前から思っているんですけれど、
この世の中は全てが物理現象であるとすれば、勿論生命も物理現象の内に含まれ、生命の誕生、意識の誕生、この宇宙の誕生という3大誕生の謎も説明可能であろうと楽天的に考えています。
でも、宇宙の誕生以前は今我々が現に目にしている物理現象のほかの、説明の付かない、よく分からない現象の世界があったのでしょうから、宇宙誕生は現下の物理では説明不可能でしょう。
物理現象は先の20世紀に大きく進歩・解明しました。古典力学、熱力学、電磁気学、相対性理論、量子力学等々。さらにこの進展は21世紀にも継続的に維持されるでしょう。
よく知られているように、これらの中で特に量子力学の不思議さが際立っていまして、空間、時間の常識がこの世界では保証されていません。量子力学の摩訶不思議が解釈問題を引き起こしていますが、だれもすっきりとした解釈を提出していません。ただ常識はずれの現実を直視する事でお茶を濁しています。
この様な現今の現実からすれば、波動の収縮とか量子の絡み合いとか確率波という実験に現れてくる現象は目に入りますが、このほかの我々人類がまだ観測出来ていない・観測出来ていても不思議さの本質を見つけていない現象には、まさに目くらになっています。
たとえばテレパシーなどはこの範疇の現象ではないかと密かに思っています。
この様な私の思いを明確に述べている本を見つけました、
「量子進化」ジョンジョー・マクファデン著 共立出版 2003年
です。
序にある言葉
「生命の力学は、DNAという分子の監督に指揮された高度に組織的な作用の産物である。そしてこの力学は古典的な力学ではなく、量子力学に支配されているのだ。」
「私は(著者は)細菌の遺伝子に起こる非常に不思議な現象、すなわち適応変異を量子力学で説明出来るかどうか調べようと思いついた。
適応変異は、それが細胞に利益をもたらすときにのみ起こるように見える。このような明らかに方向性のある変異は、新ダーウィン進化論に矛盾する。新ダーウィン進化論では、突然変異はランダムに起こるとされるからだ。・・・
量子力学では、起こりうる事は全て、ある種の確率の雲の中で起こる事になる。細胞に量子力学の原理をあてはめれば、進化を引き起こす突然変異は、すべての突然変異を含む確率の雲の中で起こる事になる。この確率の雲は、周囲環境と大きく相互作用するまでは量子レベルであり続ける。利益をもたらすような変異は周囲環境と強く結びつくだろうから、それは量子系を「収縮」させる。有益な突然変異は、量子進化によって「量子多宇宙」から抜け出すだろう。この考えでいくと、細胞は特定の突然変異を「選択する」ように見える。」
さらに著者はこの考えを進め
「生命はいかにして誕生したかという生物学最大の謎を、量子進化によって説明できるかも知れないのだ。さらに、意識の誕生という別の大きな謎さえも、量子進化で説明できるかもしれない。」
と、書かれています。
量子力学を生命体の説明に使おうとしているようです。
量子の収縮は観測問題として、観測された時点で確率的に収縮するとされています。これを、生命現象の説明に使うのでしょう。
すごくアメイジングで興味ある話しですから、どういう事が書かれているのか楽しみです。総ページで400ページ以上ありますから、全部読むのに2-3日かかると思いますので、所感はその後で報告しますね。
少し心配な「とんでも科学」でないことを、願います。
以上。