先生なんて呼ばないで 12-2 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

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嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。









Side N








「食べものの他は何したい?ニノはやっぱゲームか…聞くまでもないか」


翔ちゃんは自分で自分に回答すると、またくっくっと笑った。



受かったら、したかったことなんて…



ひとつだけ。



俺は黙ったまま、運転する翔ちゃんをじっと見た。


「…ニノ?」


翔ちゃんは俺の視線を感じたのか、訝しげな声をあげたけれど、運転中だから、視線は前方においたままだった。


「翔ちゃん…俺が受かったらしたかったこと、今していい?」


「…それは…ダメ」


「え、あ、翔ちゃん」


翔ちゃんは、速度を落とすとハンドルを切った。国道をそれて、小さな脇道に車を進ませて行く。


あたりは人通りの少ない真昼間の住宅街で、翔ちゃんは小さな公園の入り口脇の樹の下に車を止めた。


「翔ちゃん?」


「お前が受かったらしたいって言ってたこと…俺が先にしたいって言ったの、忘れちゃった?」


「あ…」


翔ちゃんの手が俺の顔に伸びてきて、頰に触れた。温かくて、翔ちゃんの香りがして、胸がドキドキ鳴り始める。


「翔ちゃ…」


「好きだよ」


翔ちゃんの瞳は、まっすぐ俺を射抜くように見つめていた。


車の外で、春の嵐みたいな強い風が吹くのが聞こえる。


「先生ヅラして…先生って呼べとか…いろいろ偉そうに言ったけど…ずっと好きだった」


俺も好き、と言いたかったけれど、何か声に出して言えば、泣いてしまうかもしれないと思った。


「だからもう…先生なんて呼ばないで…」


翔ちゃんの腕が俺の後頭部に回って、抱き寄せられる。


シートベルトに引っ張られる体。


目を伏せた翔ちゃんの顔、
薄く開いた唇。


「翔…」


…ちゃん、と呼ぶ声は声にならなかった。


翔ちゃんの唇が俺のそれを塞いで、何か反応する間も無く、熱い  舌が  忍び込んできた。


「っ…んっ…ぁ…」


胸の奥が誰かの熱い手でぎゅっと掴まれているかのように、ひどく甘く、痛む。



こんなキス…知らないよ。



こんな気持ちになるなんて…



教えておいてよ…先生…



翔ちゃんの舌は、最初こそ遠慮がちに俺の  舌を誘うようにしていたけれど、だんだん激しく俺の息を奪っていく。


「んっ…んんっ…ぁ…」


「…ごめん…苦しかった…よな?」


翔ちゃんは唇を離すと、申し訳なさそうに眉を寄せて俺を見た。


「はぁ…翔ちゃん…ズルい…」


「ズルいって…何が…」


「先生、ズルいよ…俺だって…ずっと好…んっ…」


ふっ、とかすかに微笑んだ翔ちゃんがまた俺の唇を塞いだ。温かい手がほおを撫でて、耳をかすめる。


「もう、先生なんて…呼ぶ生徒には…回答権はやらん」


「なっ…ズルい…よ…」


呼吸の甘美な不自由さにあ  えぎながら、俺は必死で言った。



合格したのは俺なのに…



なんで、俺が「好き」って言えないんだ…



「翔ちゃ…んっ…好…き…ぁ…っふ…好き…」


何度も唇を啄ばまれる。その合間を縫って、必死で、「好き」と繰り返す。

翔ちゃんの手が俺の耳のあたりをゆっくりと大きな動作で撫  でて、首  筋に這  っていった。