、一時停止してしまった。歴史上、ヨーロッパと北米の間に輸送中の貨物船が一艘もないという状態は初めてのことだ。貨物船のすべて(数百艘)は、沖合いで錨を下ろしているか、入港中である。何も動いていないのだ。

このようなことはこれまで起きたことがなかった。貿易が文字通り停止したことを証明するもので、恐ろしい経済的予兆なのだ。


私たちが VesselFinder.comを調べたところ、輸送中の貨物船は世界のどこにもいないように見えました。私たちは海運業の専門家ではありませんが、この明白な現象を追跡する点でよりお勧めのウェブサイトやソースをご存知なら、ぜひ教えてください。



また私たちはMarineTraffic.comも調べましたが、同じことを表しているようでした。輸送中の船がいないのです・・・



これが本当であれば、世界の貿易にとってこれは壊滅的なことなのではないでしょうか?しかしこれがもし真実でないとしても、海運は水上でほとんど消滅しかかっている、と他の指標も伝えています。

海上で移動する生の原料の運賃の評価であるバルティック海運指数(The Baltic Dry Index)は、一ヶ月前には歴史的最低点を記録していました。

そしてこの一ヶ月でさらに下落していますが、特に先週が強い下落を見せました。今日のBDIY(バルティック海運指数)は415を記録しています・・・





工場は購入を控え、小売店は仕入れを行っていません。米国内の売上高対在庫比率がこの指標になっています。この比率がここまで高かったのは、2008年の「大不況」の間でした。

巷で言われているような回復はどこにいったのでしょうかね?経済では急速に大規模な問題が起きているようですが。





この嵐は実際には、ここしばらく力を溜め続けていました。少し前には、世界の自動車生産業が問題に陥っているという多数の報告がなされていたところです。なぜなら自動車が売れず、世界中で貨物船が渋滞していたというのです。ZeroHedgeもこのような報道をしていました。

需要や顧客売上の不足を粉飾するためにアメリカの自動車生産業者が広く用いていた策術の急増については、ここ数年の間、この辺りの情報源で詳しく報道され ていたテーマの一つでした。

この策術は一般的には「押し込み販売」として知られていますが、ディーラーの在庫数が過去最高を記録したばかりのジェネラル・ モーターズは特に後ろめたいところがあるようです。


そして上記記事に掲載されていた、イギリス国内での未販売の自動車の写真がこちらです。


世界経済は深刻な問題を抱えているように思われます。(お金は印刷できても)豊かさへの道は印刷することはできません。みんながやっていることは、自分たちの経済をさらに空洞化させているだけです。枯渇させています。そして間もなく空っぽになり、相当な危機やカオスを潜り抜けてから新しく作り出さなければならなくなるでしょう。

中国が必死で株式市場の内部崩壊を阻止しようと必死なのは、何もただの偶然ではありません。報道によれば、銀行には米ドルの買い付けは禁止されたと言われており、中国の多数の億万長者は行方不明になっているということです。そして月曜に市場が開きましたが、再び赤一色にです。

私たちのサイトThe Dollar Vigilanteでは、世界のえせ経済の現実についてと、マスコミを信じないことの重要性についてお伝えすることに特化しています。

しばらくの間は、この海運に目を光らせておきましょう!世界中の海運が破滅的に沈下しているということが事実であれば、それが反映されて食料品店の棚が空っぽになるまであと数日というところではないでしょうか?

今、多くの人は焦っているでしょうか?ちょっと待ってください。2008年の世界的金融危機(リーマン・ショック)の間にも、商品やサービス、特に食料品の供給の停止は起こりかけていました。この時も、世界の海運業は立ち往生していました。海運業者が受領先の銀行信用が良いものかどうか、確認ができなかったためです。

この危機の際は、大量の紙幣が印刷されたことで回避することができましたが、これは沈みかけているタイタニックをコーヒーカップで救い出そうとするような、死刑の執行の一時的延期にすぎませんでした

