QUEEN考察

QUEEN考察

QUEEN好きの好き勝手です


2015年2月2日月曜日

モカは天に召されました。

その気性の良いおよそ猫とは思えなかった沢山の思い出。たった1年しか生きられなかったモカを想ってこのブログを始めました。

今も生きるきなことシュウのリアルも交え、少しずつ進めたいと思っています。
コメントやいいね!は励みになります。
命についても考えていきたいと思いますが、お気軽に御覧下さい。

ー追記ー

2015年5月4日
ジュン君と茶々君が新しく家族になりました。
きなちゃん&シュウ君
ジュン君&茶々君
4頭同居の模様も書いていきたいと思います。
Amebaでブログを始めよう!
久しぶりの投稿となります。

本日は少し変わり種の話を。

Queenが最高のライヴ・バンドであることはこれまでも様々ご紹介させていただいて来ましたが、今回は少しばかり日本のバンドの事に触れさせていただこうと思います。

実は筆者、70年代終わり頃よりQueen以外に日本のクロスオーバーというジャンルにハマりまして、カシオペアやザ・スクエア、パラシュート、プリズム、サディスティック、NANIWA EXPRESSなども聴きまくっていました。

クロスオーバーというものはジャズ・フュージョンとか、フュージョンといったジャンル分けがされています。

そのほとんどが歌詞を持たないインストゥルメンタルで構成され、リズム系バンドとも評されます。

その中でもザ・スクエア。カシオペアは日本を代表するフュージョン・バンドで、ザ・スクエアにはフジ・テレビのF-1テーマ曲『TRUTH』があり、カシオペアには『ASAYAKE』という代表曲があります。


The Square TRUTH 



恐らくは誰しも一度は耳にした事があるのではないでしょうか。

カシオペアもスクエアも知らない。『TRUTH』も『ASAYAKE』も聴いた事がないという方でも、カシオペアやスクエアの曲は意外にテレビやラジオの天気予報などのバック・ミュージックに使われる事が今でも多く、スローバラードな曲は聴いてみるとなんとなく「あ。これ聴いたことあるよ。」っていう人もいると思います。



さて、今回ご紹介したいのは、この日本のフュージョン・バンドの二大巨頭カシオペアとザ・スクエアが共演したCasiopea vs The Square The LIVE !! 2003 についてです。

1976年結成のカシオペアと1977年結成のザ・スクエア。
ほぼ同年代のバンドで、お互いに比較されることも多く、ジャズを基本とした曲構成で○○みたいな・・・と表現される事に使われることが多かった二つのバンド。

テクニカルなインストゥルメンタルな曲には「カシオペアっぽい」という形容詞が普通に使われるようになったり、スピードのある管楽器の入った曲には「スクエアっぽい」と評されたりするようになりました。




カシオペアはギターの野呂一生、キーボードの向谷実を中心にメンバーを入れ替えながらこの当時はベースに鳴瀬喜博、ドラム神保彰の4人で構成されます。




対してザ・スクエアはギターに安藤まさひろ、サックスに伊東たけし、ピアノ和泉宏隆、ドラム則竹裕之、ベースに須藤 満。

どの人物も今では日本のトップ・プレイヤーとして知れ渡った顔ぶればかりです。

ほぼ半世紀に渡って比較評価されてきた二つのバンドですが、これまで共演した事はありませんでした。

それが2003年に、ついに共演/ツアーが行われたのです。




しかも普通の共演ではありません。
タイトルに「vs」と名打っている通り、二つのバンドによるバトルなのです。

まさに伝説のセッション!

