【動画】もはや世界トップ5レベルの錦織圭、実力通りのバルセロナ優勝! | バレー・テニス中心のスポーツブログ

バレー・テニス中心のスポーツブログ

男女バレー・テニス等のスポーツ、ダイエットを記載します


男子ATPツアーのバルセロナオープン優勝ビックリマーク

ちょっと驚きなのは優勝賞金。422,100ユーロなんですが、日本円(=141円)で換算すると、59,516,100円で約6000万の賞金だそうです。こんなにビッグトーナメントなのか?と一瞬驚きました。

本当はやったーーー!とか書けるんですけど、もうこの選手には敢えて書く必要はないと。当たり前のことを当たり前のようにやって勝ってるだけだと痛感するからです。

今の錦織はそれほど強い!特に準決勝のグルビス戦は、200km/hを超えるビッグサーバー&強力なストローカー。勢いに乗る相手なだけに接戦が予想されたにもかかわらず、全くピンチがないままの錦織の完勝でした。

しかも勝ち方が、強打を使うというより、ボールの軌道や球種、コースを使い分け、ほぼパワーを使わずに圧勝してしまったという事実が、唖然!としてしまうほど、自分的には驚きを得た試合でした。

このバルセロナオープンは男子ツアーの中でも人気の大会。地元スペインで行われるだけあって、別名スペイン選手権とも呼ばれるようなスペイン選手だらけの大会。

ATPグレードも500に位置し、トップ選手も数多く出場。今大会も世界1位ナダル、世界5位フェレールなど優勝するには上位シード勢を倒す必要があります。

バルセロナは、ご存じの方も多いと思いますが、海岸沿いの都市。そのせいか風も強く、レッドクレーもあり、なかなか難しい大会であることも有名。

その中でも世界ランク17位の錦織圭が出場。3月のマイアミ1000では当時15位ディミトロフ、5位フェレール、4位フェデラーを破り、準決勝進出していたものの、股関節の怪我で世界2位のジョコビッチ戦を棄権。そこからの復帰戦でした。

今季の錦織は本当に強い!昨季までと全く別人なくらい強いです。コーチにマイケルチャンを迎えて、フォアハンドとサーブ、そしてバックのDL(Down the Line:ストレート)が大きく変わりました。

よってピンチでもゲームメイクが大きく変わり、余裕をもって試合を勧められます。特にマイアミの4回戦のフェレール戦は、何度もマッチポイントを取られてもミスをしないまでもしっかり攻め続けるプレーを見せ逆転勝ち。

更には王者・フェデラーに対しても第1セットその世界一速いテンポのテニスに全く対応できずに、厳しいと予想していましたが、打つタイミングやポジション、ボールの球種、軌道の高さなどを微妙に変えて、フェデラーの本調子を落とし、逆転勝ち。

まさに考えて、対戦競技ならではの相手の状態を落とすテニスを展開し、自分を有利に進めていくクレバーテニスを魅せました。本当に素晴らしい!非力でフィジカルも劣る日本人がどうやれば世界を相手に戦うか!というのをテニスで証明してくれてます。

凄い!というか、「天才」というのはこういう選手を言うんだと思ってしまいます。コート内での発想が自由で、常に相手の動きや考えが頭の中で整理されデータ化され、次々にそれがテニスで表現される。

まるでバレーボールのデータバレーをスタッフ、監督、選手で行っている作業をわずか1人で短時間で行ってるような状態に見えます。本当に「考える」というスポーツの原点をしっかりと身につけた選手と言ってもいいと感じます。

男子バレーが錦織のような柔軟かつ決断の早い思考力を1人、1人が持てれば、世界のトップ3には入るだろうなと感じます。能力ではない、スポーツに必要なのはまず『思考力』

■バルセロナ500(スペイン):レッドクレー ※錦織は第4シード
---2回戦---
17位錦織圭 6-1、4-6、6-3 45位バウティスタ(スペイン)

---3回戦---
17位錦織圭 6-0、6-4 60位ゴルベフ(ロシア)

---準々決勝---
17位錦織圭 6-1、6-3 27位チリッチ(クロアチア)



---準決勝---
17位錦織圭 6-2、6-4 23位グルビス(ラトビア)





そして迎えた決勝。個人的には楽しみにしていた世界1位のナダルも敗れたため対戦もなくなり、有力視されていた20位アルマグロも何と敗退。決勝の相手は世界60位ヒラルド(コロンビア)に。

つい1か月前のインディアンウェルズの2回戦で、6-1、6-3と1時間程度で圧勝したばかりの相手。通算成績も4勝1敗とリード中。

---決勝---
17位錦織圭 6-2、6-2 65位ヒラルド(コロンビア)



