ポリヴェーガル理論について超簡単に説明します。
分かりやすく書いたので、その分内容はかなり浅いです。
ポリヴェーガル理論を詳しく知りたい方は、こちらの本をお勧めします。
まず、自律神経とはその名前の通り体が自律的に働く神経こと。
私たちの意思とは関係なく、呼吸や体温、血圧、心拍、消化、代謝、排尿・排便💩など生命活動を維持するために24時間365日、休むことなく働き続けています。
今までは、交感神経と副交感神経の2系統が自律神経だと言われていましたが、ポリヴェーガル理論では、休息と回復&社会との交流モードによって安心安全を感じられる状況(副交感神経①)、危険を感じる状況(交感神経)、命の危険を感じる状況(副交感神経②)の3系統の自律神経が切り替わりながら、日々の環境に対応していると説明しています。
他人とうまく関われたり、リラックスしている状態の時は、副交感神経①が働いています。
でも、ストレスがかかったり危険を感じたりすると、交感神経(闘争or逃走モード)が働き出します。
これは「自ら動いて何とかしようとするための神経」です
この交感神経優位の状態が続いても、どう頑張っても自分ではどうにもならない絶体絶命の状態に陥ってしまった時は、副交感神経②に切り替わります。
副交感神経②は「命を守るための神経」で、危険が過ぎ去るのを待つために心身を完全にフリーズ状態(シャットダウン・解離モード)にさせます
この絶体絶命の状態は、命の危険性だけじゃなく、社会的な生の脅威も含まれます。
たとえば、頑張って仕事をしても、頭ごなしに否定されたり非難される、みんなの前で恥をかかされる、孤立を感じるなどの環境では、生命の危機に直面している時と同じような身体的反応が起こり、命を守るための副交感神経②が優位になるのです。
周囲の環境と自身の内部の状況によって、この副交感神経①⇄交感神経⇄副交感神経②のシステム(モード)がそれぞれをスムーズに行き来して切り替わっていくのが、自律神経の健全な働き方です。
ところが現代社会では、交感神経⇄副交感神経②を激しく行き来して緊張と疲労が続く、自律神経が異常な働きをする人が増えてきています。
こうなってしまうのは、安心が足りていないからです。
安心が足りていないと、漠然とした不安に支配されてしまいます。
私たちは、「どうなるかわからない」から不安になります
でも、「おそらくこうなるだろう」という予測性があれば安心できます。
と書くと、「他人の気持ちや、仕事やお金のことなんて予測できないじゃん!だからずっと不安なんじゃん!」と思うと思いますが、その通りです。
この予測性を自分の外側に求めている限り、いつまで経っても安心は手に入らないのです。
大事なのは、「私は大丈夫だ」という自分の内なる予測性、つまり自律神経の予測性があることなのです。
不安は危険を回避するための防衛反応ですから、不安を感じないようにするのは無理ですし、一時的に慌ててしまうのも当然のことです。
でも、どんな状況に見舞われても、自分の内側に「今抱いているこの不安は長くは続かない」という予測性があれば、自分で自分を煽ることなく、必ず安心モードに戻れます。
自律神経が正常に働いていれば、この安心の感覚が自然に戻ってくるのです。
ポリヴェーガル理論を知り、不安ベースの人は、交感神経⇄副交感神経②を激しく行き来する人のことで、安心ベースの人は、副交感神経①⇔交感神経を緩やかに切り替えられる人のことなんだなと思いました