[モントルー] 順決×ブラジル・抑え込まれるサイドの力 | バレー・テニス中心のスポーツブログ

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『見えないプレッシャー』
この試合は何かそういう力に抑え込まれた気がします。ブラジルという名のプレッシャー。モントルー14名はブラジルと対戦したことがない選手ばかり。でもブラジルという名が何らかのプレッシャーを与え、本来のプレーをできなくさせていたこともあるように見えました。

実質ブラジルのブロック18点に対し、日本はわずか1点。このブロック力の差がすべてを物語ってるように、サイドアタッカーが活躍できなかった。

というよりこれだけブロック点数の差があって、ブラジルのミスに助けられ、よく接戦になったなと思います。細かいフォローやコンビミス。2週間の急造チームでは仕方ないのかなと。

そして画像のように2人MBのAで20点近くとられた試合でした。日本は速攻に、特にミドル域からの鋭角な攻撃に弱い。サイドからの攻撃には抜群のディフェンスを見せますが、どうしても速攻に弱い印象が昔から伝統的にあります。ここまで徹底的に突かれると、厳しいです。

画像を見ても、日本には高さがないし、幅もないので、強烈な助走から思いっきり好き放題打たれてしまう。大野なんかは特にですが、正面に跳んでも止められる訳がない。どっちかのコースにきっちりつかないと。駆け引きしてほしいと感じる画像でもあります。平松も高さがないし、ブロックは大きな課題です。

この試合は、いつになくブラジルもミスが非常に多かっただけにチャンスも十分にあったんだけど。ブラジルは、ジャケリネ、ギャビイ、モニーク、キャロル、アデニジア、リンス、ブライトのいつものスタメン。


日本は嬉しいことに、現在考えられるモントルーのベストメンバー。攻守に非常にまとまった7名です。期待の井上が当たれば面白いなと感じてました。

■モントルーバレーマスターズ(スイス・チューリッヒ)
--順位決定戦--
日本 ●1-3 ブラジル(25-19、20-25、11-25、22-25)


※クリア動画は、こちら

第1セット、序盤からサーブで復帰したばかりで試合勘のないジャケリネを攻める日本。上手くリバウンドを取るもパワーで弾かれてしまう。どうしてもフェイントフォローがチームとして把握できてない部分が多かった。平松の機敏なCワイドが決まり5-5。

●セット終盤や試合後半を考えた竹下並の藤田のゲームメイク
使い方が抜群です。最近藤田のゲームメイクは素晴らしいと思わせられます。
(画像1)
第1セット4-4から藤田は平松のCワイドをこの試合初めて使います。これが決まるか決まらないかでこの試合の今後が大きく左右される攻撃。見事にノーマーク気味で決まりました。ブラジルのブロックを見ると、アデニジアは全くマークにつけず、更にギャビイはテンポの速さについていけず。これが日本本来のMBの攻撃です。

(画像2)
藤田が素晴らしいのはここから。第1セット5-4、今村の好サーブからチャンスボールが日本に。前のポイントで平松のCワイドを使った藤田は、迷いなく今村のミドルBSを選択。いい攻撃です。コースが甘くジャケリネにディグされましたが、ギャビイは前のポイントで完全に平松マークに気を取られ、アデニジアが遅れ気味のブロックで精一杯。

(画像3)
更にチャンスボールが来ると、今度は平松がCワイドに見せかけて、Lへ。ノーブロックでWSギャビイが完全にCワイドに位置に跳んでしまい、駆け引きで負けました。

これなんすよ!自分がいってるのは。同位置、同テンポで今の世界の強豪のブロックには通用しない。目先を変え、ポジションを変え、テンポを変えることに意味があると。藤田は良くわかってます。素晴らしい使い方です。

これで、更に平松がCワイドに入る助走でフェイントをかけて、サラーーっとLに攻撃ができるようになれば、1人で相手ブロッカーを振れるCLができます。CLをモノにしてほしい選手。大友や井上香織が教えてくれると嬉しいんだけど。

久々に日本らしいテンポの速い速攻です。海外相手でも通用する速さ。これが大友引退後、全くいなかった。杉山も引退。井上香織も召集されず。平松にファンが期待し、ファンが多いのもわかります。この攻撃が日本バレーにとって必要だということを皆さんもわかってるんすよね。非常にムードも、チーム力も上がる攻撃です。会場も盛り上がります。

逆に言うと、前日のスイス戦でフル出場した佐藤美に求める点がここにあります。自分だけ、相手だけ、味方だけ見ていてもセッターは通用しない。セットの終盤も試合の後半も見据えたゲームメイクをしていかないと。

