Side N
相葉さんは手早く体を拭ってくれて、スパッツを履かせてくれた。
「よし、これで大丈夫かな?」
「あ…相葉さん…」
俺が困った顔で見上げると、相葉さんは照れたようにふひゃって笑った。
「しちゃったねー、ニノ、どうしよっか?」
「ど…どうもしないでしょ…できないし…」
恥ずかしくて、目をそらす。
そのとき、ベッドサイドのテーブルに置いていた相葉さんのスマホがブルルと震えた。
「あ、翔ちゃんだ」
相葉さんはスマホを見てふふっと笑った。
「なんて?」
「『まだ二次会中?そろそろ寝ないと明日しんどいよ。おやすみ』…だって…もしかして、聞こえてるのかなあ」
「いやいや、ちゃんと聞こえてはいないでしょ…聞こえてたら…超困るし」
俺の言葉に相葉さんはまたふふっと笑ってベッドに上がると、俺をベッドに寝転がす。
「わっ」
「よし、翔ちゃんに言われたことだし、寝よ?」
ニコニコ笑った相葉さんは、俺を強引にベッドに寝かしつけるようにして、ぎゅっと抱きしめた。
一緒に寝んのか…
照れくさかったけど、それはそれでアリかと、俺はおとなしく相葉さんの腕に身を委ねた。
「秘密の二次会になっちゃったね」
「…ん」
相葉さんはぎゅっと俺を抱き寄せる。その手が腰のスパッツを撫でた。
「俺…このスパッツのまま寝んのか…」
思わず呟いたら、相葉さんはいたずらっぽい笑顔になった。
「ニノ、脱がしてあげよっか?」
「…遠慮します…」
ってか、そんなのまた始まっちゃうじゃん…
相葉さんの手が俺の背中を優しく撫でるのを感じながら、俺は夢に落ちた。
-終-