春の君 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


雪乃です。おはようございます。

今日は続きモノはちょっとお休みして、ちょっと短めの妄想なんぞを。

続きモノの方はあえて季節感を出さないようにしてたら、ちょっとフラストレーションがたまりまして…
書いてみました。

まあ、もうひとつの理由は…

この続きモノ妄想のこの後の話が…

自分でもヒクぐらいウラ部屋行きばっかりになりまして…(-_-;)

自分、大丈夫か?そういうのじゃないものも書けるのか?と不安にかられて、ががっと書きました。なので自分が読むとなんか自分っぽくない…
もしよろしければ、一言感想とかいただけるとめっちゃありがたいです(^o^)/


続きモノの方はデキたてほやほやの2人ですが、今回の妄想では熟してます。つきあって3年が経ち…みたいな♪( ´▽`)
なので合鍵も所有(≧∇≦)


前置き長くなりましたが、読んでいただけると嬉しいです( ´ ▽ ` )ノ






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Side O






合鍵を使って、ニノん家のドアを開けると、春の匂いがした。


廊下を歩いてリビングまで来ると、窓を開け放ち、ベランダに出て外を見つめながらビールを飲んでいるニノがいた。かたわらに大きな花瓶に生けられた桜の枝が見えた。ニノの肩くらいまで伸びた桜の枝に満開の花が咲いている。



「大野さん、おかえり」


ニノが俺に気づいて振り向いた。


「どうしたの?それ」


桜に視線をやりながら、聞くと、

「もらい物だよ」

って答えが返ってきた。


「きれいだよね」

ちょっと酔ってるのか、ふふふって笑いながらニノが呟いた。


「うん、きれい…もう春なんだな…」


夜空に映える桜のそばに立つニノは、なんだか消えてしまいそうに見えた。


俺がシャワーを浴びて風呂場から出てくると、ニノはベッドに寝転がって頬杖をついて、ベランダの方を見ていた。ベッドサイドのテーブルに、飲んでる途中の缶ビールが無造作に置かれている。最近、ニノが気に入ってるアーティストの曲がスピーカーから小さく流れていた。

開けっ放しのベランダから、春の温い風が入ってくる。心地いい風をうけながら、ニノはぼーっと窓の外をみつめていた。その頰に、風に散らされた花びらが舞い落ちて、ニノはくすぐったそうに目を細めた。


ずっと見てたら…ニノが消えちゃいそうで…


なんでだろ…


ニノの横顔に儚い色を感じて、俺は戸惑った。


俺は急に不安になって、ニノの腰に腕を回して顔を彼の肩に押し付けた。

「ニノ…いなくなったり…しないでね」


ニノが柔らかく笑いながら、俺の方へ顔を向けた。


「どした?大野さん?」

「ん…お前見てたらなんか不安になって…」


ニノはまた柔らかくふふっと笑った。


「いなくなるなんて…俺はいるでしょ?ちゃんと、ここに」


「ん…」


子供をあやすみたいな優しい声で言って、体勢を変えて俺の頭に腕を回して抱きしめた。


「確かめてみる…?ちゃんと、俺はここにいるって」

ニノが親指で俺の唇をなぞって、顔を近づけてきた。額を俺の額にくっつけて、にこっと笑う。

その唇に、触れるだけの口づけをして、体を離した。

「ニノ明日…朝早いでしょ?」

ニノは微笑みながら首をゆっくり振った。


「いいよ…今のあなたには…必要なことでしょ?」


ニノは眠るようにそっと目を閉じた。

温みを含んだ風が吹いて、桜の花びらがニノの目元にはらはらと落ちる。俺はその花びらの上から、指でニノの顔を撫でて、唇を彼の唇に落とした。ニノが目を開けて、微笑んだ。何度も触れ合うだけのキスを繰り返して、ニノの体温を確かめる。

その口づけを首筋へ落とそうとして、風がまだ俺の髪を揺らしているのに気づいた。

「ベランダ…開けっ放し…」

「いーよ、あったかくなってきたから…」



俺が気にしたのはそっちじゃないんだけど…



もう2人とも立ち上がって窓を閉める気にはならなかった。





春の風に吹かれるニノは


白い肌にところどころピンクの花びらをのせて、


俺を夢中にさせる…


もう何度も、何度も、この体に触れて、確かめあっているのに…


どうして、こんな…不安になるんだろう…


ニノは、バカだな、って言うんだろうけど…


ぎゅっと抱きしめると、俺の名前を呼びながら、ニノも俺を抱きしめる腕に力を込めた。

その華奢な肩が愛しくて、深く口づけると、息を乱した彼が閉じていた目を開けた。

その瞳が、泣いてるように見えて…


胸が騒いで、瞳をふさぐようにまぶたに口づけた。


「ずっと…俺のそばにいてよ…」

普段は胸の奥底に沈めてる感情が顔を出す。


「…今日は、どうしたの?」

「だって…」

言い募る俺を見て、ふふっと笑う。

「俺はどこにもいかないよ、おーのさん…」

「ん…」


柔らかい笑みをこぼして、俺の腕の中で乱れてくニノに、また、夢中になった。


いつも、ずっとこいつに夢中で…全部欲しくて…


これから何があっても…たぶん、ずっとそうなんだろうな…





腕ん中で寝てしまったニノを起こさないようそうっとベッドから降りる。いつのまにか、流れていた音楽も止まって、部屋はしんと静まり返っていた。

開けっ放しのベランダへ近づくと、夜気を含んで少し冷たくなった風が吹き込んで、床に散らばった花びらを舞い散らせた。


窓を閉める。


少し寒そうに身を丸めたニノに毛布をかけて、穏やかに眠っている頰にそっと、キスをした。