セッターとしての基本技術以外に、セッターとして大きく違う点です。佐藤美には経験、「2手、3手の先を読む考える力」が欲しい。
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相変わらずレセプションがそれほど返らないこの試合、ブラジルのサーブは今や世界一に近いので仕方ないですが、ここをどうサイドアタッカーが踏ん張るか。身長的にはほぼ変わらないだけに、ブロックがここまで違う理由が欲しいです。

嬉しいことは、この試合今村をレセプションから外し、井上、高田、筒井の3枚でレセプションをこなしていたこと。そのため、井上を狙われる場面が多く、レセプションで体勢を崩され、決定力というよりも打数そのものが減ってしまった井上でした。

ハイセットになるとブラジルのブロックが最低2枚きっちりつき、ブロックでの失点が多い反面。ブラジルのミスも多く15-12。モントルー全日本の弱みは、ディグはするけど、つなぎでサイドアタッカーの攻撃までにつながらないこと。これが非常に大きかった。それで今村などがミスをしてしまう。

井上がレセプションアタッカーとして踏ん張った分、攻撃面に集中できなかった日本です。

平松のLで17-16。藤田のコーナーエースで19-17。ここで大野がAを豪快に決める。井上がレセプションを上手く処理してます。そしてこの点数でMBを使える藤田が素晴らしい。井上がレセプションで体勢を崩す分、MBが踏ん張ってました。

驚くことに連続A。運良くタイミング合わずにフェイントで21-19。そしてキープレーヤーの高田がライトからブロックアウト22-19。さあ、残り3点。藤田はどうゲームメイクする?更にレセプション陣はどう対応する。

ここで井上のサーブからブラジルはギャビイ、モニークなど連続ミス。ブラジルが自滅した形に25-19。やはりこのスタメンはいい。高田を中心に安定感があり、藤田がゲームをまとめる。
高田4、平松4、大野2、今村1、藤田1

井上、今村がわずか1点でセットを取るという異例の形に。でもこういうゲームメイクできるのが藤田の良さ。日本はサイドアタッカーの力は他国と比較してもそう変わらない。MB陣が決めれば決めるだけ、勝利に近くなるということです。

第2セット、序盤からブラジルのミスが目立つ。この大会のブラジルはディフェンスが今一つ。ブロックとディグの関係がまだ細かい部分まで決まってないようです4-4。ここで非常にタイミングのいいミドルBSを今村が決め、更に藤田のサービスエース6-5。

ブラジルはリベロの筒井を狙い始め、守備範囲がおそらく広めになってると思うので、少し乱れると連続3失点6-8。

ブラジルはジャケリネ→ナタリア。ナタリアがコートinしてから一気にブラジルペースになりました。

高田がライトから1枚を確実に決め8-10。2枚になると決定率が激減する高田ですが、1枚だとほぼ100%に近い決定率。サーブのいい大野を起点に平松のダイレクト、ブラジルのスパイクミスで10-10。

しかしどうしてもブラジルの速攻を止められない日本。平松と大野が何とかついていって、リバウンドを取ってほしい。これ以上、世界との差を広げないように踏ん張れ!

今村のレフトスパイクミス、井上のミドルBSアウトで11-14。若手がコートinする限り、1set2、3点はミスを覚悟しなければならない。しかし今村が3連続のトランジションで3本目に超インナークロスを上手く決め12-15。しかしまたもやアデニジアのAを止められず12-16。

リードでなくてマンマークにつこう!更にキャロルのA、アデニジアのAで14-18。ブロックは正面に跳んでも必ずコースを抜いてくるので、ある程度は半身どちらかに読まないと。

今日は井上に当たりがあまりないので結構厳しい日本。レセプションで結構狙われているので、なかなかプレッシャーがきついのか、5連戦でほぼ出場しているのできついのか?ミドルのBSにも遅れてはいる始末。

井上→内瀬戸in。ディフェンスを固めるのと共に一度冷静になった方がいい井上のナイス交替。高田のライトアウト。どうも藤田と高田のライトが今一つ合わない。ただ1つ言えることは、井上、今村、高田のテンポがA代表より速いので、ブラジルMBブロックが追いついてこないレベル。

藤田→白垣in、ピンブロ。今村のクロスミス、ネットで20-24。今村はまだ怖くて使えない。いい時はいいけど、大事な時にミスをしてしまう20-25。セットカウント1-1に。
高田9、今村6、平松5、大野3、井上1、藤田2。ブラジルミス19に対し日本はわずか9といいバレーをしている。

