バンもん村
みさこ「取り敢えず、私の家に行こうよ」
大桃子「こんな大人数で迷惑しない?」
みさこ「大丈夫だよ、かっちゃんだから」
みさこ家
みさこ「ただいまー」
かっちゃん「お帰りみさこ、友達?」
みさこ「魔王を一緒に倒す仲間だよ」
かっちゃん「ま、魔王って…」
みさこ「ちばぎんに頼まれたんだ」
かっちゃん「ちばぎんって王様を呼び捨てって…」
みさこ「いいじゃん、ちばぎんだし」
かっちゃん「そうだね」
みさこ「皆も泊まって良いかな?」
かっちゃん「うん、いいよ」
かっちゃん「狭いけど、ゆっくりして下さいね 」
みゆちぃ「お邪魔します」
大桃子「すいません、お邪魔します」
汐りん「お邪魔しますなの」
ゆずポン「お邪魔しまーす」
ぐみ「お邪魔します」
その夜
かっちゃん「ねぇ、みさこ」
みさこ「何?かっちゃん」
かっちゃん「本当に魔王を倒すの?」
みさこ「倒すよ倒して世界を平和にするんだ」
かっちゃん「王様に言われたから?」
みさこ「最初はそうだったけど、今は違う」
みさこ「皆が安心して暮らせる世界にするんだ」
みさこ「自分で決めたんだよ」
かっちゃん「そっか、じゃあ私は何も言わない」
みさこ「ありがと」
かっちゃん「一つだけ約束して」
みさこ「うん」
かっちゃん「絶対に生きて帰ってきてね」
みさこ「わかった、約束するよ」
かっちゃん「うん」
みさこ「皆の所に行くね」
みさ部屋
みさこ「あれ?汐りんは?」
みゆちぃ「さっきまで居たのに」
ぐみ「トイレかな?」
ゆずポン「あっ!外に居るよ」
大桃子「何してるんだろう」
みさこ「行ってみようよ」
外
汐りん「…」
みさこ「汐りん」
汐りん「あっ、皆どうしたまるか?」
みゆちぃ「何してるのかなと思って」
汐りん「お祈りしてたなのよ」
大桃子「世界が平和になるように?」
汐りん「それもあるなの」
ゆずポン「他にもあるの?」
汐りん「今日、倒した魔物屋さん達に謝ってたなの」
ぐみ「魔物に?何で?」
汐りん「私は僧侶なの、どんな理由があろうと殺生は罪なのよ」
みさこ「でも、それは…」
汐りん「世界を平和にする為なのは分かってるなの」
みゆちぃ「じゃあ、何故?」
汐りん「いつかきっと人間と魔物が仲良くなれる日がくるなの」
大桃子「無理だよ、そんなの…」
汐りん「私の夢なの」
みゆちぃ「私もそんな世界がいいな」
ゆずポン「分かってくれる魔物も居るよ、きっと」
ぐみ「仲間にしたいね」
みさこ「そうだね」
大桃子「その願い叶えたいな」
汐りん「ありがとうございまるのった」
翌朝
みさこ「じゃあ、行ってきます」
かっちゃん「はい、お弁当」
みゆちぃ「お世話になりました」
かっちゃん「また、お世話になりに来るのよ?絶対だからね」
大桃子「約束します」
ゆずポン「じゃあ、行こう」
汐りん「世界を平和にする為に」
ぐみ「出発しよう」
町の外
みさこ「かっちゃんの話だと隣町に馬に詳しい人が居るんだって」
みゆちぃ「馬?確かに旅には馬車は不可欠よね」
ゆずポン「馬車か~わくわくするね」
ぐみ「移動も楽になるし、傷ついた体を休められるしね」
大桃子「ね、ねぇ」
みさこ「どうしたの?」
汐りん「魔物が喧嘩してるなの!」
大桃子「け、喧嘩じゃない…いじめだよ!」
魔物「さぁ、人間を喰って来い!さもなくば…」
魔物②「どうなんだ!」
魔物③「ちっ、強情な奴め…」
魔物「裏切り者は抹殺せよとの命令だ」
魔物②「悪く思うなよ」
魔物③「死ね!」ぶんっ
大桃子「ちょっと、止めなさいよ!」
魔物「ゆ、勇者…」
みさこ「仲間でしょ?何で苛めるの?」
魔物②「…」
みゆちぃ「何とか言いなさいよ」
魔物③「行こうぜ」
ぐみ「待ちなさいよ」
ゆずポン「ちょっと、酷い傷…」
汐りん「ホイミなの」
みさこ「気絶してる…」
みゆちぃ「うん?この亀の下を見て何か居るよ」
大桃子「アザラシの魔物だ…」
ゆずポン「亀さん、ごめんね」
アザラシ「ひぃっ!」
ぐみ「何もしないから、大丈夫だよ」
アザラシ「…」
汐りん「本当なの、何もしないまるよ」
アザラシ「…」恐る恐る
汐りん「可愛いなのー」なでなで
アザラシ「…」
みさこ「何で仲間から酷い事されてたの?」
アザラシ「…」
みゆちぃ「良かったら聞かせて欲しいな」
アザラシ「裏切り者だからです…」
大桃子「裏切り者?」
アザラシ「魔物だから、人間を食べて殺さなきゃいけないって言われて…」
ぐみ「それで、断ったら苛められたの?」
アザラシ「はい…」
みゆちぃ「この、犬の魔物も?」
ゆずポン「亀さん、甲羅が傷だらけだ」
アザラシ「にゅー君とごうくんは何時も私を守ってくれて…それで…」