第九百九服 色々試して気が付いた。キャストのヘタな人の特徴と理由。アナタ、ヒュって音出してます? | まずは一服

まずは一服

新潟の釣り人が紫煙と一緒に吐き出すアレやコレや

ふぁんとむです。

かなりいい雨が降ってるんで、ちょっとメジャーじゃない方のワンドが増水して面白いことになってんじゃないかとウキウキしてます。

 

で。

 

フルレンジリール買った勢いでフルレンジのロッドも揃えちゃおうかと画策してるわけなんですが、それが揃うまではあれこれのロッドに合わせて、レングスやアクション、テーパーによってどのくらい差が出るのかって感じで色々試している最中なんですけれども。

 

以前ファストテーパーなロッドで振り回してた際に、よく他の釣り人がやってるように、ヒュッって音を出してキャストしてみたわけです。

 

このロッドが風切り音を出すくらいに早く振り抜くキャスト法は、仲間内ではヘタクソの証明と揶揄されていまして、確かにはるか向こうまでブッ飛ばすロングキャストを得意技としている我々の中では、誰一人としてそんな音を出して投げてる人間はいないんですね。

 

結果として見事にバックラッシュさせてしまったわけなんですけれども、これの理屈がまぁ、よく用いる車での例えで言いますと、アクセルを急に踏み込んでホイルスピンさせて急発進している状態となります。

 

タイヤのグリップよりもパワーや回転が勝っちゃって、その場で空転している状態がホイルスピンなわけですね。

 

それをリールで言いますと、ラインの放出よりもスプール回転が勝ってレベルワインダーまでのあの短い区間の中でラインが溢れかえっちゃう状態になっちゃったという事になります。

 

これを解消するためには、車ならエンジンのパワーを落として、どんなに急に踏み込んでもタイヤが空転しないようにするんですが、リールの方ではそれがブレーキを強めに設定するのと同義になるわけです。

 

ええ、あまりに急激にロッドを振りすぎる事で、スプールが急激に高速回転してラインが溢れかえる状況を防ぐために、わざわざ必要以上にブレーキを強めにしてバックラッシュを防いでいるわけです。

 

当然、強めに設定したブレーキがキャスト中に都合よく緩む事なんてありえませんから、必然的にk飛距離が落ちるというメカニズム。

 

なるほど、そりゃヘタクソ呼ばわりされても仕方がありませんね。

 

遠くに飛ばしたいから力んで投げたくなるのは分からなくもないですが、ロッドアクションのキャパを越えた入力は余計にトラブルを招きやすくなります。

 

じわっと力を入れてやって、キャスト終盤にさらにダメ押しでロッドを曲げてやると、能力を最大限に生かしたロングキャストが可能になるわけです。

 

それで、以前の記事でフルレンジリールのキャスト軌道がマグフォースみたいな終盤急激に落ち込む放物線を描くなんて言ったかと思いますが、フルレンジリールは遠心機だろ?と不思議に思われた方はいらっしゃるでしょうか?

 

KIMG0134.JPG

 

実は、これも似たような症状と言えます。

 

ファストテーパーのロッドと、レギュラー(またはスロー)テーパーのロッド、これらではリリース時のロッドティップの速度の違いが発生します。

 

その速度差の分、ブレーキ調整で修正を行う訳なんですが、それで強めに設定したために放物線がマグフォース寄りの軌道を描くようになったわけです。

 

まぁ、この速度差も補正できるようになればまた一つキャスターとしてのステップを登れるワケなんですが、まだまだ未熟な私はブレーキの補正が必要な腕前でしかないという言い方も出来ちゃうわけですね。

 

ロッドテーパーの違いやロッドレングスの違いは、リリース時には微妙な差でしかありませんが、その結果として飛距離に大きな差として現れることになります。

 

KIMG0153.JPG

 

左の図はロッドレングスの差。

 

ショートロッドでベストなリリースタイミングでは、ロングロッドではまだ早いポイントになり、ロングロッドがベストなタイミングになるにはあと本の僅かにロッドを振り抜く必要がある事が描かれています。

 

右の図はロッドテーパーの差。

 

レギュラーテーパーではベストですが、ファストテーパーではすでに遅すぎるタイミングであり、同じようなポイントでリリースするには僅かに早くリリースする必要があるわけです。

 

じつはこの二例とも私が実体験したものなんですが。

 

初めて7fクラスのロッドを入手した際に、ロッドレングスの利点を生かしてさらに遠くへ届けられると思って放ったルアーが、慣れ親しんだショートレングスで撃った場合よりもかなり手前に落ちたという経験があります。

 

リリースが早すぎてテンプラキャストになり、飛距離が落ちた結果です。

 

そして、友人からMHのロッドを借りた際には、リリースが遅すぎて手前に叩きつけるキャストになってしまったり、サイドでは真横に吹っ飛ばすといったノーコンキャストに辟易し、最終的にいつものリリースポイントの手前で左手で右手を叩いて強引にスイングを止めるという荒業を繰り出してマトモに前に飛ばすといった無茶な技を習得してしまったり。

 

これはリリースが遅いのを理解したものの体が対応できずに、やむなく空いている手で適切なポイントを指示したという例です。

 

今日はロッドにまつわる要因のみを説明していますが、スプール回転特性の差異についても同様の現象が起きますので、それはまた別の機会にお話しすることにしましょう。

 

さて。

果たしてあなたのキャストはタックルにマッチしたリリースが出来ていますか?

 

てなわけで。

たまにうっかりすっぽ抜けたキャストが、今までのベストな飛距離よりもすっ飛んで行くのを見たりすると、自分のキャスティング技術もまだまだ伸びしろがあるんだなと思ったりしているふぁんとむでした。