意識の解明の為、いろいろと考えなければならない事がおおくあります。その一つに因果律があります。この物理世界で因果律はどのような位置づけであるのでしょうか?
まず「因果性の物理的閉包性」というものがあります。それは「物理的なものにはそれが起こるのに十分な物理的原因があり、その原因をどくまでたどって言っても物理的なものの外に出ることはない」というもの。しかし考えてみるとこれは本当かなと思える。宇宙はビッグバンから始まったといわれています、またインフレーション時代に多くの質量が生まれたと聞く。また真空も電子と陽電子の対を生み出します。これらは物理的なものの外にあるかもしれないのです。因果律が成立しないのではないのかと。
ブラウン運動などのランダム性、波動の収縮などの確率性、因果律が成立していないのではないのか?
神様はさいころを振らないという有名なアインシュタインの言葉がありますが、正しいのでしょうか?
因果律が全てであれば、宇宙が始まった時に全てが確定されている事になります。
一方カオス理論があります。少しの初期値の差が大きく離れた結果を生み出す理論ですが、これはきっちり因果律にふくまれます。このカオスがランダム性とか確率性と関係するのか、無関係なのか証明できていません。しかし宇宙誕生は物理的な因果律で証明出来ないと思われます。すると物理的閉包性も怪しいものです。
つまり言いたいことは、今我々が持っている物理知識が全てではなく、想像もつかない物理現象が見えていない可能性があるのです。
意識が脳内情報パターンから自立創生されるというのですが、具体的にどのように生まれてくるのかはふめいです。まさかトランジスタのオンオフで生まれるとは考えられません。脳内神経の活動には想像もつかない情報パターンが隠されているのでしょう、細胞内電位の変化、ミネラルイオンの移動、イオンチャンネルの開閉、それらに伴う量子効果。これらの情報パターンによって、痛いとか明るいとかのクオリアがうまれてくると考えられます。クオリアは情報パターンの意味が自立したものです。意味は脳自身が理解します。
意味は物理現象の跡付けですから、自由意志は事後了承されたものとなります。自由意志は脳がつくりあげた自作自演の一人しばいのようなものです。