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<あらすじ>
農夫ロバートが住む小さな田舎町は、突然ゾンビたちが徘徊する地へと一変した。
ロバートは家族を守るため、窓に板を打ち、あらゆる出口を塞いだ。
息子がゾンビに噛まれた今、彼には時間がなかった。
早く手を打たなければ息子はゾンビへと変わってしまう。
しかし、そのためには妻と息子を家に残し、ゾンビがはびこる町の中心部へと行かなければならなかった。
果たして彼は無事帰り、家族を守り切ることができるのだろうか・・・?
<レビュー>
正統派ゾンビ映画のハズが、途中からガタガタと崩れ始めて挙句の果てにオチがそれか!!!
本当にもう、色んな意味で心臓に悪い作品で御座いました。
経営難に苦しむ農場の主、ロバートはつい先日、娘を亡くしたばかり。
妻がショックから精神を病んでしまったため、彼女のカウンセリングへ付き添う日々。
ひとり息子とは、家庭の事情のせいなのか、難しい年頃のせいなのか、親子間がギクシャクしています。
それでも、命をかけて家族を守ろうと固く誓う彼は、不器用ながらも妻や息子に愛情を注いで生活していました。
そんなある日、突如庭にゾンビ出現!
農作業の手伝いをしていた息子が襲われ、急いで助けに行くものの、腕に傷を負ってしまいます。
洗濯物を干していた妻も襲われ、こちらは間一髪で助かったものの、農場はゾンビに取り囲まれると言う異常事態に見舞われ、ロバートは家族と共に自宅に立て篭もることにしました。
緑ボーダーポロシャツのゾンビに襲われ、息子負傷
負傷した息子は、傷はそう深くは見えないものの、重篤な状態。
とりあえず苦痛を取り除いてやるため、息子に睡眠薬を注射し、ベッドに寝かせるロバート。
うつ状態の妻は取り乱し錯乱状態一歩手前だったので、こちらも薬を服用させ、夫婦の寝室で休むよう指示しました。
ゾンビ化した近隣住民で庭は大盛況
妻と息子が休んでいる間、たったひとりで応戦するロバート。
ゾンビの眉間に一発で銃弾を打ち込むなど、なかなかのスナイパーぶりです。
そうこうしているうちに、薬の効果が切れた妻が寝室からキッチンへ降りてきました。
すると、なんということでしょう(←ビフォーアフター風にどうぞ)。
キッチンの床には袋に包まれた死体が!
仰天してゲロゲロ吐き始める妻。
そんな妻に対してロバートはこう説明します。
「ヤツらは死体にも寄って来る。だから、始末したヤツらの死体を地下室に封印することにしたんだ。これからこの死体も地下室に持っていく」
・・・えっ!!!
今まで、生きた人間にしか群がって来ないかと思ってましたよ。
新手のゾンビ出現といった感じです。
しかし、そうなると非常にめんどくさいですね・・・寄ってきたゾンビを迂闊に倒せません。
居場所を教えるようなもんですから。
ゲボ吐いていた妻、夫の説明に納得してこう言います。
「今度は台所以外の場所に置いてくれる?」
まぁ、そうですね・・・。
死体がインテリアのキッチンではおちおち落ち着いてごはんも食べれられませんよ。
「わかった」と頷き、死体をズルズル引き摺って地下室へ収納しに行くロバート。
ここで妻は、負傷した息子が休んでいる部屋に南京錠がかけられていることに気付きます。
当然心配しますが、夫にはなんだかんだとはぐらかされてしまう始末。
しかも、「俺が様子を見るからお前は休んでな」と、また寝かされそうになる妻。
いやーもうそろそろ寝てる場合じゃないと思うよ。
電話は不通、無線にも応答がなく、発電機は停止。
冷蔵庫が止まってしまったため、食糧も乏しくなりつつありました。
ロバートは、翌日、町へ物資の調達に行くことに決めました。
町へ行く日の朝。
まだ眠っている妻を起こさぬよう、負傷した息子の様子を見に部屋へ入るロバート。
すると、なんということでしょう(←ビフォーアフター風にどうぞ)。
一夜明けているのに息子がまだゾンビ化していません!
睡眠薬の効果でグッスリの息子。
顔色は悪いですが、息もあり死斑も出ていません。
しかし、ロメロ御大の元祖ゾンビでも、ゾンビ化までにタイムラグがありましたから、ここでは大して気にしないことに致します。
ロバートは息子に追加投薬します。
ここで息子がかるーく縛られていることが判明。
ゾンビは大抵怪力なのでこの程度じゃ拘束効果ないと思うんですけど・・・
ロバートは一応「冷静」に、息子のゾンビ化を予測して行動していた模様です。
ゾンビ化に睡眠薬の効能が有効なのか甚だ疑問なところですが、ここでもとりあえず追究しないことに致します。
町へ行くのに、ゾンビ対策のため家にある銃をバッグに詰めるロバート。
ざっと見積もって15丁はあります。
先ほどもなかなかの腕前を見せていた彼、ガンマニアなんでしょうか?
