②~
ソンジェさんが私のために用意してくれたホワイトデーの演出は驚きの連続で
そのすべてが私を特別な気分にさせた。
バラの花束
イチゴ入りのシャンパン
ソンジェさんとのふれあい
ソンジェさんとの会話…
NOって言わせるつもりないからねとか
そんなこと思ってくれてたの?とか
たぶん俺、葉子がいなくなったらダメになる…とか
俺を叱ってくれる葉子が好きなんだとか
時折手を握ったり抱き寄せようとして一旦やめて見つめたり
やっぱり抱きしめたりしながら
視線は基本甘く私に向けられた状態で
様々な名言を吐いて
ソンジェさんは私に充分過ぎるほどの愛を注いでいった。
ソンジェさんは
SecondLoveのことがずいぶん傷になっているようで
二度と離れないで…と日常的に言うようになっていたけれど、
この夜もしっかり私に釘をさす。
俺は葉子が好きなんだよ。女優としての地位とか俺とつりあうとか全然気にすることないんだから。だからムリはしないで。
でも私はソンジェさんにつりあう私になりたい…
愛してるからこそ「言えない決意」
ソンジェさんを不安にさせるのだけは嫌だった。
そんな私たちはこの後
Second Loveのように微妙にすれ違っていくことになります。
…ホワイトデーの一週間後
マスコミにソンジェさんと私の交際同棲が発覚しそうになって、
ほとぼりが覚めるまで同棲を解消する…という事件も起きる。
私の舞台主演も決まり
会うこともままならなくなってしまう。
同じ部屋に帰れない淋しさは想像をはるかに越えていて
毎日会えない分今まで以上に私たちは連絡を取り合うようになった。
特にソンジェさんは淋しいみたいで、ある晩
会いたいよ会いたいよ葉子って…
声も表情も想像がつくようなメールが届く。
そんなこと言われたら
私も押さえられなくなって
私も…って返信すると
『そうだと思った…だから会いにきたよ』
と速攻返信が。
いつ誰に見られるかわからないのに来ちゃったソンジェさんは
「今晩はここに泊まる」
そうきっぱり言いきる。
…この日だけはシングルベッドに感謝した。
狭いから葉子を離さずににいられるって
ソンジェさんはとにかく泊まれてうれしそう。
私がぎゅっと抱きつくと
ソンジェさんも同じように抱きしめ返してくれて…
私たちは抱きしめ合って
お互いのぬくもりを実感した。
④に続く☆