[第1セット]
序盤から緩急をつけるヒラルド。打ってこないのでムーンボール的なゆっくりとしたレッドクレー特有のペース。時にいきなりタイミングを上げて打ってくるので、なかなか錦織のペースがつかめずに先にブレイクされ0-2。

しかし錦織はフォアのアングルやヒラルドがベースラインから1m下がっていることを見計らい、ドロップショットを連発しペースを奪う。1stサーブが今一つの調子ですが、それをストローク力とゲーム展開でカバーし、一気に2ブレイクの3-2リード。

迎えた第6ゲーム。ヒラルドは更にムーンボールを多用。錦織は自分の頭の上くらいからの打点で打つことが多々となり、体が冷や冷やしますが、落ち着いて対応し、ウィナーを連発4-2。この辺りのゲームメイクセンスが本当に素晴らしいです。


ヒラルドはフォアに振ると、クロスに返すというよりダウンザラインにムーンボールを返すことが多く、そのままバックからのロングラリーになる。それを錦織があえてバックのアングルショットを多用し、次のイージーショットをフォアクロスに速いライジングで入れてミスを誘う。非常に頭脳プレーが目立ちます。

フォアのアングル、バックのアングルのクロスショットが非常に効いていて、強打を使わずにしっかりとウィナーやポイントが獲れていることが本当に凄い!

強打でなくてもポイントが獲れるということは、リスクを犯さずにポイントを獲れる可能性が高くなったということ。非常に強いです。こういうテニスをされると相手はどうしようもない。逆に強打やビッグサービスならば諦めがつき、切り替えますがこういう嫌なゲームメイクでポイントを取られると、メンタル的にショックがでかい。

ヒラルドのサーブを更にブレイクで5-2リード。最後も簡単にサービスキープで一気に6ゲーム連取で第1セット先取!

このアングルショットをツアーの上位選手レベルで打ち続けるというのは非常に大変なこと。ボールの回転や球威もあるし、なかなか打てることではないショットをいとも簡単にラリーの中で打ち続けていることが感動さえ覚えます。

テニスの上手さと非常に高い技術力をかつて誇って世界女王になったヒンギスを思い出します。常に相手の2手、3手先を考えたゲームをつくれるので、常に相手よりも先に動いた攻撃、ディフェンスができる錦織圭です。

※余談ですがヒラルドの短パン、何か非常に変。短いのか?2ndサーブのボールが短パンから飛び出てるし。

[第2セット]
帽子もウェアも色を変え、気分一新を図ったヒラルドでしたが、最初のサービスゲームも何をやってもどうしても先にミスがでてしまう。同じポジションで打ち合ってもらえないので、常に動いてのショットばかり。強打を打ちたくても打てない状態が続き、最初のゲームから錦織がブレイク1-0。


錦織のサービスレベルが上がってきて、1stサーブでポイントを獲れるようになってきました。簡単にキープで2-0。これで8ゲーム連取!ヒラルドが1stサーブで押し込みようやくキープ1-2。

迎えた第4ゲーム。ムーンボールを多用するヒラルドですが、更に前でライジングを打つ錦織はウィナーを連発。しかしヒラルドが錦織の2ndサーブを叩き始め、久々のジュースに。しかし錦織の粘りのある展開にヒラルドが我慢できずにミスで3-1。

錦織のリターンは地味だけれども、非常にテイクバックがコンパクトすぎるくらいコンパクトなので、対応が非常に速い。でもこれは前から身につけていたものではないので、努力の賜物だと思います。意味ある練習の積み重ねだと感じます。

第5ゲームもリターンエースで錦織がブレイクし4-1。ついに2ブレイクリード。あと2ゲームに迫ってきましたが、錦織は落ち着いており、時頼ガッツポーズも見せ、全く隙がないメンタル状態。

第6ゲームもサービスエースもあり難なくキープで5-1。最後のServe in for the championshipもサーブを中心に押し切り、ゲームセット6-2!


