4/3 【和らげよう】

 

新年度 がはじまりました🌱

進学、進級、クラス替え、入社、部署替え、一人暮らし、引越し……

子どもも大人も緊張・疲れのたんとたまる季節。でも、疲れって見えにくいですよね。

いつもより気を配りたいものです。

 

ゆっくり寝て、食べて、できるだけリラックスを。

絵本を読むのもいいと思います。

 

たとえばこんな絵本――

 

 

☆『おやすみ、くまくん』
(クヴィント・ブッフホルツ 作/石川素子 訳/徳間書店)

眠くないくまくん。
窓から外を眺めると、満月が辺り一面に光を降り注いでいます。
川では鴨が泳ぎ蛙が鳴いています。
隣村の夜は、牧場の夜は、どんな様子なのでしょうか……。(内緒のサプライズつき)

 

 

読み聞かせ

好きな絵本を声に出して読んでみると、言葉の響き、絵から得られる癒やし、よろこびを体いっぱいに感じられます。

(試してみて!)

 

誰かに読んであげれば……

 

読み手の脳では前頭前野(思考や感情のコントロール機能を司る)が活発に働きます。

聞き手の脳では大脳辺縁系(喜怒哀楽の感情を生み出し基本的な行動を決める)が活発に働きます。

(2008年日大大学院研究チームにより実証されています。)

 

読み手にも聞き手にも、不安がやわらいだり、イライラが収まる効果があるようです。

 

読むのなんて、うまくなくていいんです。

心と体がよろこぶ「声に出して読む」絵本を、ぜひ探してみてください。

 

 

 

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4/3 【追悼 坂本龍一さん】

 

坂本龍一も大江健三郎も清志郎も、人を想う、気骨ある表現者だった。

社会を他人まかせにせず、現実をみつめ、行動する……

かれらの存在はあまりにも大きかった。

勇気を持たなければ。

よい変化のために。

 

 

 

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4/4 【あなたの居場所は】

 

バレエ団の雇われ猫ピンキー。

鼠捕りが仕事なのに、鼠は大の苦手。

いつ解雇されるかと不安な日々。

でも、誰よりもバレエを愛しています。

 

絶望……からの大逆転!

 

誰にでも相応しい役割があるのだと、そっとおしえてくれる一冊です。

 

 

◇『バレエ団のねこピンキー』

(ノエル・ストレトフィールド/スザンヌ・スーバ/田中潤子/のら書店)

 

 『バレエ団のねこピンキー』は、文章多めの絵本。どちらかというと「絵童話」と呼んだほうがいいのかな?

先日ふたば書房さんで出会った本です。

 

しなやかな線とシックな色使い

のスザンヌ・スーバ(1913-2012)はハンガリー生まれの画家。

なんて素敵な絵を描く人だろう。

 

 

 

 
 
 

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4/5 【床下の大冒険(でも日常)!】

 

〈ぼくんちの ゆかしたには ワニがいて〉

 

夜、ぼくは七つ道具を下げ、じめじめとした床下へ出かける。

七つ道具とは、つっかえ棒、懐中電灯、あと、それから……?

 

淡々と語られる少年の日常。

いやこれ、スリルに満ちた冒険談よ!

 

 

☆『ゆかしたのワニ』

(ねじめ正一 文/コマツシンヤ 絵/福音館書店) 

コマツシンヤの絵、いいなあ。
まず冒頭のページで空間認識ができる。「ぼく」が暮らす家の構造も、床下の真上に道具室のあることもきちんと示されている。
薄暗い床下には、生臭い匂いが漂っていそうだ。
絵本における読者の空間認識、エクスキューズ……これについてはまた後日。
 
 

読むことで“絵本を体験”する子どもたち。

自分と同じような年頃の主人公(子)が顔色ひとつ変えずに危険な任務(そう、これは任務!)をやりとげる、スリルと達成感に満ちたストーリー✨
 
 
 
