こんなに全世界的にスポーツ界で小さな日本人が活躍する姿って見れるだろうか!?何か1996年の伊達公子選手を心から思い出します。
野球はアジアと北米のマイナースポーツ、サッカーはビッグクラブでなかなか本領発揮できてない現実。でも今最も世界とまともに渡り合い、日本人として堂々と活躍している選手がいます。
本当にうれしい非常に嬉しい心から嬉しい
身長178㎝、68㎏の小さな日本人です。小さなと言ったら怒られるかもしれませんが、錦織の対戦相手はほとんどが190㎝前後。大きい選手は2mの100㎏近くも。
小さなハンデを持つ日本人は画像のように相手のボールの球威や打点の高さでバウンドするボールに対し、ここまでジャンプして打たなければならない。これはわずかショットの1つ。これを毎ショット2時間、毎日やってるような試合の展開。
体はさすがにボロボロになりますよね。普通、怪我だらけで故障してしまうでしょう。
どのスポーツでも同じように日本人、アジア人は対角にハンデを背負いながらも努力し続ける。でもその日本人代表として世界のトップに羽ばたこうとしている選手が1人います。
それは男子テニスの『錦織圭』
強い!強すぎる!おそらく現在のATPツアー全選手の中で最も好調を維持し、最高のテニスをしている錦織。
ほぼ隙がなく、自由自在にボールとコートをコントロールできている状態。自分の中では、もはや想像を超える領域に達しようとしています。
とにかくショットの幅、質、軌道、そして何よりゲームの組み立て方が本当に素晴らしい!まさに圧巻の強さ!
凄すぎる強さです!これが小さい日本人がパワーと高さを持つ海外選手相手に闘う日本人の本当のプレーかと思います。
全豪で今季の錦織は違う!と思わせてくれましたが、そこから更に更に更に3ランクくらい進化。特にマイアミ1000大会でディミトロフ、フェレール、フェデラーと全く違うタイプを3者3様の闘い方で勝ちあがったことが相当な自信になったようです。
昨年12月からのマイケル・チャンのアドバイスが本当に錦織に効果的にそして錦織のテニスに合ってるんでしょうね。このクレーコートの闘い方を見るとまさにクレーコートスペシャリストのようなフットワークをしています。
[暫定ATP世界ランキング] ※pはマドリード暫定
8位マレー 3950p
9位ラオニッチ 2625p
10位錦織圭 2620p → ベスト4進出時点
11位イスナー 2600p
・決勝進出、優勝→2860p、3260pで世界9位へ
■バルセロナ500大会:優勝(当時世界ランク17位)
---2回戦---錦織圭 〇6-1、4-6、6-3 45位バウティスタ(スペイン)
---3回戦---錦織圭 〇6-0、6-4 60位ゴルベフ(ロシア)
---準々決勝---錦織圭 〇6-1、6-3 27位チリッチ(クロアチア)
---準決勝---錦織圭 〇6-2、6-4 23位グルビス(ラトビア)
---決勝---錦織圭 〇6-2、6-2 65位ヒラルド(コロンビア)
■マドリード大会:ベスト4進出中(当時世界ランク12位)
---1回戦---錦織圭 〇6-4、6-4 39位ドディグ(クロアチア)
---2回戦---錦織圭 〇6-3、6-1 38位ガルシア・ロペス(スペイン)
---3回戦---錦織圭 〇7-6(5)、7-6(5) 9位ラオニッチ(カナダ)
---準々決勝---錦織圭 〇6-4、6-4 29位F・ロペス(スペイン)
現在、クレーコート負けなしの9連勝中の錦織圭の進化に迫ってみます。
[1]アングルショットの確実性
今季ショットで最も目立つのはフォアのアングルクロス。このショットが入り始めると、錦織の勝利ペースは揺らぎのないものになってます。
このジュースコート側のアングルクロスがあることで、バッククロスラリーが得意な錦織には、バックでアドサイドへ押し出し、フォアのアングルクロスでウィナーを取るという理想的な形が実現してます。
更に、クレーコートはベースラインから1m以上下がってプレーするスペイン選手などに多いクレーコートスペシャリストなどの難敵な相手には、アングルを打つことで、下がって守っているだけでは錦織に勝てないという考えさせるプレーの一つにもなっており、非常に有効的なショットになってます。
しかも、現在の錦織はコントロールである程度スイングの振りぬきを抑えて打つプレースメントではなく、思いっきりフルスイングでこのフォアクロスのアングルに入っているので、恐ろしいほどのリラックス感とスイングスピードで実現させているという、フィジカル的にもメンタル的にも非常に好調なのがわかるショットの一つです。
今後、このフォアアングルが入るか入らないかは、錦織の調子のバロメーターの一つになるのではないかと感じました。
[2]大事なポイントでのサービスエース
サーブフォームが非常にコンパクトになりました。前は体をしなり勢いをボールに乗せていた印象。今はリラックスした体勢から振りかぶり、そのままの振り下ろしの延長でインパクトしているので、体への負担が非常に少ないと感じます。
今の錦織の強さは、『勝負強さ』
しかも、厳しいポイントを1本の1stサーブでポイントを凌げる王者のようなゲームメイクの仕方が本当に大きい!2013年までの錦織はサーブ1本で凌げずに長いラリーになり、取ったり落としたりで、なかなかサービスゲームwonが安定しなかった。
でも今は0-40からでもサービス3本で凌ぐ場面も見られるほど、サーブのコース、球種そして相手との駆け引きが十二分に通用してます。
強い選手はストロークのウィナーなどが目立ちますが、ナダルもジョコビッチの本当の強さは大事なポイントで、どうやればサービスでポイントを獲れるかを知ってるからだと痛感します。それを実現できている錦織はクレーコート現在9連勝という素晴らしい成績を残していると感じます。
サーブはスピードだけではない、緩急をつけ、球種に変化をつけ、コースを打ち分ければ、十分に世界のトップを狙えるサーブになります。本当に素晴らしいの一言です!
