You are the One 1 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。









Side N








必ず手に入れたいものは



絶対に、手に入れたくない



なんだそりゃって思うかもしんないけど



ずっと、そうなんだ






なんでってそりゃ



絶対に失くしたくはないと


思うに決まっているからさ





失くしたときに


自分が立ち直れる人間かどうかなんて



自分がいちばん、よくわかってる






隣にいる



それだけでいい




そのかわり、






ずっと






ずっと


隣にいるよ












収録前のしんとした楽屋でソファに腰掛けてスマホをいじっていたら、大野さんが入ってきた。


俺に一瞬、微笑むから、どきんとした。慌てて、目を伏せる。



…なにやってんだろ、俺…



大野さんがカバンを向かいのソファに置く気配がした。



この人に関して、



望むことはただ一つ。



隣で笑っていてほしい。






それだけなのに、



なんで、今、



こんなにも、




触れたいと…思うんだろう…





「にの、抱っこしちゃる」


「はあ?」


大野さんのふにゃりとした声にびっくりして、顔をあげると、やっぱりふにゃりと笑っていた。


「しなくていいの?」


全部わかってるよ?って言ってるみたいな笑みを浮かべたまま、大野さんはソファに座ったまま両手を広げた。


「いーよ、そんなの…」


消え入りそうな声で小さく呟いてみたものの、手はスマホを置いていた。大野さんはニコニコしたまま、開いた腕を上下に動かした。


「時間切れになっちゃうよ?いいの?気持ちいいよ?」


「気持ちいいって何…」


俺は苦笑を浮かべながら、立ち上がった。大野さんに近づくと、手を取られて、俺は膝にまたがる形で腕の中に抱きよせられた。

すぐにぎゅっと抱きしめられて、思わず背中に回した腕に力を込めた。


「ね…気持ちいいでしょ?」



…バッカ…



…気持ちいいよ



泣きたくなるくらい、



気持ちいい



この温もりを、手にしちゃいけないと思っていたのに…




「にの、どう?気持ちいい?おいらの抱っこ」


言葉を出すと泣いてしまいそうだったから、その温かい、甘い香りのする腕の中でこくっと頷く。

大野さんのんふふ…と鼻にかかったかすかな笑い声が聞こえて、頭を撫でられた。



…カメラの回っていないところで



人のいないところで



ふたり、こんな風に抱き合うのは



初めてかもしれない



触れたら、





絶対に離したくないと





俺は、思うに決まっていたから。



「にの、もう、観念しな?」


いたずらっぽい声が降ってきて、顔をあげると、大野さんの力強い手が俺の後頭部をぐいっと引き寄せる。



え…



と、思っている間に、俺の唇は大野さんの唇に塞がれていた。