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4/9 【希望を胸に】
 
ちいさな子どもを持つおかあさん、ちいさな者を守りたいと願うすべての人へ。
 
 
うまれてきたこどもたちは いう――
 
「これから生きていく世界を ひどいと 決めつけないでよ!」
 
 
◇『あかちゃんがわらうから』
(おーなり由子/ブロンズ新社)
 
 
 
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4/10 【あの日の風の匂いがした】
 
打ち合わせ前に『そこから見た景色の話を 水元さきの作品集』展(東京駅・丸善丸の内本店4F ギャラリー)へ。
 
記憶の底から声が、音が、匂いが立ち上ってきて……ふいにくらった!落涙。
 
サイン入りの本を購入。
 
 
読んでいる間、はらはらはらはらはらはら
不思議なほど涙が零れた。
胸がくるしくなるくらい
懐かしさでいっぱいだった。
 
 
 
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4/10 【もうすぐ本の長屋(高円寺)open】
 
目が慣れるまでほとんど何も見えず、どなたかが「闇鍋」と書いてらした懇親会(笑)
ここで一升瓶の日本酒を酌み交わすという、実に私らしいスタートです。
 
箱主になります。
函の名前は「えほん+∞」です。
どうぞよろしくお願いします。
 
ここでお会いしましょう♪☺
読書会はこの2階で、夏頃には開始できるかなあ
 
(コクテイル書房 狩野さんのTwitterより) 

 

 

 

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4/11 【金子みすゞ生誕120年】

 

今日4/11は 金子みすゞ生誕120年にあたる日。

 

この宇宙に存在するすべてのものに等しく目をそそぎ、優しく研ぎ澄まされた響きで詩に綴ったみすゞさん。

 

〈みえぬけれども あるんだよ。〉

 

 

☆『ほしとたんぽぽ』

(金子みすゞ 童謡/矢崎節夫 選/上野紀子 絵/なかえよしを デザイン/JULA出版局)

 
 
 
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4/12 【パンの記念日】🥖 1冊目
 
おばあさんが粉箱をごしごしひっかいて粉を集め……そうして作られたおだんごぱん。
 
〈おまえなんかにつかまるかい〉
 
相手の名前を積み上げて、どんどん増える言葉の数。
畳みかけていく面白さ!
 
 
☆ロシア民話『おだんごぱん』
(せたていじ 訳/わきたかず 絵/福音館書店)
物語は息を呑むバッドエンド(おだんごぱんにとって!)なので、一応お知らせしておきます👈
1966年初版のロングセラー✨
文章長めに思われるかもしれませんが、声に出して読むとテンポやリズムが心地よく、また「繰り返し」の妙あり。
スリルいっぱいの逃走劇が子どもを惹きつけます。
 
 
 
 
4/12 【パンの記念日】🍞 2冊目
 
こちらはパンの耳が主人公の絵本。
 
ほかにもアイスの当り棒、ねじ、バナナの皮、傘の骨が出てきたりします。
地味で可愛くて、可笑しみのある一冊です。
 
 
☆『パンのミミたろう』
(及川賢治、竹内繭子/学研教育出版)
あえて呼ぶとしたら「ナンセンス絵本」。
あたらしい環境でちょっぴり(だいぶ?)お疲れ気味の大人と子どもにオススメします。
読んでいるうちに、余計な力が抜けていくのがわかりますよ🍀
 
 
 
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4/15 【本に片恋はない。 by 武井武雄】
 
本を愛せば愛するほど
本に愛される人間になるはず。
 
武井武雄(1894-1983)の作品諸々は、もう何度読み返したかわからない。
 
知らない街をずんずん歩くとき、私はあるき太郎になりきっている。
 
「あるいたおかげで ぼくは いま てっぽうだま太郎より つよいんですよ」
 
『武井武雄画噺1 あるき太郎』※1927年丸善(1998年復刻版・銀貨社)より
 
 
本を愛するわたし。
共同書店「本の長屋」でも、きっとたくさんの同志に出会えることでしょう。
 
 
 
 

故郷の桜

 
始まる春。
故郷の桜に、山々に励まされて
充電完了です。
 
 
高田城址公園の夜桜
 
 
お読みいただきありがとうございます。
 
🌸絵本コーディネーター東條知美