コンサートの前、中盤はそれぞれのバンドのそれぞれの代表曲を自らが演奏。
しかし見所は後半の演奏バトルです。




安藤まさひろと野呂一生のアコースティック・ギター対決から始まり、和泉宏隆と向谷実のキーボード対決。





圧巻は則竹裕之と神保彰のドラム対決です。
このコンサートの見せ場と言っても過言ではありません。




曲はT-スクエアの勇者(YUH-JA)そしてカシオペアのMID MANHATTANと続きます。


凄まじいほどのハイスピードバトル。
ハイレベルで入れ替わる技術的パフォーマンスには時間を忘れて見入ってしまいます。

ドラムという楽器が二人の演者でこれほど揃うものなのか、と呆気に取られてしまいます。

しかも乱れる事がなく、完全に調和し、ひとつの音にしか聞こえないほどの超絶テクニックです。

これがなかなかの長時間続きます。

エンディングでは「ブラボー!」と叫びたくなる衝動を抑え切れません。笑

これだけでもこのコンサートを見る価値があると思わせるほどです。


MID MANHATTAN 



実はこの二人、師弟関係にあります。

1980年に神保彰はカシオペアに加入していますが、彼は当時まだ大学生で、その才能を当時のカシオペアメンバーだった櫻井哲夫(ベース)に見い出だされ、ミュージシャンを仕事にするつもりはなかった神保彰をカシオペアのメンバーやスタッフ総出で口説き落としたという逸話があります。

対する則竹裕之はミュージシャン志望で高校3年生の時に、カシオペアが主催するミュージシャン養成のセミナーに参加し、神保彰に「物凄く旨い子がいる」と、その才能を認められています。


その他にも例えばカシオペアのベーシスト、ナルちゃんこと鳴瀬喜博の結婚パーティーでカシオペアのギター野呂一生とキーボード向谷実にスクエアのベース須藤 満とドラム則竹裕之の4人で即興『ASAYAKE』を演奏した事があるんだとか。

前述のカシオペア・ミュージシャン養成セミナーの最終日のミニコンサートでも則竹裕之はカシオペアの『ASAYAKE』を演奏して、それが神保彰の記憶に深く刻まれていて、ASAYAKE君だったのか!と両メンバーにイジられています。(DVD特典映像)


中盤の鳴瀬喜博と須藤 満のベース対決はほぼコントです。
笑いに満ちています。
二人の人柄も覗かせています。
しかし楽しそう!






そして終演近くの4曲は1フレーズごとに演者が入れ替わるハイレベルでハイスピードなバトルになります。




カシオペアがザ・スクエアの曲を。
ザ・スクエアがカシオペアの曲を。




それだけでも感動ものです。

カシオペアの曲に伊東たけしのサックス/リリコンが乗る。

ザ・スクエアの曲に野呂一生のギターが
向谷実のシンセサイザーが乗る。

不思議な感覚でありながら、なるほど!と納得のサウンドです。

トリはザ・スクエアの『TRUTH』

大トリはカシオペアの『ASAYAKE』



鳥肌もんです!


2023年現在、カシオペアもザ・スクエア(T-スクエア)もメンバーが替わり、曲調も変化を見せていますが、20年前のこの奇跡のセッションは語り継がれるものになるはずです。

カシオペアもザ・スクエアも、女性の方にも実はオススメのバンドです。

カシオペアの野呂一生は山田孝之似のイケメンですし、ザ・スクエアの安藤まさひろは藤木直人似のイケメン。
同じスクエアの則竹裕之はジャニーズ系のとても甘いマスクの持ち主です。




ベーシストの鳴瀬喜博と須藤満の二人はお笑い系なので癒されますよ。笑


残念な事にスクエアの和泉宏隆氏は2021年4月26日に急性心不全のために急逝されました。
彼のソフトタッチなバラードピアノが大好きで、Night Dreamer
などは独身20代の頃、寝就きの子守唄としてよく聴かせていただきました。
この場をお借りして追悼とさせていただきたいと思います。










なんだ、Queen考察と名打っておいてQueenの記事じゃないのか、とお叱りあるかもしれません。
しかしこのDVDは筆者私の永久保存盤であり、観ていただくと解りますが、演者全員が本当に楽しんで演奏していて、音楽って楽しむものなんだ、と再認識させられます。
Queenのラスト・コンサートとなった1986年のウェンブリーも同じでした。
メンバー全員が楽しんでいた。
そこに共通点はあると思います。

故事付けですけどね。笑

とりあえず音楽好きのオヤジの戯れ言と読み流して戴ければ幸いです。



〈追記〉

この公式DVDにはサブメニューからカメラアングルを①通常と視点②と視点③の3種類の映像が同じ音で楽しめるようになっています。
視点②はカシオペア奏者側
視点③はザ・スクエア奏者側となっております。

演奏対決の後半部分(DVD ディスク2)のみになりますが、視点を変えて楽しめるようになっておりますので、楽器演奏の好きな方には延髄モノです。