情報とは色々な定義が可能であるが、一般的には、物理存在の構成に対する意味であると考えられる。そしてこの意味を理解するのが主体である。


パナソニック社が7000億を超える赤字であるという新聞、TV、ネットのニュースを理解しそこに意味を見つけられるのが主体である。

インサイダー取引では、大きな利益を得る事が出来るかもしれない。そうでなければ豚に真珠である。


ここで物理存在の構成とは、新聞の紙面であり、TVの画面であり、文字であり、アナウンサーの音声である。このように、構成媒体に区別をつける必要が無い場合がある。人間が理解できればいいのである。


そこで、今日は情報の物理存在の構成・物理媒体に焦点をあて、意識との関連でブログを書いてみたい。情報と意識は大きく異なる事を。


話を簡単にするために、物理構成媒体としてコンピュータ内部のトランジスターを考えてみる。トランジスターはスイッチング素子として使われ、そこに流れる電流がオン、オフされる。詳しい事は今回の問題ではないが、ベースに流れる電流が制御されていると言う事を知って欲しい。


このオン、オフが情報を表現するパターンとなるということは、よく知られている。有名なシャノンの情報理論の基本である1ビットに相当するのだ。

このビットを多く使い意味を作り上げる。


このように、トランジスターのオンオフが情報の意味を表わす物理パターンであるとすれば、トランジスターのオンオフとはどの様な物理構成と考えればいいのだろう。


トランジスターのオンオフにより、トランジスターに繋がっている抵抗のため、電圧が変わる。流れる電流がかわるから抵抗にかかる電圧も変わるのである。電圧の変化と電流の変化は同じなのか。

物理では等価というが、厳密には違うはず、電圧と電流はちがうのだから。


電圧、電流とも測定は出来るが、その値は本質を表わしていない。

私の知識では導体内を移動する電子の流れがより本質的な概念であるとわかっている。

電流は電子の移動のことであるから。


すると、情報の物理パターンとは色々な階層により説明が可能であると考えられる。電子のレベル、トランジスタ抵抗の電圧値レベル、このトランジスターが次ぎに接続されているトランジスターを動作させられるかどうかのレベル、また次につながっているLEDの点灯のレベル。

しかし我々が、同じ情報と一括りで言ってしまっているのは、理解する主体が人間であるからである。


人間は、違う物理構成・階層から同じ意味を抽出する事が出来る能力を持っているのである。



そこで脳内の情報を考えてみる。

脳内には人間がいないが、脳内の物理活動パターンを理解できる脳構造が存在していると考えられる。この構造がその脳内の物理活動パターンに意味を見出す。その出来上がった意味が自立する事によって意識が湧出するという仮説(モザイクボール仮説)が本当であるなら、意味が成立する特別な物理階層・物理活動・物理パターンがあるはずである。


トランジスターのオン、オフのような漠然とした概念でなく、あるユニークな物理現象(?)であるはず。

理解するのが人間ではないのだから。それも脳内物理活動の中にあるはず。


この脳内の神経細胞活動は物理的説明が可能である。そして物理現象の切り口からみれば、そこには物理の因果の流れがあるはずである。

したがって、この物理の因果の流れの中に存在するユニークな物理現象を見つけなければならない。このユニークな現象の可能性は物理の全ての階層が考えられる。脳内ホルモン、原子、分子イオン、量子現象も含め考えないといけない。


困難であるが、まずこの物理現象を見つける事が意識解明にとって避けられない問題である。