昨日の晩に読んでいた本「量子光学の基礎」(古澤明著)に「光の量子状態は個体中の電子の量子状態などに比べ、比較的に壊れにくいから・・・。これは光の量子である光子のエネルギースケールが環境の擾乱のエネルギースケールであるkBT(kB:ボルツマン定数、t:温度)に比べ圧倒的に大きいため、環境の擾乱の影響を受けにくい・・・。つまり、量子光学の世界は環境の擾乱を無視し、純粋にシュレーディンガーの方程式の基づいた時間発展を追う事が可能となっている。」とあった。
僕は、脳内の情報処理を考えるに、どうしても量子力学の効果を考慮に入れないといけないのではないかと思っている。マクロの情報処理:例えばコンピュータなどの類推からでは意識の理解が及ばないのである。そこで僕の知恵の次のステップは、量子力学の知識で脳内情報の解釈を行なうことです。量子力学の振る舞いは、現今の常識を超えたものがあり、まだまだ全てが解明されているわけではありません。しかし量子コンピュータのような多重処理が可能であったり、量子の絡みあいなど、最先端の領域では、手の届くまでにいたっているのです。
僕は今まで、脳内では量子状態が簡単に壊れてしまい、従って脳内では量子効果が起こりえないのではないかと思っていたのです。しかし古澤先生のご指摘の様であれば、脳内でもエネルギースケールの大きい媒体であれば量子状態が保持されると考えられるのです。
具体的にはニュートリノ、ミューオン等の透視力の高い粒子などが媒体としてかんがえられます。量子の振る舞いつまりそれらの物理構成で意識:クオリアの意味を創りあげられないか。多分創り上げられるのではないでしょうか。量子の振る舞いを脳内で考え、情報の流れを追及することが出来るか。
その可能性は、これからの哲学者が考えるべきテーマのひとつです。それらが達成されれば、具体的なクオリアの解明に繋がるのですから。