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・・・ 海外サッカー生活 8年目 ・・・


去年も今年も、何試合も何試合も、何ヶ月もスタンドから観戦をしてきました。チームが勝つけれど、そこにいない自分。モヤモヤする気持ちも本当にあったし、肉離れの怪我で焦ってしまう気持ちもありました。



それでも、なんとか。先日の試合でやっと



残り20分という時間ですが、前十字靭帯断裂から13ヶ月半、靭帯再建手術からはちょうど10ヶ月ぶりに、そして契約してから2ヶ月が経ち、公式戦のピッチに立てました。



だからこそ、今はサッカーできることが本当に楽しくて、楽しくてしかたありません!







そして。







あと数試合で怪我せず結果を残さなければ、契約をキャンセルする、つまり







『 解雇宣言 』もされました。







僕の 2015年Season が開幕です!



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「この先タイサッカーが凄く盛り上がる!」

という話だけを信じ、タイに渡ったのが大学を卒業する、2012年。

 

 

その年は、前年より倍以上の25人ほどの日本人選手がタイでプレーし始めた年。現在、全カテゴリ合わせ50人以上の選手がプレーしていてることを考えると、本当にタイサッカーも盛り上がっていると思います。


けれど。


僕自身、当時、契約したチームの監督が別のチームに引き抜かれたためいなくなり、マネージャーとビッグボスに





「契約書なんて無い。」





この一言でいきなりの解雇。





突然、チームがなくなりました。





その日は、準備のために5日間だけ一時帰国したときに多くの友達に応援され、「頑張ろう」と、決心して日本を飛び出した日から、まだ1週間もたっていません。


ここで帰国しても


「 誰にも顔を合わせられない 」


そう思ってしまいました。




タイに残り、新しいチーム探すけど、それこそチームと契約することは簡単なことでなく。チームにテスト生として練習できない日は、独りで公園をひたすら走るだけ。たまに公園でやってる草サッカーに混じるけど、ほとんど毎日、毎日、公園を走っていたのがタイ1年目。


そんな日々の中、40度高熱のデング熱にかかり1週間入院したり、大小含め何回も交通事故にあったり。ニューハーフ、ゲイ、野良犬、野良猿に襲われたり。


最後の最後は、代理人としてお世話になってたタイ人に裏切られ契約の話もなくなるしまつ。



「 何しにここにいるんだろう。」



と、サッカーを「 続ける 」か「 辞める 」かを何回も繰り返し考えこんだ半年以上を独りで過ごしていました。


つまり、タイ1年目。


僕はサッカーをしていません。



今では、日本の常識は通じないこと、いきなりの解雇も普通に起こる世界だとわかりますが、当時は、なぜ自分がこんな目にあってるのかと嘆くことも。




それでも。

応援してくれる人の励ましをもらい



「もう1度だけ挑戦する」



と決め、日本に帰国。


日本では早稲田ユナイテッドでプレーさせてもらい、アルバイトとサッカーの日々で3ヶ月を日本で過ごし、再びタイへ渡りました。

当時の早稲田ユナイテッドには同い年が沢山いたし、チームも海外志向の選手でも快く受け入れてくれるところだったので、居心地もよく。今も、そこから海外にでてプレーしてる選手たちの活躍を励みにしてます。


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2013年。

新しい代理人との出会い。そして、運とタイミングと縁に恵まれ、タイのD2・カスタムズユナイテッドと契約。ここで初めてプロサッカー選手としてのスタート地点に立ちました。


 

 

 

サッカーでお金を貰らい、生活をし、生きていくことが『 プロ 』であり。そこに、国も、カテゴリも、関係ありません。

なにを言われようと、それはなった人にしかわからないだろうし、なったからこそ誰もが実感するものでしょう。


中学・高校のヴェルディユース時代は上手い選手が集まり、試合にでるようになるのは常に最終学年のみ。それも常にギリギリ試合に出られる選手。

大学時代に関しては大学リーグにでてません。最終学年の春にBチームに落とされ、選手として全く評価されず。むしろ、同じ天秤にもかけられないほど僕自身、選手としてチームから相手にされていませんでした。


 
活躍すれば評価され、新聞に取り上げられ、給料が上がり、チームのスターになり、それらに選手としての大きなやりがいと充実を感じられる。その一方で、結果を残せなければ、怪我をしてしまえば、いつクビを切られるかわからない世界。『 プロ 』とはこういうものだと思います。

