小説 母性 湊かなえ | フルチャージで★いざ参る♪

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色々話題を変えながら最近は読書感想文

巻末の解説が納得すぎる

解説に「どっちの言い分が真実かをきめるものではない」とあるように、そういう話ではないのだろうが、私は完全に娘目線で読んでたな

母親は『超絶母親依存症の超絶自己中』な人という認識

田所家での姑・小姑をめぐる数々の出来事も、哲史と離婚したくないなどという理由からではなく、お母さんが褒めてくれてるという依存からの思い込みだけで健気に田所家に尽してきたわけでしょ
理解の域を超えて凄すぎるw

娘に対してのいい母親ぶりも、娘が喜ぶことを想定したことでも結局は
・娘にこうしてあげたらお母さんが喜ぶだろう、褒めてくれてるだろう
・自分だったらこうやって喜ぶのに、こう言って感謝を伝えるのに
とか、とにかく自分中心

しかも、その受取り方が娘の本意と全く違うっていうね

人によって受取り方が違う、見方が違うっていうすれ違いはまさに湊かなえ劇場(アンジャッシュにも通ずる?)

これもね、娘の都合のいい言い分とか記憶の美化ということより、母親が自分目線が強いがために娘のことをちゃんと見れてなかったってことじゃないの?

娘は嬉しくて泣きたいのを我慢してたっていうのを仏頂面と捉えてしまうあたり(何か感じろよ!)と思ってしまう

で、一番救いようのない奴というかやっぱり哲史は酷い

田所家での、嫁姑問題スルーもそれがいいと判断した理由があったとはいえ酷い
嫁は何一つ救われてないぞ

挙げ句の果てには浮気ですか?
どうしようもなさすぎる
最後には何か許されている
存在感もさほどなかったし、最終的に哲史がどうなろうといいっちゃいいけどってくらいの存在でしかないな

ワインボトルで死ぬとは私も思えないけど、罪被っての15年失踪を思わせる節があるけど
ある日忽然と、父の前から姿を消してしまった
とあるから深読みせずに素直にそうなんだと思う

そうそう、途中母親が手芸教室行きだして占いの話に入っていった時は(何?それで救われていくって話なの?これ続くの?)と少し不安に駆られたが、薬の話になり(あ〜、そういうオチね)と安心したところでの義母も騙されてた大オチまでついてたのには笑った

こんな色々あり過ぎる程あったのにこの大団円ぶりは何なんだ

義母も認知になったお陰で(?)やっと報われて、それは良かったねって話だけど清佳(さやか)の行きつけがりっちゃんのたこ焼き居酒屋って

りっちゃんにたこ焼きもらったからって、たこ焼き持って田所家の母親の元に行く、とか何気に(?)憲子の息子英紀がりっちゃんでバイトしてたり哲史も戻ってきて
『田所家みんな仲良くやってます』
って湊かなえにこんな丸く収まる話ってあるんだ笑

でも本当には収まってない気もするのはなんだ
母親の現在がはっきりわからないからかな
母親は娘を抱き寄せようと手を延ばしたと言うが、娘は首を締められたと言う
首に締められた跡があるから手首を切らず首を吊ろうとしたというくらいだから、母親が娘の首を締めたが本当なのかな
そして、倒れてる娘をみて普段呼ぶことのなかった清佳と名前を呼んだ
これにどんな意味があるのか
名前を呼んだことで、求める母性ではなく与える母性に目覚めてくれたのならいいなと思う
一つ願いが叶うなら、子ども時代に戻りたい…といいつつ娘の意識が1日でも早く戻ることと言いかえてる
けど、これも「大切な母が命をかけて守ったその命」だからなんだよね〜

うん、多分すっきりしてないのは母親、いい加減名前出そう「ルミ子」の母性に変化があったのか現在がわからないからであろう