夏の礼装いろはにほへと。 | キモノヰロハ。〜雨ふって、地ゆるゆる〜

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朱欒(ザボン)です。
着物についての独り言、戯言をこれでもかと書き綴る為の備忘録的な。

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美容室 HairstudioAcha 2F
着付、きものレンタル朱欒《zabonn》

明日から七月ですって…

梅雨が明ければすっかり夏ですね。


六月は単衣の時季ですが、
季節先取りの和装は、六月後半なら夏物を着ても◯
わたしが考える後半は20日以降…
もし着る日が20日なら単衣
25日〜なら絽の礼装というところでしょうか…
なんとも微妙な判断ですが、
その時々の感覚的な部分もあるので
断言できないところもあります。




今年は六月のお着付が珍しく多かったので
色々考えるいい機会となりました。




6/30のご予約はまさに
単衣か夏物か悩むところ。


というのは、着物を着ることの多い方
単衣も薄物も揃っている方が悩むことであり


一般的に、お持ちの礼装は袷がほとんどで
単衣と薄物の礼装を持っているという方は少なく
六〜九月でも袷を着るということは起こり得ます。
逆に言うと、
普段着なければ礼装しか着物は持っていない。
限られた礼装でわざわざ夏物は作らない。
着る時季の長い袷を持つのが一般的。




着物をよく着る、精通している方にしたら
六月〜九月に袷なんて着るものではない!
となってしまうのですが、



滅多に着ない方が
夏用の礼装、六月と九月しか着れない単衣の礼装
これらをわざわざ誂えるのは非現実的な話…


例えば…

黒留袖も振袖も袷ですね。
絽の振袖もありますが、
どこかのご令嬢のサマーパーティー(設定は適当w)
呉服屋さんのイベント
よほど着物に精通した方のアイテム
という場合でしか
ほぼほぼ見る可能性はないかと思います。



夏に結婚式があったとして、
親族が着る黒留袖は、袷です。
未婚の親族、参列者の振袖も 袷です。



そう考えると
夏に袷を着ることが
言語道断‼️非常識‼️なんたるか‼️
という沸点までいかないでも、
ま、あり得るか…と思ってもらえるかと。



今言われている着物のルール的なことは
戦後に着物のルールをある程度法則化し
目安、線引きを常識化させたものなので、
戦前は着物が常着であった分、
今より砕けていて自由であったし
もし着物を普段も着る世の中のまま来ていたら
もっと融通が利く自由で幅のある世界になっていた

と思われるw (わたしの想像)



ルールが悪いわけではなく、
季節感や足し引きのバランス、色、素材
これらはやはり着物の魅力であり
所作の制限や
何月はこうで、何月ならこう、
春、初夏、盛夏、秋、冬…もっと細かい季節の節

こういった不自由さから来る美しさ
というものが醍醐味

だとわたしは思っているw



話が止まらなくなるので
ご予約の話に戻しますが、、



今回、暖色の袷の礼装を二枚お持ちになられ
どちらがよいかというご相談から始まった話…

袷なうえに、暖色…

帯も小物も全て暖色…

さて、どうしたものか。



華やかで素敵な絞りの訪問着




重宝する一つ紋の色無地



帯〆は普段用のものだったので、
礼装用のものを貸出することで安心して頂き、

最終的にどうするかは
少し考えさせて下さい。

と、数日前にお預かりしました。


長くなってしまいましたので、
次の記事にお支度の結果を…⬇︎