相変わらず、毎日暇を見つけ本を読んだりしています。会社と部屋の往復以外はほとんど部屋にこもりきり状態がつづいており、なんだか世捨て人モードに入ってしまうんじゃないかと、本人が危惧しているのです。


そんな中いま、数冊並行状態で読書していまして、その中の一冊

「知覚の正体」     古賀一男         河出ブックス  2011年

少し生命科学を遺伝子、タンパク質、知覚、を通して勉強をしようと思い読み始めた1冊。


この生命科学の領域は、意識追求には必須の知識であろうと思い読んでいまして、数式も無く読めばわかる世界なので気楽に流しています。

そして、この世界では常識の事でしょうが、素人の私には目から鱗の“へえ!”と思える雑学・情報が得られるのです。


例えば、有名なナイル川のパピルス

活きのよい茎を選び上部の葉がついている少し下あたりで切断した後、水に入れたコップに葉を下にして逆さまに突っ込んでおく。しばらくすると水中で逆さまになった葉と茎の境目から下方向には根が、上方向には新芽が出現する。

本に絵がないので、勘違いがあるかもしれませんが、

逆さま状態でも根と新芽が吹き出し成長していく、それも出るところは同じ。

知りませんでしたねぇ。


そして、根の植物細胞は

植物の細胞内には比重の大きな物質(珪素の結晶やデンプン粒等)があり、それらが重力によって沈下し接触した先で細胞壁を刺激されることで植物は重力方向を知る

とあり、重力センサーを細胞が持っていると。


これから、細胞壁の刺激により下に向かう成長が強調され、全体で根は下に向かって成長すると納得がいきますが、この情報だけで根の成長全てを説明は出来ず、新たな疑問“なぜ根は横にも、はびこるのか?”、“新芽はどうして重力と反対の方向に伸びていくのか?”などがわいてきます。

知らないのは、私だけかもしれませんが。



さらにもう一つ、人間の視細胞が進化の途中であると、あるのです。当然進化は視細胞だけでなく、人間全体が進化の途中状態であると位置付けできるかも知れませんが、

最近の遺伝子レベルの研究では、我々が色を知覚する仕組みについて錐体細胞の一部がいったん退化し、その後・・・・部分的に復活の途中であることも明らかにされつつある。

現在の人の三種類の錐体のうちL,M錐体のピークが接近しているのは、分離する途中であるとも考えられている。


つまり、色を感知する人間の3種の視細胞・錐体細胞のうちL、M・赤、緑の細胞の感応ピークが離れていない、そしてこの間隔が今後広がっていく途中状態だというのです。

これが、遺伝子レベルで明らかにされつつある、というのですが、


この遺伝子状態と進化の途中状態がどのような関係・因果関係・機構・メカニズムになっているのか、

“多分そうだろう”の状況証拠なのか、

などの詳しい説明が無いのが残念ですが、“本当?”と感心した次第です。



この本のほか、タンパク質の本も読み始めました。きっと、私にとっての新しい発見が期待できるでしょう。