心地よい上機嫌な暮らしを目指す

【Life-karute ライフカルテ】
現役看護師×ライフオーガナイザーのnaomiです







認知症の患者さんに対して
安易にボディータッチをしている様子を見ると
そこには急に触らない方がいいよ、と思う


それが
【手】


え、なんで?
握手とか、心と心が通じ合う気がしてよさそうですよね。



でも特にご高齢の方、認知症等で感覚が敏感または鈍感になっている方に

【手】、特に手のひらには
むやみにタッチしない方が

よい場合があります



逆にもしタッチする場合どこが良いのか
それは【肘】

え??なんで???
肘にタッチしたことあんまりないんだけど…



なぜかというと、
脳神経の対応している運動野、感覚野の領域に関係しているからです



ここで
脳のお話になりますが


こんな絵を見たことがあるでしょうか
【ペンフィールドの脳地図】

という図です



大脳は知覚、思考、記憶、推理、自分の意思による運動などを司っています。

カナダの脳神経外科医ペンフィールド(1891~1976)は電気刺激を使って、大脳のどの部分が、身体のどの部分を司っているのかを実験しました。

そして彼は、脳の各部分の運動野の対応領域の割合の大きさも研究し、マップを作りました。
(運動野、感覚野を合わせた図は下側)



顔と手の運動支配領域が広いんです。


そして3Dの立体にした模型がこちら


【脳の中の小人】

通称:ペンフィールドのホムンクルス







顔、顔〜〜っ!!

なんだかホラーな出立ちですが、ちゃんと看護学校の教科書に登場するんですよ


立体になると
異常に大きな手、さらに口が、よりハッキリわかります。



赤ちゃんが発達過程で
手に触ったものを何でもかんでもお口に入れてしまうのは、
感覚の鋭い唇や舌で物を認知しようとする脳の発達に伴う行動だったんですね。
(何でもかんでも『だめー!』言ってたなぁ…)


つまり、
手や口は、特に感覚支配領域が大きいため
急にボディータッチで手先の辺りをポン!としてきたら
びっくりして、警戒してしまうのです。





『〇〇さん、こんにちは〜』と笑顔を作って
スキンシップを取ろうとしても、


認知症の方にとってはあなたは

『知らない人』かもしれません。


場合によっては混乱してしまったり不穏症状に繋がることも。 



そこで、もしファーストタッチするなら
【手】よりも【肘】がよいと言われています。


図の中で見ても、手の先と違って肘は随分と領域が少ない。

つまり、ポンと触られても違和感が少ない場所と言えるのです。
そういえば、肘の皮をつまんでも感覚が鈍い気がする。

患者さんの歩行介助をする場合には、
半歩後方から、軽く肘や二の腕を支えて(又はすぐ支えられる距離をとり)行う場合が多いです。


もちろん手を触る場合もありますが、ファーストタッチではないですね。

男女間のボディータッチも同じかも?




高齢者の方向けのお片づけも活発になっている昨今




脳の支配領域を考えながら、
心をゆるせる距離感からのコミュニケーションを取ってみてくださいね。





最後まで読んでいただきありがとうございます
今日も上機嫌な1日を。