当時の大学のBチームからシンガポール、オーストラリア、スペインなど海外でプロ契約を勝ち取り、活躍する同級生が僕のまわりには沢山います。そして、逆にトップチームにいた同級生がどんどんサッカーを辞めています。その違いは、「悔しさ」をエネルギーに変えて、今でも本気でサッカーに情熱を注いでることなのかなと、思ったりもします。


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2014年。

選手としての活躍を認め、評価してくれた監督と共に新しいチーム、サムットサコンFCに移籍。


 
同じカテゴリの移籍だったけど、チームは昇格を本気で目指し、僕自身も1年間選手としてタイで過ごした自信と、このチームは優勝を狙える雰囲気を感じ、多くの期待を持ってシーズンにのぞみました。













そして、2014年2月22日。












試合開始1分。
























左脚前十字靱帯断裂












病院で診察を受け、「 手術が必要 」「 最低でも半年間はプレーできない 」と言われたときは、頭で何も考えられず、吐きそうになりました。


好きなサッカーをやっとのことで1年間通してプレーし、自分にもチームにも期待して望んだシーズン開幕の矢先のことだから尚更だったのかもしれません。


怪我したときは、また選手でない自分になるのが本当に嫌で、嫌で、嫌で。


だからこそ、多くの人が


「日本に帰って手術した方がいい。」


と、アドバイスをしてくれても


「選手としてチームにいれるなら例えプレーできなくてもタイで手術をしたい。」


とも思ってしまった自分のせいで日本帰国という判断に2ヶ月も時間がかかってしまいました。




チームとの間に色々なことがありましたが

最後はチームと自らの選択で契約解除。






日本帰国。






そして、手術。






それからは





リハビリ。バイト。リハビリ。バイト。リハビリ。バイト。リハビリ。バイト。リハビリ。トレーニング。バイト。トレーニング。バイト。トレーニングの日々。


チーム、グランド、施設、トレーナー、ドクター、なにもありません。


毎日、仕事におわれながら、やらなければならいことをひたすら独りでトレーニング。


お金を貰い、トレーナーがいて、治療がてできて、毎日リハビリができる選手たちがどれだけ恵まれている環境にいるのか。比べてもしょうがないことだけど、やるせない気持ちもありました。





怪我しているただのフリーター。





サッカー選手でもなんでもありません。





毎日、刺激的なこともなく。復帰に向けてやらなければいけないことをただ黙々やるだけでした。


リハビリやトレーニングをもちろん続けつつも、長い間、サッカーだけをやってきた僕の毎日の中で、初めて自分で時間をコントロールして、好きなことをできる貴重なものだったので、あえてサッカーを忘れる時間も過ごしました。



でも、結局それは



「サッカーがやりたい」



という、自分の気持ちに改めて気づくものだけでした。


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2015年。

術後7ヶ月で、なんとか膝の調子とコンディションを間に合わせ、年明けにタイに渡りました。



けれど、チームのテスト参加中にふくらはぎの肉離れをしてしまい



「 もう日本帰国だな 」



と、心の中で覚悟してました。




しかし、なんとか、本当に移籍市場が閉じる最終日、監督の助けもあり、最後の最後の滑り込みでチャムチュリユナイテッドと契約。



なかなか肉離れが良くならず、練習復帰しても再発を繰り返し、マネージャーやボスの痛い視線もあるなか、毎日、治療に通い、少し時間はかかったけど、こうやってピッチの上にまた戻って来れた日が






『 2015年4月6日 』 でした。






ひとそれぞれのサッカー人生があります。プロになることが偉いわけでも、海外でプレーすることが偉いわけでもなく、働きながらサッカーすることも、引退の道を選ぶことも、皆それぞれのサッカー人生。


僕の話も様々な選手たちがいる中の一つのストーリーでしかなく、もっともっと壮絶な経験をしてる選手は何人もいるはず。


何度も何度も悔しい経験をして、なぜ自分だけ上手くいかないかと嘆き、何回も涙で枕を濡らし、ボロボロに心が折れた選手も沢山いると思います。


それでもまた顔を上げると応援してくれる人が沢山いることに気づき、サッカーをやったときの楽しさを感じ、まだ頑張ろうと思えること、海まで渡りサッカーを続けたり、自分の納得いくまで続けようと思うのは、僕らにとってそこまで夢中になり、魅力が詰まったものが『 サッカー 』なんでしょう。



