苦手な方はご注意くださいませ
信っじらんねぇ…
なんで、
大人のときの記憶はなかったのに、
子供のときの記憶は残ってんだよ…
俺は半ばうめきながら、ソファから身を起こした。
Side N
仕事を終えて、大野さん家に帰ってきて、ついソファでうたた寝しただけだ。何も、特別なことはしていない。
だけど、目覚めたら、俺。
しかも、
子供のときの記憶は残ってんだよ…
俺は半ばうめきながら、ソファから身を起こした。
Side N
仕事を終えて、大野さん家に帰ってきて、ついソファでうたた寝しただけだ。何も、特別なことはしていない。
だけど、目覚めたら、俺。
しかも、
子供のときの記憶、全部ありやがる…
大野さんの家のリビングは、あるじがいないとしんとして、ひとりだとだだっ広く感じた。
ひとりきりなのに…思い出すと、恥ずい…
勝手に顔が熱くなって、俺はひとりで焦った。
なにあれ…
やりたい放題じゃん…子供の俺…
泣いたり、
大野さんの家のリビングは、あるじがいないとしんとして、ひとりだとだだっ広く感じた。
ひとりきりなのに…思い出すと、恥ずい…
勝手に顔が熱くなって、俺はひとりで焦った。
なにあれ…
やりたい放題じゃん…子供の俺…
泣いたり、
ワガママ言ったり、
おーのさんに甘えたり、
「おーのさん好き」とか言ってみたり…
あげくは「おやすみのチュウ」だの「コイビトのチュウ」だの…
しかも昨日…風呂であんなこと…
大野さんの手の感覚が蘇ってきて、またかーっと頰が熱くなってきた。
どうしよう…
子供だったのに…
キスしただけであんななるとか…
俺、大野さんのこと、好きすぎんでしょうよ…
思い出すと体まで熱くなりそうで、俺は自分の体を抑えようと両手で自分の腕をぎゅっと抱きしめた。
それに、大野さんも…
子供の俺を抱きしめてキスしたり、
風呂であんなことして…
『おいら以外と…こんなことしちゃダメだかんな?』
って…牽制するとか…
子供になっちゃう前、
俺、大野さんが浮気してんじゃないか、とか余計な勘ぐりしてたけど…
あの人…俺のこと、
すげぇ好き…だよね?
女のとこに行きたけりゃ、何もわざわざ、シたくなるのを我慢しながら、子供の俺を預かる必要なんてないから…
俺は、ベッドの上で口づけをしては、子供の俺を熱く見つめる大野さんを思い出した。
そう、大野さん、子供の俺を前に、我慢してくれてた…
あんなに、俺のこと欲しがってたのに…
子供になる前、ふたりで過ごした夜のことを思い出した。
なのに、あの電話…
子供になる前の日の、ふたりでした電話の会話が蘇ってきた。
我ながら、ひどいこと言った…
子供になる前の日の、ふたりでした電話の会話が蘇ってきた。
我ながら、ひどいこと言った…
あんなこと言いたくて、電話したわけじゃないのに。
会って、謝んなきゃ。
早く、会って、抱きしめて、
いっぱい謝って、そんで…
テーブルに置いたスマホにメッセージが来ているのにそのとき気づいた。大野さんからだ。
翔ちゃん家に行け、か…
夜中までひとりだと、俺がさびしがると思ってのことだろうか。もう大人に戻ったから、その必要はない。
それとも、
やっぱり本当に、俺がいない方がいいんだろうか。ひとりの時間がないとダメっていつも言ってるし。俺がいると、気をつかうだろうし、いろいろガマン…させちゃうのかもしれないし…
ああ…
でも俺、
会いたいよ。
大野さんに会いたい…
俺は、スマホ画面に大野さんの番号を表示させると、次の瞬間にはもうタップしていた。
ああ…
でも俺、
会いたいよ。
大野さんに会いたい…
俺は、スマホ画面に大野さんの番号を表示させると、次の瞬間にはもうタップしていた。