お見事です。準々決勝からの3試合はわずか1時間ちょっとの試合。この試合時間の短さも次につながる戦い方で素晴らしすぎです。

特に何もう言うことはないです。サーブさえ調子よければ、誰にも負ける気がしない今の錦織のテニス。1stサーブの確率がもっと上がれば、もっと強くなるでしょう。

■今大会、そして試合後の錦織圭のコメント 
-準々決勝チリッチ戦後
錦織「内容が非常に良かった。4強進出もそうだが、このスコアで(チリッチに)勝てたのがうれしい。ストローク戦で自信を持ってコースに打ち込めている。最近はクレーコートの苦手意識がなくなった」

-準決勝グルビス戦後
錦織「欧州で決勝に残れるのはうれしい。ストロークで負けなかったし、サーブが良かった。好結果が出て自信になる。フォアとバックで両サイドに打ち分けられたのが大きかった。クレーコートでの初タイトルを狙っていきたい」

89年全仏王者チャンをコーチに迎え
 錦織「最近は対策が分かってきた」
マイケル・チャン氏(米国)の教えを受け
 錦織「緩急とコート全体を使って相手の急所を突く戦略」を実践


-決勝試合後の心境は。
 錦織「素晴らしい気分だ。歴史と伝統がある欧州のクレー大会で、自分にとって驚きでもある」

―何が良かったか。
 錦織「全て。サーブも良かったし、ストローク戦も自信があった。攻めの姿勢を忘れず、戦術的にもうまくはまった」

―クレーの全仏元王者のマイケル・チャン氏の教えとは。
 錦織「身長の高さも似ているし、プレースタイルも近い。特にストロークやクレーの戦い方で自分を改善させてくれている」

―課題の体力強化は。
 錦織「そんなに筋肉をつけるのではなく、持久力やぶれない体を身につけるために、かなり追い込んだ練習をやっている」

―過去4度のツアー優勝と比べると。
 錦織「今回は格段にうれしい。楽天(ジャパン・オープン)が一番でしたけど、欧州で自分が強くなっていると感じられた」

―世界ランキングのトップ10入りも近い。
 錦織「次の目標はもちろんトップ10。厳しい戦いになると思うが、年内にその夢をかなえたい」

※スポーツ報知、サンスポ、スポニチアネックスより

■錦織圭がトップ5レベルにいるという証拠のデータ
それはリターンゲーム。

左上を見るとわかるように、リターンゲームwonの確率のランキング化。錦織は2014年度の4/21の時点で世界ランク4位。1stサーブリターンwon、2ndサーブリターンwonも6位とトップ5レベル。

リターンだけ言えば、世界ランク5位と言っても過言ではないんです。凄いですよ、32%相手のサーブをブレイクできるということは、相手のサーブ3回に1回はブレイクしている証拠。となると自分のサーブキープさえできれば、1set6-3、6-4で確実に勝てるというデータです。

特に2ndサーブになると錦織は55%もの確率でポイントを取る。錦織に対しては2ndサーブでは試合に勝てないということ。1stサーブでも34%、3pのうち1pは取るということなので、1stサーブを高確率で入れていかないと、勝てないということがわかります。

入れるだけでなく、コースの配分、球種なども色々工夫してからですけどね。とにかく錦織のリターンのテイクバックが極端にないことが特徴です。ボールに面を合わせて体と一緒に押し込んでるイメージ。

それくらいのコンパクトスイングでありながら、体を伸ばしてのリターンになるので、200km/hのビッグサーバーが多々いるこの時代には、テンポが間に合わないんだと感じます。錦織に必要なのはあとはサーブのゲームのとり方。

サーブのコースの打ち分けを今季はかなり重要視してやれるようになってるので、準決勝のグルビス戦のようにブレイクポイントが1つもなく完勝してしまう試合も多々あります。ただいきなり連続のDF(ダブルフォルト)だったり、いきなりサーブが乱れ、ゲームメイクにまで影響する場面も。

サーブさえ高確率でキープできれば、トップ10どころかトップ5でさえ入れる実力はあります。それほど今の錦織は強い!そして最大の弱点であるフィジカル(怪我)。このためにも簡単にキープしてゲーム時間を短くし、1試合、1試合の体への負担を軽くする必要もあります。
-----------------------------------------
次の大会は、
・5/5~マドリード1000
・5/12~ローマ1000
・5/26~全仏オープン2000

です。本当に怖いのはフィジカル、怪我のみ。言い方が悪いですが、とにかく怪我が悪化しそうだったら、マスターズの試合は無理せずに棄権でもいいので、全仏に照準を合わせてほしい。フィジカルさえ整えられれば、まだ早いかもしれませんがグランドスラムで優勝という可能性も少しずつ見えてきました。


『錦織圭』本当にたくましく強くなった。風格さえ漂います。強いものにはファンが集う。今までなかった錦織への声援が大会ごとに多くなってきているようにも見え、素晴らしいことです!

まだまだ錦織圭に注目し、これからも追っていきたいと思います。

バルセロナ500のビッグトーナメント優勝おめでとうビックリマーク錦織圭ビックリマーク

記事を読まれたら、下記2系統にブログ応援クリックお願いしますm(_ _)m クリックだけです
にほんブログ村 テニスブログへ