一般家庭に銃あり過ぎ!
家族のために出かけようとする夫に、妻が不安感を募らせます。
もともと、うつ状態だったのも手伝ってか、家に残されることを尋常じゃないくらい不安がります。
しかし、次の瞬間。
「このまま家にいれば私といいコトできるわよ☆」
誘ってます・・・いらないです。
しかし、固い絆で結ばれたこの夫婦、夫はことのほか嬉しそうです。
「あなたを行かせないためにはこうするしかないんでしょ?」
こうするしかない・・・いやもっと別の方法もあるとは思いますが、それはされおき、妻のアプローチにニヤケ顔の夫。
しかし、物資を調達しなければ生存の道は閉ざされてしまいます。
「行かなきゃ」
そんな夫に妻はおねだりです。
「その代わり、ドレスを買ってきて」
「今度パーティーがあるから」
前半、病気なのを差し引いても妻のKYぶりにホントイライラ致します。
今度パーティーがあるって・・・
この状況ならゾンビパーティー開催間違いなしです。
妻に帰って来ることを約束し、庭ゾンビをかわしつつ倒しつつ、町へ急ぐロバート。
道中も、町中もゾンビだらけです。
なんとかゾンビたちをかいくぐって避難がてら物資調達のため、ある店に入りました。
しかしそこには、驚くべきものが!!!
史上初、排水溝ゾンビ!!!
ゾンビは胴体と頭が離れると機能停止すると言うのが一般的なので、こいつはシンクを頭から被っているんだろうと思っていたんですが、よくよく見ると、なんと首チョンパ状態。
さっきゾンビ倒した時、脳天に風穴開けて倒してたよね???
なんかもう、世の中が信じられなくなりましたよ。
更に、この後のロバートの行動に心底唖然!
「齧るなよ!これでも喰らえ!」
ゾンビの口にタオルを詰め込んでいます。
この時のゾンビの表情と来たら・・・
「な・・・なにすんだよ~~」
続いてロバートが取った行動は、蛇口全開でゾンビにお水ジャーですよ。
ジャーーーーーー
「生首の『浮き』だな☆」
ロバート、ゾンビいじめして実に楽しそうです。
「お前、こんなんじゃゾンビ仲間にイジメられちゃうな☆」
エヘッ☆
「情けないか?」
散々、水攻めにして遊んだあと、ロバートはこのゾンビにニックネームまでつけました。
その名も「ボブ」
しかも、何を思ったかボブをバッグに入れて連れて行くことにしました。
さぁさぁ!ストーリー破綻の幕開けだ!盛り上がって参りました!
勝手に命名「ボブ」
さて、ボブを連れて行こうと店を出ようとしたロバート、いつの間にか店の前がゾンビだらけになっているのを見て、二の足を踏みます。
もうすっかり「デッドタウン」に。
そこで、あることに気付きます。
「オレのにおいに寄ってくるんだな」
・・・なんだかことごとく辻褄が合わない気がします。
さっき、死体のにおいも嗅ぎつけるとか言ってなかったっけ?
まぁ、生きてる人間と死体に引き寄せられて、たまに頭部だけでも活動するゾンビもいるってことで、強引にスルーすることに致しましょうか。
とにかく、生きてる人間だと悟らせないために、ロバートは「ボブ」の血を自分に塗りたくることにしましたよ。
「臭くないぞー臭くないぞー・・・」
「シカのニオイと同じだと思え!」
言い聞かせながらボブの血を塗ってます。
しかしやっぱり臭いようです。
「ひどいニオイだぜ、ボブ!」
ボブの血で臭さ全開のロバート、次は診療所へ来ました。
妻と息子の薬を調達するためです。
しかし、ここも職員ゾンビでいっぱいでした。
ちなみに、ここには銃使いのゾンビがいます。
言いたいことは山ほどあるが・・・もういいや!
バーン!
薬の調達のあとは食糧調達です。
色々回りましたが、どこもかしこも店の前はゾンビだらけ。
ここは大丈夫そうだと目星をつけて入った店も、中にいたゾンビ店員に熱烈接客されました。
しかし、ここに来て、唯一の生存者発見!
