閉じた考えの限界 | 輪違弘樹

輪違弘樹

26歳で起業した理学療法士の独り言です。
墨田区で歩行訓練重視のリハビリデイサービスとセラピスト育成事業を主に行っています。


リハ業界もそうであるが、世の中の大半が閉じた考えの中で発展していったのは、歴史をみれば一目瞭然だと思う。

世の中は、かなり複雑に相互作用がかかりあっている世界である。

「部分が全体に、全体が部分に影響し合い、要素ごとに切り分けた考えが困難な時代」

である。もちろんこれは、人の身体もそうであるし、社会全体の仕組みもそうである。
いわゆる一つの専門家の時代はとうに終わっている。
なぜならば、世の中の構造が複雑に絡み合っているから一つの専門分野では解決策が見つけられないからである。

これは、研究分野で特に著名である。今でも時々研究の論文は目を通すが、特徴としては以下のようにまとめられる。

1,全体としての動きを要素ごとにしているだけ。

2,変数を固定して、ある変数だけを動かして分析しているだけ。

こういうと研究を馬鹿にしていると捉えかねないが別に馬鹿にしているワケではない。
恐らく、研究はこのような要素分析はとても重要だと思うからである。

閉じた発想で議論を行いながら進化して来た業界だからこそ、全体を俯瞰するようなアプローチは受け入れられないのも理解はある。昔は、外部情報を十分に手に入れる事が今より容易ではなかったからである。

書店に行くとよくわかるが、様々な分野を越境した組み合った分野ができている。


情報の境界は、消滅して来ている。これは、世界もそうだと思う。まず、インターネットの発達により国境という境界線が無くなった。
タイの子どもがAKBの動画をみたり、日本が何が流行っているのかを瞬時に理解できる世界である。
対象とするものの境界線を設定しないというのが世の中の流れである。

では、リハ業界のリハアプローチはどうなのか?
全く変化が起きていない。まず、疾患別に分類することがナンセンスである。
疾患はあくまで疾患であるだけで、人を対象にしているのだから疾患は要素情報でしかない。その要素情報で分類することが閉じた思考だと思う。
まだ、揉んでいるだけの人や立ち上がり訓練しかやらない人もいるらしい。

これでは、良くはならない。

また、各関節に対してだけアプローチする。それは、現象に対しての対症療法なだけであり原因追求を全くしていないことを意味すると思う。だいたい、外傷以外では、痛みが出ている部位が問題でなくその他の場所に問題がある。それは、筋、関節だけとは限らない。人間の身体は、世の中以上に複雑だからね。


固定概念を捨てて0ベースで物事を考えると様々な矛盾点が見つかる。
常に偏った考えでなくニュートラルな視点で物事を冷静に考えていく必要がある。