しかしキャロルとアデニジアですでに計20点のスパイクポイント。

井上に当たりが来ないのがセットを獲れない原因になってます。どうするかな。ここで白垣に返ると、完全にレセプションから外れるので、今村に過大な負担がでてくる。

第3セット、第4セットも押し切られ、1-3で敗戦。

選手達はバレーを楽しんでるかな!?バレーボールは相手との駆け引き、仲間とのつながりが最も面白いスポーツ。気持ちがバラバラで互いに協力できてない気がするモントルー全日本。もっとブラジルとバレーをすることをいい意味で楽しんでほしい。

そうすれば、駆け引きの中に何かが見えてくるはず。自分たちから逃げないこと。向かっていかないと何も始まらない。例えば高橋独特のクロスを向いてストレートに打つ打ち方などは、見方から見れば、ストレート気味にブロックフォローを入れば、またつなげる。思いやりのあるバレーがほしい。

20点以降の戦い方、もうワンランクどうやれば上がるのか?それを掴んでほしい。ただA代表クラスの選手が多数いながらも、しっかりと戦い抜いたことは非常に評価できるし、今大会あまり期待してなかったですが、内容的に非常に収穫の多い大会でした。

この試合、ブラジル18点、日本1点のブロックの差。これが大きな要因だと感じます。さほど身長がないのにこの差。サーブも通用していたけど、最後にブロックで抑え込まれてしまう。他国ならはじけるブロックが弾けずに手前に落とされてしまう。

この個人力が群を抜いて素晴らしいブラジル。タイーザ、シェイラ、ガライなどが入るとミスが激減し、極端に集中力が増すチームです。

個人個人についてはまた別途まとめたいと思います。藤田、井上、筒井、大野、平松、高田はそのままA代表合宿に合流すると思います。

個人的に他の8名はまだまだ厳しいです。関、庄司、佐藤美、高橋、内瀬戸、宮本、白垣、今村は今後の成長に期待したいです。

モントルー大会の最終順位は、
1位;ドイツ
2位:アメリカ
3位;ロシア
4位:中国
5位:ブラジル
6位;日本
7位:スイス、ドミニカ

個人賞は、
MVP:コズーフ(ドイツ)
サーバー:アダムス(アメリカ)
セッター:コシアネンコ(ロシア)
レシーバー;シェルバン(ロシア)
スパイカー:ブリンカー(ドイツ)
ブロッカー:キャロル(ブラジル)
ディガー:レンカヂュール(ドイツ)
リベロ:レンカヂュール(ドイツ)
スコア:マリフ(ロシア)

となりました。今大会は昨年よりもA代表クラスが多かったのでレベルが非常に高かった。ただどの国も始動したばかりで、集中力不足やミスが多かった印象です。その中でも堅実なバレーをするアメリカ、そしてサーブを中心にディフェンスが非常に良くなり、攻撃のテンポも速くなったドイツが勢いに乗り優勝しました。

この優勝は中国に3-0、アメリカに3-1と勝ってますので、非常に自信になる勝利だったかと思います。ただどのチームもピークから程遠いので、世界バレーはまた別途でしょう。この流れで言えることは、女子はサーブがいいチームが上位に来る。中国のように攻撃力が合っても、レセプションが弱いディグがまとまらないチームは勝ちあがらないことが明確になったと思います。

やはり日本はサーブがいい選手でないと最終14名登録選手は厳しい。リベロ以外の12名は必要最低限サーブがいいことが条件だと痛感します。

現状では高田、平松などはサーブが今一つ効果がないので、非常に危険区域です。逆に井上、大野などは非常にサーブ効果が高いので、期待されます。

※佐野もモントルー同行(コーチ)


自分は佐野の存在が非常に日本を大きくすると思ってます。試合の中での活躍というより、木村、新鍋などが佐野がいるだけで、自分のプレーに集中できるというか一任できるパートナーがいることが非常に大きいと。まだ佐藤あや座安などではカバーも考えなければならない経験値ですが、佐野レベルになると木村が十分に任せられる位置。

今後の全日本A代表に大いに期待したい。

ついに6/6(金)から本格的に合宿が始まります。久光は祝勝会が6/8(日)にサガであるようなので、その後の合流になるようですが、今年はもう実質3か月半しかない。時間がないので、どこまで新戦術を磨けるかにかかっていると思います。

ここからが本気の闘い! いざ、勝負の年です!

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