しかし2016年に起ころうとしているのは当時よりもずっと大規模なものになりそうです。

船乗りは天候を見て、安全に出港できるかをチェックします。投資家も、船乗りと同程度の必死さで経済の動向をチェックするべきでしょう。

そして私たちはすでに、強い嵐の中を出港し始めているようです。


(翻訳終了)


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【追記】
1月26日付けで、本文中にある海運交通の地図を調べてみたところ、近海での動きは世界中であるようです。また、遠海の船はレーダーに出ないというご指摘も受けました。

ですので、ご紹介はしたものの、上記の地図の見方は少し間違っているようです。もう少し当方でも確認をするべきでした。申し訳ございません。

ただ、バルティック海運指数の方はやはり、少なくても5年以内では最低点を記録更新中のようですし、下にリンクをつけたアメリカ周辺で貨物船が入港していないという話もありますので、やはりお気をつけられた方がよいかと思います。



【コメント】
うかうかしていて1週間前くらいの情報になりましたが、これは重要ではないかと思いアップしました。

そしてこの記事が作成された時点からも、さらにバルティック海運指数は下がり続けているようです。

今朝のbloombergより、こちらは一年分の動向です。一週間前の415から354にまでさらに下がっていました。

http://www.bloomberg.com/quote/BDIY:IND 




先日も、同様のニュースを翻訳していました。

米経済崩壊の予兆 大西洋上から大型船舶が完全に消える ロシア政府内部報告書より


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そして局地的なニュースのようですが、実は私たちにも大きな意味があるのではないかと思われるニュースもいくつか。

食料価格の急上昇でカナダの12月のインフレ率が上昇
Canada inflation rate rises in December as food costs surge
1月22日【BNN】http://www.bnn.ca/News/2016/1/22/Canada-inflation-rate-rises-in-December-as-food-costs-surge.aspx 


この記事ではカリフラワーが8カナダドル($5.64)にまでなっているということでしたが、以前に見かけた記事ではきゅうりの値段がすごいことになっているということでした。


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ウォルマート、米国で異例の大量閉店-小型店舗戦略が失敗(日本語)
1月17日【WSJ】http://jp.wsj.com/articles/SB10152201462225363779004581483242426423336

世界全体で296店舗、アメリカ国内で154店舗が閉鎖と発表があったとか。理由は「ネット上の競争に負けた」ということになっていますが。この大量閉店からもさらに、経済的に望ましくない影響が出そうですね。


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そしてロン・ポール氏も2月19日にアメリカの経済が崩壊すると警告を発しているそうです。

ロン・ポールの警告「2016年2月19日 ドル完全崩壊」
1月18日【カレイドスコープ】
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-4056.html



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日本の投資家の方は今の株式市場で大変な思いをされている方もいるかと思いますが、これは日本だけではなく世界的な傾向です。こちらの記事には日本語でそういった情報がまとまっています。

[日本や世界や宇宙の動向]イタリアで取り付け騒ぎが起きています。 ~金融メルトダウンに備え、食糧の備蓄が必須~
 
1月23日【Shanti Phula】https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=105229より一部引用


過去52週間で最も高い株価と比べ、以下の通り各国の株価が暴落しています。

イギリス   20%ダウン
オランダ   22%ダウン
フランス   22%ダウン
ドイツ    24%ダウン
トルコ    24%ダウン
イタリア   25%ダウン
スウェーデン 25%ダウン
ポーランド  26%ダウン
ポルトガル  28%ダウン
スペイン   30%ダウン
ギリシャ   44%ダウン

世界の株価が下げ相場に入りました。パニックが世界的に広まっています。イタリアの金融危機に端を発してヨーロッパの金融危機が起こります。ヨーロッパ、アジアの大手銀行は足元がぐらついています。そして金融崩壊がドミノ式に世界中に広がります。

(引用終了)

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先日は西日本で寒波がくるから食糧備蓄を!というニュースがありましたが、経済崩壊向けのための食糧備蓄は、救助が来るまで備えればよい自然災害向けの食糧備蓄よりも長期的視点で行った方がよさそうですね。


こんな時も、一番強いのは自給自足の方々でしょう。システムどっぷりで依存が当たり前になっていると、何かあった時には大変ですね。





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