Awesome City Club「Awesome City Tracks 2」 | Rotten Apple

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[Japan,Pop/Rock]

01.GOLD
02.what you want
03.WAHAHA
04.僕らはここでお別れさ
05.愛ゆえに深度深い
06.アウトサイダー
07.Lullaby for TOKYO CITY


音楽ブロガーの音楽離れだなんて言葉も冗談には聞こえないほど、聞き手の言葉に意味がなくなってきている。TLに引っ張り出された数えきれないほどの才能に比例するがごとくトレンドは移り変わり、キュレーター的存在や内容を掘り下げたレビューの価値は下がってしまった。
今やメジャーへとフィールドを移した都会的ポップミュージックを奏でるバンドに関しては特に語り尽くされているので、書きたいことは多々あるけれど短めに。

今年の代表作とも言えるAwesome City Clubの1stアルバム「Awesome City Tracks」。今の勢いで畳み掛けるかのごとく、今年2枚目のアルバム「Awesome City Tracks 2」がリリースされた。
特筆すべきなのはこの3曲。本作でも随一の都会的おしゃれさとセンス溢れる「WAHAHA」。FUJI ROCK FESTIVALで観たArcade Fireにインスピレーションを得たという「GOLD」は、サウンド面の影響よりも多くの人へと伝えることを意識したメッセージ性のある歌詞の方が印象的。
そしてアルバムのラストを飾るメロウなバラード「Lullaby for TOKYO CITY」が本当に素晴らしい。実在する東京を憂いた歌詞によって架空のAwesome Cityを消し去ろうとするこの曲は、今までのコンセプトやシーン云々といったものへの決別にすら感じる。

売れるためにメジャーへ行った彼らに必要な、トレンドで括られないエヴァーグリーンなサウンドへとこのアルバムで到達しつつある。これが時代の音だとメディアは散々煽るだろうけれど、今となっては様々な背景を絡めて彼らを語ることに何の意味もない。メディアに限らず彼らを見つけ出したインターネットの音楽好きも含めて。
テン年代シティポップという言葉を自らの存在へと置き換えたAwesome City Clubは、先物買い好きでトレンドに捕らわれた今の音楽シーンの在り方すら変えようとしている。