抗がん剤が終了して、一ヶ月たちました。副作用も段々収まってきて、今は皮膚の乾燥のよるかゆみ、なみだ目が残っています。一時は倦怠感、下痢、味覚障害で生活の質は最悪でした。我ながら一年間よくがんばったなと思います。しかしこれで癌の再発が見つかれば、踏んだり蹴られたりになります。抗がん剤は再発防止が目的ですから。

若いときは、死ぬのが怖かったのですが、今はそう怖くなくなりました。これも「意識とは何か」を求めたからに違いないと思っています。

意識を追及した結果、人間は機械と同じで、特に他と異なる事のない物理的存在であると、感じるようになったからです。なにも自分だけが特別な存在でもなく、生きることに意義など存在しない、と。意識は物理現象であるとの思いが強くなったからです。意識が物理現象であれば、人間は機械と同じレベルの存在と判断できますから。

ただ自分の勝手な思いは別で、「自分を大切にするとか、生きる意味を自分で見つけること」は、別次元で意義があると思います。

しかし、大自然の中の自分は、ただ自然現象の中で生かされているという思いです。死ぬ事はあたりまえのことであり、死ねば全てがなくなる、ただそれだけの事。
自然界に存在する物理物体に存在意義を見つけられる者は、人間の意識でありその意識は自然現象の枠に収まるのだから、意義は意識の中だけで存在できるもの。そう考えると私は、自作自演の一人芝居の役者なのです。そう、そう考えると比較的楽になります。