2013/14シーズンの「木村沙織」 | バレー・テニス中心のスポーツブログ

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          『木村沙織』

バレーファンならずとも、バレーというスポーツを知っている人ならば、ほとんどの人が知っているくらい知名度の高い選手。スポーツ選手には珍しく、体育会系というより女性らしい一面もあり、抜群の人気を誇る選手。

2010年から才能がさらに覚醒し、2011年には世界のスター選手として一気に大活躍。ロンドン五輪での日本女子バレー銅メダルに主砲として大きく貢献。

そのスター選手に少し異変が出始めているというか、不調の時期をさまよっている感じの2013/14シーズンの木村沙織選手。

以前までは頻繁に書いていた記事も、自分自身全く書かなくなってしまいました。どうしてだろうと言われると、今の木村沙織そして所属するチームのガラタサライのバレーがちょっと自分の意向と違う部分が多すぎて、なかなか記事を書こうとする意志にならなかったのが正直な気持ちです。

今の木村選手は、自分の勝手からいうと物足りないです。やはり最もいい最盛期を知っているだけに、あまりにも違い過ぎる現状が何か悲しいかな。

全日本の現状は、『MB1』という新戦術で迫田や長岡などのサイドアタッカーが注目されています。しかしこの新戦術を行うには目立たない役割を木村がしっかりと全うしているからこその戦術。

木村沙織がいなければ、成り立たない戦術と言っても過言ではないくらいの中心的な役割を果たしてると感じてます。後衛に回れば、本来自分のポジションは1つ。ローテが変わってもディグのポジションは変わりませんが、迫田のBSなどを生かすため、木村はライト、ミドル、レフトと3ローテで3ポジションもこなさなければならない。

更にリベロがコートinしないサーバーの時には第2セッターの役割さえも担う。正直、今までのレセプションアタッカーだけの役割からはるかに多い種類のプレーを要求されている状態の新戦術です。

その木村選手は外したくても外せない。新戦術に必須な選手ですが、現状はあまり良くないです。

状況が思わしくないのが、『スパイク』

おそらくスパイク以外のメンタル面、ディフェンス面などは成長著しいと思います。でもバロメーターの超インナークロスが見れなくなったことが悲しいんです。

木村ファンからは擁護の声がたくさん出てきそうですが、自分は擁護するより何が足りなくて、何を今後していけばいいかという前向きな姿勢でいたいと思います。

ロンドン五輪くらいから不安定な感覚に陥ったのか?2011年ワールドカップで見せた世界的なエースの片鱗は今や遠い昔の状態。普通の選手に戻ってしまったかのような感じに見えます。

自分は思うんですよね。一つ一つ積み重ねてきた選手よりも、自分の感覚を大事にしてきた選手の傾向が強い木村選手。そういう選手は一度不調になると、なぜ不調なのか?という原因追及がわかりにくい。

何が悪いんだろう!?何が違うんだろう!?自分なりに考えてみました。メンタル面やその他の技術面では成長が見られても、スパイクだけが急激に落ちてます。それは2013年全日本で復活するかとも思いましたが、不調は続いてました。

2012年秋に木村は大きな決断を!トルコリーグのワクフバンクに移籍。このチームに在籍していたナズ・アイデミルの強い球威のトスとブレにはまり、スパイクがあまり打てない状態が続き、スタメン落ち。

更に全日本でも中道の合流が10月まで遅れ、トスにブレのあるセッターと多々合わせるものの、落ち込む方向のスパイクレベル。結局、グラチャンでもその片鱗は見られませんでした。

そして今度こそと臨んだガラタサライ。しかし柔らかいトスと見込んだロビアンコはハイセットが多く、木村の調子は今一つ。

原因として考えられるのが、
(1)スパイク球威の低下
 木村選手のいい状態のスパイクは、下半身からのジャンプの勢いを状態に乗せ、そこからボールに球威を乗せるので、非常に切れのいい重いスパイクでした。それが2010年や2011年。ロンドン五輪でも場合によっては、そういうスパイクもしばしば。

しかしセッターが所属では中道、全日本では竹下と固定されていた状態から、2012年は一変。所属では外国人セッターのナズ、2013年ではご存じの通り、宮下、橋本、中道、永松と大変貌。となると感覚的な木村選手には初体験で、自分のタイミングや打ち方に疑問が生じたようです。

もちろん真鍋監督の望んでいたテンポの高速化(トスの高速化)により、本来のスパイクのタイミングを見失っていた感もあると思います。

(2)ジャンプ力と空中バランスの低下(打点の低下)
 今の現状を言えば、打点が非常に低い。おそらくネット下から打ってるような打点に見えます。となると相手ブロックも見えにくいし、インナークロスやストレートにも打ちにくく、コースの幅さえも狭まる。

となると被ブロックが多くなったり、スパイクミスも増えてしまう。非常に状態は悪いです。空中バランスが悪く、空中で線になって軸を使っているというより、軸がスウェイ(グラグラと揺らぐ)しながら打ってるように見えます。体幹が落ちてるんじゃないかと推測できます。

●2014.04.22 ガラタサライ×ワクフバンクプレーオフ第3戦

木村選手個人とは関係ないですが、オズソイ、ロビアンコいない方がディフェンス的にもチーム的にもミスが少なくなり、ブロックとディグの関係も良く、一番強かったように思えました。最初からこのメンバーで戦えば、今季リーグもっと変わったんにと感じたのは自分だけでしょうか!?

