ゴニルくん指定のレストランはオーガニック専門店。野菜中心のメニューが充実していた。
「カルボナーラとコーラ」
ちょっぴり迷いながらも結局はオーガニック野菜とは関係ないものを注文する。
あっ…
ゴニルくんが反応。
続いて楽しそうに笑い出した。
「僕と全く同じもの頼むんだもん…」
笑いながら息継ぎのついでみたいにゴニルくんは大笑いの種明かしをする。
「野菜すごく食べそうなのにね」って、ゴニルくんはまだまだうれしそうに笑ってる。
あはは、そうかな?
私も一緒に笑う。
心の中ではちょっぴりドキドキ。
ゴニルくん…
私の好きそうなとこ選んでくれたんだ…
それに、同じもの頼んだなんて…
いったい今日、何回目のドキドキだろう?
そんな私に、
好きな人いないってさっき嘘ついちゃったよ…なんてゴニルくんが言う。気になる人はいるんだよねって。
コーラをゴクリと飲み込みながら。
ああ、ゴニルくんもコーラはストロー使わない派なんだ…
…カルボナーラもコーラの飲み方もぴったりなのに、ゴニルくんの気になる人の話は私をザワザワさせた。
その流れでチョコの話になって私は、私で、あこがれてる人の話をする。
あこがれてる人にチョコあげたいな…の話=あなたにチョコあげたいなのはなし
レストランを出ると雨…
いつも
雨だね
僕らが会う日は。
僕、実は雨男なんだよね。
ゴニルくんは笑いながら手のひらを空に向けた。
「わくわくしたり楽しみにしてると必ず雨が降っちゃう」
…だからその日のことはすごく記憶に残るんだそう。
「ショコラチークのイベントの日、雨だったら困るな」
そういう私に
柔らかなゴニルくんはやけにきっぱりと答えた。
「その日は雨ふらないよ」
その真意はわからないまま…
気になる人にチョコもらえるといいね…
あこがれの人にチョコ渡せるといいね…
エールを送り合って
私たちはお互いの午後へと向かった。
…次の仕事はショコラチーク絡みとはいえゴニルくんとふたりきり。
「バレンタインに彼女に着てほしい服」をゴニルくんがコーディネート。
ふたりでブティックで買い物をした後、ゴニルくんは付き合ってほしいところがあるという。
都内から離れた美術館…
館内はカカオの香りに包まれていた。
③に続く
今日の寝る前の一曲は
♪「キミだけをずっと」
大好き‼︎