君の青空、僕の太陽 20 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。







Side S






「翔くん、やっぱこれ、結構時間かかっちゃうよね…」


セットに向かって歩きながら振り向くと、智くんは眉をぎゅっと寄せて困った顔をしていた。


「ニノと…話さなきゃ…」


「智くん、集中して、巻きで終わろ?」


「うん…」


智くんはそう言ったものの、心ここにあらずなのはよくわかった。


撮影に入っても、全然表情を作れていない。


目で智くんに訴えると、思い切るように深いため息をついて、急に冴えた表情になった。


俺はカメラに向かって微笑みながら、もう一度頭を整理しようと、さっきの収録前の様子を一生懸命思い出した。



ニノが楽屋にいて…リリティがやってくる。


『この間のこと、どうですか?』


『決めたよ。あとで行く』


『他の人交えて飲んでるだけだし』


この時点ですでに嘘だった…


2人だけだった、と思われる日があるから…


『お祝いの打ち合わせしてるだけ』


ってことは、これも嘘なんだろうな…


『10階の西のはじですよ。お待ちしてます』


楽屋の場所…


ニノは、なんでアイツの楽屋に行くんだろう…


「決めた」結果を話すのか…


わざわざ対面で話すということは、メールや電話では抵抗があって、他の人に知られたくないということ。








…取引。








ごく普通の単語が冷たい響きを持って、俺の頭に浮かんだ。その考えを取り消したい気持ちと、それしかないだろって叫ぶ理性が俺の中で闘う。



しかし、だとすると、何を取引すんだ…



何かの代わりに、何かを要求されている?



ニノが今、守りたいもの…





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俺はちらっと智くんに目をやった。すごく真剣な表情で、カメラと向き合っている。


振りのレッスンのとき、智くんに関係あるか聞いたら、ニノは否定しなかったな…



智くんを守るために、ニノは…



とすると…



その代償は…



智くんと、引き換えになるようなもの…








ニノ自身、か…








自分で言った「あの人はどっちもイケる人らしい」って言葉が、重い響きを伴って浮かんでくる。



ニノ…



俺が芸人さんと飲みたいって言ったら、今度誘うよって笑ったニノ。



アイツの楽屋、行くな…!



思わず奥歯をぎりっと噛みしめる。


携帯は楽屋だし、第一、撮影中だから、ニノと連絡はとれない。

撮影の方ははいろんなカットを要求されて、全く終わる様子がない。

さっき、俺たちの収録が終わってから、随分と時間が経っていた。


くそっ…ニノ…!


俺はにこやかに笑顔をカメラに向けながら、拳を強く握りしめた。