※動画開始1:22:10~ラバジエワサーブから木村トランジション
(画像1)
ネットから4m程度まで開き、スパイクの助走を取ります。トスもあまりよくありません。


(画像2)
いい時と比べると、ジャンプの踏み込みが深すぎて、体が沈み込みすぎているのではないかと感じてしまいます。だから体が空中でスウェイするのでは?と。


(画像3)
結局、トスとタイミングが合わずにストレートに軟打になりました。日本のセッターと違って、トスを離す瞬間、タメなどがないので、ジャンプの沈み込みで調整しているようにも見える木村選手ですが、とにかく体幹や打点が落ちているのは目に見えてわかります。

例には難しかったかもしれませんが、全体的にこんな感じに見えます。

海外の選手は意見をはっきり言い過ぎるくらい言うので、ある意味非常に厳しかった生活だったかもしれませんが、それも自分の選んだ人生。自分のバレーや人生にはきっと役に立ってると思います。

個人的に思うのは、おそらくトルコのプロ選手になったせいで、筋トレをする時間が日本よりもはるかに少なくなったんではないかと推測してます。明らかにジャンプ力が落ち、そのジャンプ力のなさが、ブラジル系のブロードジャンプ式のスパイクができなくなっている。

年齢は27歳。スポーツ選手としては経験値、フィジカル共にもっともピークに近い時期。その時期にこれだけフィジカルが落ちているとなると、結構大問題な感じに見えます。

もう一度、筋力トレーニングから見直し、スパイクについて基本からやってほしいと感じます。本来であれば、日本に戻り、柔らかい球質のトスを上げるセッターの所属チームでやるのが一番だと感じますが、今はブラジルスーパーリーガAmilなどからもオファーがきているようで、どうするかは未定。

●2011ワールドカップ 日本×ブラジル


※動画開始18:05~岩坂のトスからの木村のクロススパイク
(画像1)石田のサービスからチャンスボールを岩坂がバックトス。全くいいトスではないんです。ネットから4mくらいで助走を開始。


(画像2)
トスが割れるというか、長すぎましたが、しっかりと助走からジャンプへ。離れすぎたため、ブラジル式のブロードジャンプというより若干スタンディング気味に。


(画像3)
しかし木村はタイーザが目の前にいるにも関わらず、これをクロスに豪快にスパイク!体幹でしっかりとボールに球威を伝えた素晴らしいスパイクです。

こういう力強さを現時点で感じないんですよね。体重がボールに乗らないことが多く、少しでもタイミングが合わないとフェイント、プッシュになってしまう。

もちろん全日本の主将なので、リオ五輪まではバレーをするでしょうが、今の調子の木村選手では、今年の世界バレーでベスト8に進むくらいが限度のようにも思えます。真鍋監督がどういうチーム作りをしていくのかが大事なキーポイントになりますけど、おそらく木村選手はサーブ、ディグ、レセプション、ブロックなども含めると、総合的にスタメンは確実。

エースとしてチームを引っ張る存在。自分のことばかりにも気を取られていられない状況ともいえます。木村が本音で相談できる相手がいればいいですけど、その辺りはどうなんだろう。

おそらくフォームやタイミングというより、多分ジャンプ力さえ戻れば解決できるのでは?と感じてます。ジャンプ力と言っても助走からつながるジャンプですけどね。

フィジカルの低下とういうより、トレーニングの質が落ちたのか?量が減ってしまったのか?感覚的にバレーを行っている感じに見えるだけに、それに気づきいち早く修正してくれることを期待したい。

若手が少しずつ成長し、木村沙織がいなくても海外チームに勝てるような底上げは昨年度からできてきました。2012年のロンドン五輪最終予選とは大きく異なる全日本の成長でもあったと感じます。

ただ木村選手が本調子であればあるほど、金メダルの可能性はより一層高まることも事実。現状の不調のスパイクの原因にいち早く気づき、正面から向かって解決してほしいと心から願いたいです。

新戦力も加入し、ベテラン佐野なども復帰。昨年よりはメンタル面でも楽にできると思います。若手の成長もしっかりとある今の全日本女子バレー黄金期。この時代に主将である木村沙織選手に期待したい。

復活という表現ではなく、NEW木村沙織としての活躍を2014世界バレーで期待したいです。日本にはエースはいない。全員バレー、全員均等に役割をこなす新戦術があれば、木村依存の負担もなくなり、チームは強くなると感じます。

自分は逆に木村選手がスタメンではなく、スーパーサブでピンチになるとゲームを変えられる存在になってほしい。木村がスタメンでなく、若手だけでも十分に試合を優位に進めることができる全日本女子になれば、金メダルにより近づくと感じます。

石井優や古賀紗理那。古賀選手は来季からVプレミアで内定選手としてプレーしていくでしょう。リオ五輪の出場権がかかったワールドカップで、古賀、石井優、長岡、江畑、迫田、岩坂、佐藤あり沙など、宮下などがスタメンで、木村、佐野などが控えに回れる状態に成長すれば、本当に強い全日本になるのではないかと思います。

まず2014年木村選手が全日本でどんな活躍、チーム牽引をしていくのかが楽しみです!

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