「撃たないでーー!!!」
「撃たないよ、オレは正気だ」
しかしこの女性、何故かロバートと一緒に逃げたがりません。
ロバートはイラついて「お前のために家族を犠牲にできるか!」と一喝。
非常時に本音炸裂ですが、ちょっと言い過ぎだし怒鳴り過ぎです。
その迫力に本気で怯えて、女性は彼についていくことにしたのでした。
女性と自宅へ向かう道中、やっとここで無線がつながります。
応答してくれたのは、どうやらロバートの知人のようです。
でも、なにやら様子がおかしいですよ。
ロバートがゾンビの恐怖に晒されているのに、知人は平常心。
この温度差が気になります。
知人のいる場所は安全なのでしょうか?
さて、車中の女性ですが、何故かロバートが無線に気を取られている間に、彼のバッグをゴソゴソ探っています。
チャックをジーーーーッ・・・
あっ!そのバッグ!
さっき「ボブ」を入れたバッグじゃないの!
もしかして、バッグの中のボブに噛まれてゾンビ化するんじゃ?
そんな心配をよそに、事態は予測外の展開に。
案の定、ボブに触って「ギャーーーー!!!」
大パニックの女性はボブバッグ(ボブサップみたい)を窓の外に投げ捨てようとします。
「イヤーー!!!」
「やめろぉ!そのバッグにはボブが!!!」
銃が入ってるので投げるなと言うならわかるんですが、何故ボブをそこまで・・・。
ロバートは女性に「何故投げた!」と詰問します。
当然、大号泣でお話にならない女性。
そんな彼女に「噛まれたのか!!!」と更に問い詰めるロバート。
しかし、どう見ても噛まれてもおらず、女性が何も答えていないのに・・・
いきなり女性を撃つロバート。
しかも、なんのためらいもなく女性を路上に捨てていきます。
話がどんどんおかしくなってきたぞ!
一方、ロバートの自宅では負傷した息子が部屋で急変していました。
「うーんうーん・・・」
ガクッ・・・!ブクブク・・・
部屋の外では、物音に気付いた妻が、心配のあまりカナヅチで南京錠を壊していましたよ。
「息子くん!!!大丈夫!!??」
あーあ、やっちゃったよこの人は・・・。
ゾンビ息子に齧られてゾンビ母子になるつもりだな。
そう思ったのも束の間。
「返事をして!」
ゾンビだから返事するとしても「あー」とか「うー」しか言えないYO!
そう思いながら見守っていたところ、ふらふらと現われた息子・・・
なんとこのあと、普通に倒れて普通に死にます。
ええっ!!!ゾンビ化失敗ってアリ!?
妻は息子の蘇生を何とか試みようと、家中の薬を探します。
すると、ここにも南京錠がかかった戸棚が。
不審に思いつつ、なんとか開けて見ると、なんと!
「ロバート・モーガン」
夫名義の薬のビンが!しかも・・・
「精神安定剤」
あろうことか、精神安定剤でした。
実は、精神を病んでいたのは自分ばかりと思いきや、夫のほうがはるかに病んでいたのです。
戸棚の中にはおびただしい薬。
パニックで外に飛び出した妻。
道路には普通に車が走って行き、知り合いなのか、窓からドライバーがにこやかに手を振って通り過ぎていきます。
これは一体どういうことなんでしょう。
そこへ、夫が帰って来て怒鳴ります。
「なんでお前、外にいるんだ!」
以下、ロバート視点と一般視点、交互にお伝えして、レビューを終了させて頂きます。
実際はこうですが・・・(一般視点)
ロバートが見るとこんな感じ!ゾンビ警官隊!
なんの変哲もない田舎道ですが・・・(一般視点)
ロバートが見るとゾンビの大群に!
只の怯えた妻ですが・・・(一般視点)
ロバートが見ると気合の入ったゾンビ妻に!!!
あれもこれも、脳内ファイナルファンタジーなロバートが全部やらかしていたと言うお話でした。
ゾンビだと思っていた人、実は全部フツーの人で、最初に息子や妻を襲ったゾンビは、ロバートが殴ったせいで大怪我をし、「た・・・たすけて・・・」と、ゾンビのように歩いてきただけ。
息子の怪我は助ける時のトバッチリ。死んだのは薬の打ち過ぎです。
つまり、過度のストレスから頭がアナザーワールドへ逝ってしまわれた、単なる大量殺人鬼のお話でした。
ゾンビが全部まぼろしだったなんてひどすぎる!!!
・・・ストレスには気をつけよう!
おまけ☆
原題でネタバレしてるとも言えなくもない。「衰弱、衰え」などの意。
しかし相変わらず邦題の「デッドタウン・ゾンビ」
派手過ぎるぞ!
<超主観的評価>
ストーリー★★ スリル★★ テンポ★ バカ★★★ グロ★★
総合★★
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