Villa No.14 #16 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


















Side N







大野さんに手を引かれたまま、足が立つところまで戻ってシュノーケルを外した。


「すごかった、ホントに黄色いサメだったね」


「な、黄色だったろ…ほんで、お前、見えた?」


「へ?何?」


「海ガメ」


大野さんは振り返って生簀の網の上に設置された浮きを見た。ちょうどサメを見たあたりだった。


「え?最後の?網の外?」


「うん」


「わかんなかった」


俺が言うと、大野さんは悔しげな顔をした。


「そっか〜また見せ損なったな〜」


「へ?またって何?」


大野さんはそこで、生簀の向こう側からこちらへ戻ってくる翔ちゃんや相葉さん、潤くんに手を振った。


「や、前、ハワイ行った時も、ニノに見せたかったのに見せられなかったから…海ガメ」


ちょっと目を伏せて悔しそうに言う声にどきんとした。



なんで、そんなこと覚えてんだろ、この人は…



なんで…



ドキドキいいそうな胸を押さえたくて手を当てた。


「また見つかるよ…したら教えて?」


俺が言うと、大野さんはにこっと笑って頷いた。











俺たちが戻ってきたのを見たのか、波打ち際にホテルのスタッフの男性が近づいてきた。バケツを持っている。4人もピエールもやってきて、その周りを取り囲んだ。


「rays feeding!」


日に焼けた若い男は機嫌よさそうにそう言うと、バケツから魚の切り身を出して、手にかざした。そうすると、どこからともなく、海底を黒い影が近づいてきた。


「翔ちゃん、後ろから来てる」


「おわっ!エイ?」


「わ、相葉くんそっちも」


相葉さんと翔くんがワタワタしている間にエイが三匹水面に浮かんできた。すかさずホテルのスタッフが魚をつかんだ手を出すと、エイがバシャバシャと食いついた。水が跳ねて、俺は顔に手をかざした。


「わっ…危なくないの?」


スタッフはにこにこしながら魚の切り身を渡してくる。俺が怖気付いていると俺以外のメンバーは皆切り身をもらってエサをやりだした。またバシャバシャと水が跳ねる。


「やばい…ちょっとかわいいかも!」


楽しそうに笑う相葉さんは、エイの頭に見える部分を撫でた。大野さんも大きなエイにエサをやっている。


「リーダー平気?」


「うん…めっちゃ食うわ」


目を細める大野さんが見つめるエイは、水面で飛んでいるみたいにヒレの部分を動かしている。俺は触ってみたくなって、でも怖くて、顔から一番離れた尾の部分に手を伸ばした。


「あっ、バカ」


いきなり大野さんは焦った声を出すと、俺の伸ばした手を捉えた。驚いたエイがバシャンと音を立てて水中へ帰っていく。


「なっ…なに?」


「しっぽ、毒あんだよ」


大野さんは俺の背後から俺を抱きしめるみたいにして、俺の手を片手で、俺の体にぎゅっと押しつけるように握っていた。


「へ…マジで…」


「見して…なんともなってねぇ?」


大野さんは俺の体から離れると、俺の手を水の上に出して、手のひらを開かせた。その、大切なものを扱うみたいに手つきに、胸の奥がどきん、と鳴る。



なんだ…なんか、俺、変…



大野さんに触られるとなんか…



さっきと違って、完璧にドキドキ言っている胸をもう片方の手でおさえる。



安心するのに、ドキドキする…



「Are you all right ?」


ホテルのスタッフや他のメンバーが俺たちに近づいてきて心配そうに俺の手を覗き込んだ。


「ニノがエイのしっぽ触ったかも…毒あるから」


大野さんが不安げな顔つきで言うと、ちょうど通訳スタッフがおらず、翔ちゃんが通訳してくれた。


「あ、すいません…えっとHe might have touched the tail of the ray」


「OK,OK, No problem. We cut their tails」


翔ちゃんは笑顔になって、「しっぽ切ってあるから問題ないって」と大野さんの方を見て、ぶはっと噴き出した。


「大野さん超心配そうじゃん」


「え…や、だって…」


大野さんは急に気づいたように、まだ掴んだままだった俺の手を離した。翔ちゃんは大野さんと俺を交互に見て、「何もなくてよかったね」と笑った。