Kissからはじめよう 8 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ























Side N






マルとじゃれあってるの、



大野さんに見られたくなくて…



焦って、つい強めにマルを払いのけてしまった。


「マル、大丈夫⁈」


ぐったりしているマルに、念のため声をかける。


「大丈夫大丈夫。メンタル面の落ち込みやから」


「ははっ…落ち込まないでよ」


「でも、そういえばさ、ニノとリーダー、チュウしてなかった?春の番組で」


ヨコが余計なことを思い出したようだ。


「あー、俺も見た。番宣めっちゃやってたもん」


すばるくんまで追随する。


「あれ結局やったん?自分ら」


ヨコの笑った目が追及するように俺と大野さんを交互に見た。


「してねぇ」


大野さんが素早く呟いた。


「マジで⁈ バラエティ的にはしやなあかんとこちゃうの⁈ 」



まあ、ヒナ的にはそうだろうな…



俺も、そう思ったしね。



「や、あり得ねーだろ。ニノと…ってか男同士でキスとか」



え…



俺はちらりと大野さんを見たけど、大野さんは目を合わせてくれなかった。


「そうなんですか?俺オンエア見たんですけど、なんかガチっぽく見えて…焦りました」


隣に座った知念が言うと、大野さんは「いや、ねぇからそんなん」と手をひらひらさせて言った。



どうしよう。



胸が…痛い。



そのあと、別の話に興じていく大野さんを見ながら、酔いが一気に覚めていくのを感じた。



大野さん的には



昨日交わしたキスは







なかったことに







なったってことなのかな…



「ニノ、次何飲む?」


復活したらしいマルが、俺の空になったグラスに目を留めた。


「マルと同じの作って」


マルは紹興酒をロックで飲んでいた。


「結構強いで?大丈夫?」


俺は頷いた。



だってなんか…



酔い覚めちゃったし…



もう、酔っ払って全部忘れたいような気持ちだった。


マルが作ってくれたお酒をぐびっと飲む。


マルやヒナと話しながら、隣の大野さんと知念の話に耳をそばだてる。ふたりは笑いあっていた。釣りの話をしているようだ。


「今度一度連れてってください」


「いいけど…お前船乗れんの?結構揺れるけど」


「僕を誰だと思ってるんですか〜体操選手の息子なんですから」


「そうだったな…じゃ、今度タイミングあったら行くか」


「はい!」


嬉しそうな知念の声に、気持ちはどんどん沈んでいく。



…どうせ、俺は船とか…乗れませんからね。



こんないじけた気持ちになるのは久しぶりだった。



大野さんのせいだからね…



大野さんが不用意に俺にあんなキスするから…



ちょっとは、俺のこと



特別に、想ってくれてんのかなって



思っちゃったんだよ…



気づけば、グラスは空になっていた。


「わ、ニノ、全部飲んでるやん!大丈夫か?顔真っ赤」


マルが俺のグラスと顔を見て声をあげた。


「あ…酔い覚ましに…タバコ買ってくる」


楽しそうに笑いあうふたりをこれ以上見たくなかった。


思ったより酔っ払っていたみたいで、立ち上がるとフラフラする。


「ニノあぶなない?俺も行くわ」


店を出た俺を、マルが追いかけてきた。