アントニオ・カルロス・ジョビン〈Wave〉、 ジョージ・ベンソン〈This Masquarade〉、そして マイケル・フランクスの〈Antonio's Song〉——— 。どなたも一度は耳にしたことがおありだろう。クラウス・オーガマンは1940年生まれのドイツ人で、これらの曲のストリングス・アレンジを担当した作・編曲家である。
ぼくにとってはトミー・リピューマ/Tommy LiPumaのプロデュース、アル・シュミット/Al Schmittのレコーディング、そして、このクラウス・オーガマン/Claus Ogermanのストリングス・アレンジメントが「黄金のトリオ」ということになる。リビューマとシュミットのコンビは有名だが、オガーマンを忘れてもらっては困るのである(笑)。
下に挙げたのは、ぼくの選んだ「クラウス・オガーマンの仕事」BEST5(順不同)。
彼のストリングス・アレンジは、たとえクレジットがなくても絶対にわかる。「オガーマン節」と呼びたくなるほど個性的な音。「もうひとつの主旋律」と言いたくなるほどメロディアスで緻密なアンサンブル。その素敵な響きは、ここに挙げた名曲の数々に大きな輝きと安らぎを与えている。
 | ブリージン ジョージ・ベンソン Warner Music Japan =music= 2008-03-19
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少々ぼくの趣味が出過ぎているかもしれないが(笑)、すべて「黄金のトリオ」の仕事によるアルバムである。
5枚目は彼自身のリーダーアルバム。他にも何枚かオガーマン名義のリーダーアルバムを発表しているが、どちらかというと実験的な曲作りの色合いが強い。入門編としては、まずはこのあたりがよいのではないかと思う。
以前、
このブログで取りあげた Dr.Johnの《City Lights》でのストリングス・アレンジは、近年(?)では珠玉の出来映えだが、アルバムのタイトル・チューンが流れる映像を見つけたので、最後にご覧いただこう。いや、聞いていただこう、か。ちなみに、ドラムスはスティーヴ・ギャッドである。
追記)
こちらの映像では「動くオガーマン」が見られる。ノラ・ジョーンズが彗星のごとく現れる前は「歌姫」と言えばこの人だった。これも「黄金のトリオ」の仕事でしたね。
text by kazgadd