【リアルタイム小説】Part.2〜嗅覚〜 | Chika-lama’s ブログ

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宇宙の誕生から138億年。

僕の命はせいぜい100年・・・

一瞬であろう人生は、すでに40年を経過した。

万人に向けた言葉は、書くことができない。

書けるのは、納得のできる、自分の言葉。

そろそろ僕も言わせてもらおう。


Part1~序章~からの続き


僕は友人・リンネと、

東南アジアを

旅することとなった。


今回の旅は、中国・雲南省から始まり、

ベトナム、カンボジアへと移動し、

再びベトナムに戻り、

ベトナム・ホーチミン空港から

帰国する予定。

期間は約一カ月。


現地での移動は、主にバスを使った

陸路が中心になると思われる。


しかし僕には、それらを手放しで

楽しみにできるほどの

余裕はなかった。


まず、「普通」の話をしたいと思う。

「二人で海外旅行に行く」というと、

当然、行きも帰りも

同じ飛行機に乗り、

現地で行動を共にして、無事に帰国、

といった流れが想像できる。


だが、「旅人」リンネと

行動を共にするということは、

その限りではない。


実際、僕とリンネは、

出国、現地到着の日程も違えば、

帰国の日程も違う。


唯一の接点は、

中国の「同じ空港に到着する」

という事実だけだ。


リンネは僕よりも先に、

中国に到着する。

だが彼は、

僕の到着を待つようなことはしない。


旅人は、いつも何かに魅了され、

逆らうことなく吸い込まれ、

その嗅覚を磨いてゆく。


僕の不安をよそに

リンネは、

「どこかで会えるだろう」

と言っていた。



要するに、最悪の場合、

「旅のあいだ、リンネと合流できない」

可能性もあるということだ。



だけど、会える気がする。


僕の「嗅覚」を試してみたい。



僕は、「旅人」に対し、

待ち合わせ場所を決めること自体

ナンセンスなのだと知った。


そして、もし会えなかった場合、

自分のとるべき行動をイメージする…



なんとしてでも

たどり着かねばならない、

ベトナム・ホーチミン・・・





小鳥のさえずりに我に返り、

窓の外を見る。


静かだった夜は明けようとしていた。




僕は、居ても立っても居られなくなり、

中国からホーチミンまでのルートを

必死で調べあげた。


中国にWi-Fiの電波が、

たくさん飛んでいることを

祈りながら…


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