次、大怪我をしたら

「 引退 」

そんな事も心にあります。



でも、今はサッカーのできる環境が僕のまわりにはあり、まだ100%じゃないけど、サッカーできる身体がある。





それは、僕にとっての『 幸せ 』です。






「なぜサッカーなのか?」

「サッカーじゃなきだめなのか?」






その答えは







『 サッカーが好きだから 』






本当に単純だけど、もうそれ以外のなんでもありません。長い時間をかけてなんとか復帰できたとき。そして、ゴールを決めたとき。心の底から身体に染みるように


「 サッカーが好きだ 」と、感じました。


日本のように決して恵まれた環境ではないし、海外にでて、理不尽な色んなことが起きて、愚痴をこぼしながらもサッカーを続けてる人はここにも沢山いて、それも、結局は皆サッカーが好きなことには変わらないんじゃないかな。


自分で好きなことを続けることを決め、好きなことができているこの環境があるのに、それを楽しまない理由はありません。ここいると、楽しいだけではサッカーを続けていけないようなこともありますが、楽しむことを忘れたら、そこからは何も生まれてこないかなとも思います。



文章でこうやって書くとほんの数分のことだけど、ここ数年の歩みは僕にとって本当に濃いものであり、サッカーを通したこの経験や新たに出逢った人たちとの関わりは、僕自身を変えました。


そして、応援してくれる皆の言葉も、ひとつひとつ自分の支えと力にしてここまで過ごして来ています。




本当に、ありがとうございます!





明日いきなり解雇されるかもしれません。


ここはそうゆう世界です。


もし、今そうなったら、この先の僕は現役を「 続ける 」か「 引退 」するか、そこからまだまだ頑張ろうと思える力が湧いてくるかどうかわかりません。



だからこそ。


好きなサッカーをプレーできる環境が今ある限りは、選手としてもっともっと活躍してプレーしてる姿を日本で応援してくれてる人に届けられる選手になりたい。優勝やタイトルも経験したい。お金だって稼ぎたいし、30歳すぎてもサッカー選手でいたい。取材とか受けて特集されてみたいし、スポンサーにサポートしてもらえる選手になっていきたい。



そんな、サッカー選手だからこその



『 夢 』『 目標 』『 野望 』



も、沢山持ち続けます。



背中に「自分の名前がある」ことも、サッカー選手としての喜びのひとつ。この気持ちをわかる人も絶対にいるはず。



『 0からのスタート 』


よく聞くこの言葉も、悲しいことが100回あって嬉しいことが100回あって、言ってみればプラスマイナスゼロ。でもそれは、何もなかったゼロよりずっと大きな意味があると思います。


僕は何か栄光を掴み取った選手でもありません。順風満帆なことも少なく、他の選手を羨ましがったり、妬んだりもしていました。この自分の歩みを長々と書くことに、どれだけの意味があるかもわかりません。



正直

膝も肉離れも、本当に満身創痍な状態です。




それでもサッカーできる環境があるかぎり


応援してくれる人たちがいるかぎり


『 感謝 』と『 楽しむ 』の言葉を忘れず




「 応援してください! 」と言うのでなく


皆から


『 応援してもらえるような人 』


であるために



僕自身。やるべきことを続けていきます!







ちゃんと話の内容まとまってるかな?

「 話、長がすぎ! 」

ってツッコミはなしでお願いします。


自分でもわからなくなってるので。笑




「神様は乗り越えられる人にしか試練を与えない」とよく聞くけど。




もう今はお腹一杯です(´д`)




ご褒美に甘いデザートを下さい!笑





貴重な時間を使い最後までこのブログを

読んで頂きありがとうございました!







また、気ままに更新します!







久保木優






復帰戦、ロスタイム、決勝ゴール。

大きな舞台でも、何か優勝がかかってる試合でもないけど、こうゆう本当に一瞬の嬉しいことがあるから『 サッカー 』は人を惹きつけるんだと思います。



まだまだ左脚はテープだらけだけどね。笑




おしまい(^^)/

 
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・『サッカーに魅せられて。』
 
・『一段を登るためにかけた時間。』
 
・『前十字靭帯断裂話』
 
 
 
 
 
 

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