Bring Me The Horizon「That's the Spirit」 | Rotten Apple

Rotten Apple

"Rotten Apple"検索でgoo辞書に勝ちましたありがとうございます


[UnitedKingdom,Alternative/PostHardcore]

01.Doomed
02.Happy Song
03.Throne
04.True Friends
05.Follow You
06.What You Need
07.Avalanche
08.Run
09.Drown
10.Blasphemy
11.Oh No


TLが待ち望んでいたBMTHの新譜が本当に素晴らしい。先行曲で上がっていたハードルを軽く飛び越えて、エクストリームミュージックという狭いシーンではなくもっと大きなロックシーンで評価されるべき存在へと登り詰めてしまった。このアルバムは賛否両論あれど彼らにとって飛躍の一枚となる。
かつてデスコアにカテゴライズされていた彼らが前作「Sempiternal」で叙情派メタルコアへと変化したのにも驚いたが、本作では00年代中盤のオルタナティブ/モダンロック路線へ大きくシフトしている。トレンド云々で語るなら、ニューメタルリバイバルが盛り上がりきる前に次のオルタナの波が来てしまったみたいだ。そのトリガーがBMTHである必要性があるかなんてのはどうでも良くなるくらい、ただ楽曲が素晴らしい。

タイトルをシンガロングさせるmOBSCENEライクな「Happy Song」と、オルタナど真ん中な「Throne」の2曲はMVが公開されるとともに大きく支持を得た素晴らしい曲。前作からの流れを感じさせる叙情的シネマティックな「True Friends」から、チャートインも狙えるバラード「Follow You」と進んでいく前半は全曲シングルクラス。
後半は多少冗長に感じられるところがあるものの、既にアンセムと化した先行シングル「Drown」があるし、ラストの「Oh No」はダンサブルなインディロックを彼らなりに解釈したような曲に仕上がっていて、より大きなフィールドを意識した上であらゆるものを咀嚼しているのを感じる。

彼らの大幅な路線変更が正解だったのかはまだ誰しも判断つけられずにいる。今のところ好意的に受け取られているが、それは今後の活動と時期尚早ではあるが次のアルバムがひとつの答えとなるような気がする。そしてきっと彼らならその期待を良い意味でまた裏切ってくれるはずだ。なんにせよこのアルバムから10年代オルタナティブロックは始まった。