[3]ワンテンポ"間"をつくる巧みなドロップショットと強打
更に錦織の強さは、もう一つ。非常にわかりにくいですが、"間"の作り方が上手いこと。
"間"の作り方は説明するのが非常に難しいですが、ショットの入る前に構えると思います。その構えたときにすぐに打つのではなく、ストップモーションになったかのように一瞬動きを止めてしまうこと。
そうすると相手はどちらのコースにどんな球種で打ってくるかさえわからず、相手も1歩止まってしまうので、錦織のライジングの速い攻撃に対し、動きが1歩遅れ、ウィナーとなってしまうのが多々あります。
特にみられたのが、2回戦のGロペス戦。1試合でウィナーが何と24本。ということは1ゲーム先取に4ポイント×6ゲーム=24ポイントで1セット。1セット分はウィナーで決まった試合ということです。
それに必要なのが、
・テークバックのコンパクトさ
・ボールの落下位置にいち早く入るフットワーク
だと思います。ツアーの中でも屈指のコンパクトなスイングを持ち、更にボールの元にいち早く入れるスピードスターの錦織のフットワークだからこそできる"間"だと感じます。
[4]ショットの多様性
一体、いくつのボール種類を持ってるんだというくらい器用な錦織選手。トップスピン系、フラット系、スピンバウンド系、トップスライス系、キック系をフォア、バック共に打てること。
弾道まで入れたら、100種類は超えるんじゃないかというくらいの勢いのショットの数々。
時にはベースラインの中まで入って、バックのストレートを打ったり、ラオニッチ戦のように少し後方気味でスピン系で粘ったり、ドディグ戦のようにフラット系を多くしたり、とにかく多種多彩なショットの数々。
縦回転、ななめ回転、横回転など含め、弾道の高さも含めて打つとなると素晴らしいショットの数です。更にはラオニッチのような3m位の打点から強烈なキックサーブなどを打たれると錦織の身長では頭上をはるかに超えた弾道になる時も、まるで大根切りのようなタッチショットで切り抜けて、チャンスを待つ。
今の錦織は、スピン、フラット、スライス、サーブ&ボレー、ドロップショット、アングルショットなどいろんなことが自由自在にできる。それが今までは相手選手の球質の重さだったり、癖だったりにコントロールを苦戦してましたが、今季は誰と言わずにきっちりと自分のペースで打ちこなせるラリー感覚を身につけていると感じます。
2012年などはデルポトロの球質の重さに全く自分のショットを打ち出せない場面が多々ありましたが、球質が重いと思われたバルセロナ・準決勝のグルビス相手にも全く問題なく、対応できてました。
この相手に関わらず、自分のショットが可能になるフィジカルとフォーム、タイミングを手に入れたのも非常に大きいと感じます。
やはり皆さんもそうでしょうが、今の唯一の心配は、フィジカル。
どうしてもこれだけのショットを繰り出し、毎週のように連戦で勝ち進むほど疲労の中で戦わなければならない環境。ボロボロでもケアをしながらフィジカルを強くしていくしかない。それは時間が解決してくれると自分は信じています。
2011年よりも2012年、2012年よりも2013年。2013年よりも今年の方がフィジカルは強くなってきているのは明らかに見られます。でなければクレーコートで9連勝という記録はできなかったでしょう。
準決勝の相手は世界ランク5位で、クレーコートを得意にしているフェレール。強いです。普通にやって勝てる相手ではないし、タフな長い試合になることは確実。錦織は棄権まではしないでしょうが、悪化させない程度に試合をしてほしいと思います。
でも今はテニスが楽しくて仕方ない。それだけの気迫と執念さえ感じるメンタル面の"吠え"もありました。フェレールと試合がしたくてたまらないでしょうね。それよりナダルと試合がしたいのかもしれない。
ただただ、怪我がないことを祈りたい。全仏にはおそらく第9シードか第10シードは確実なので、ナダルやジョコビッチとベスト8まで当たることはない位置までランキングを上げてきました。今は無理をせずに将来を見越して、戦ってほしいと感じます。
おめでとう!錦織圭、夢に見た日本人男子初の『トップ10』です
※予備データ(2014年バルセロナ大会までの今季のリターン世界ランキング)
これを見ても、今の錦織はリターンで世界2位。2ndサーブにおいては57%wonの世界1位です。文句ないデータと共にトップ10入りを果たした証拠でもあります。
今後の錦織圭に、大注目です
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