11/13 【そろそろノミネート】
紅白出場歌手の発表があるということは、そろそろ〚東條絵本大賞〛の候補があがりはじめる時期です。
自分ではじめたこととはいえ、悩ましい季節……
(ちなみに昨年は6作品が大賞を受賞。いずれも傑作。ぜひお手にとってご覧下さい)
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11/14 【可愛くて豪傑】
作者ベーメルマンスは14歳で学校を中退、周囲に心配をかける……いわゆる不良少年だったといいます。
この絵本には、そんな作者の反骨精神が垣間見える場面が――
たとえば、パリの寄宿舎を舞台に繰り広げられるこのシリーズの一冊『マドレーヌといぬ』には、ちいさなマドレーヌが非情な議員に対し、「おぼえていなさい!」と真っ向から非難するシーンがあります。
真っ当で痛快です。
大好きな絵本です。
☆『マドレーヌといぬ』
(ルドウィッヒ・ベーメルマンス 作、画/瀬田貞二 訳/福音館書店)
「可愛い」と「豪傑」が共存するマドレーヌのとりこです。
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11/15 【本の長屋 お店番】
20時まで本の長屋店番。
お越しいただいた皆さま、ありがとうございました。
本と著者に対する熱い想いを語ってくれたお客さま、国会図書館にお勤めのお客さま、静岡県からいらしたお客さま、シベリアをくれた函店主仲間、通りがかりの芸人さん……多彩な面々に会いました。
18日からは、本の長屋フェス。
ぜひお気軽にお寄り下さい🚪
「本の長屋通信」を真似て「えほん+∞通信」を出そうと書き始めたのですが、夕方過ぎまでドア全開で過ごしていたところ手がかじかみ、そのうち来客が立て込み結局ちょぴっとしか書けませんでした。
手がかじかみました、とだけ書いたものがクリアファイルに挟んで置いてあります。(つぎの店番は来月半ば)
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11/16 【メタファー】
同じ場所で過ごす4人が語る群像劇。
金持ちと貧乏、寂しさとパワー、血統書つきとそれ以外。
ブラウンの作品には風刺の中に愛がある。だから面白い。
かれらのいる世界、心的表象を雄弁に語る絵が、これまた実に素晴しい!
◇『こうえんで… 4つのお話』
(アンソニー・ブラウン 作/久山太一 訳/評論社)
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11/16 【小泉八雲】
□研究社英文教科書『KWAIDAN(怪談)』
(Lafcadio Hearn/福原麟太郎 註釋/初版 大正14年,第15版 昭和26年 )
お貞の話。
昔、越後国新潟の町に長尾長生という男があった――の「Echigo」、まちがって「Echizen」と書かれてる。
タイムリープしたら、八雲に、越前は福井の辺りだよって教えてあげようかな。(単に印刷所のミスかな)
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11/17 【北京師範大学主催 オンライン講演会 第3弾】
中国の北京師範大学主催オンライン講演会に登壇。
テーマは「子育て支援と絵本」。
個の生き方に関わる様々な課題――これまでの全3回の講演を通し、中国の皆様の「絵本」への関心の高さが伺えました。また両社会が似通った課題を抱えていることも。子どもの幸福を願ってやまないことも。
大勢にご参加頂きました。
謝謝
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11/19 【クレーの天使】
パウル・クレーが亡くなる直前まで描いていたのは、天使の絵。
『クレーの天使』(講談社)は、45の天使に谷川俊太郎が短詩を添えた詩画集です。
そのなかに「未熟な天使」という絵があります。
添えられた詩、天使の表情にいつも胸がしめつけられます。
〈かなしみすらいきるよろこびだと あったこともないてんしはいう おこったように〉
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11/20
☆『もりのなか』
(マリー・ホール・エッツ 文、絵/まさきるりこ 訳/1963年 福音館書店)
ライオンが少年について行きたいと請う。
水浴びに興じる象も、急いで着替えて「まってくださぁい」
少年が自分から近づいたのは、年寄りのコウノトリ。
唯一声をかけたのは、臆病なうさぎ。
「怖がらなくていい」
「来たければおいで」
みんなで遊び、奏で、ごちそうを囲む
夢のような時間――
ひとつひとつの出会いを丁寧に描く。
ひとりひとりを静かにみつめる。
絵本はおしえてくれる。
子どもの夢みる世界を。
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11/20 【🌟掲載『コクリコ』】
子育て総合サイト『コクリコ』(講談社)で 、「よその子と違うかも」と不安になったときに読んでほしい絵本を3冊ご紹介しました。
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11/21 【🌟掲載『コクリコ』】
喪失の経験はそれまでの世界を一変させます。
悲しみの渦中に「これさえあれば」なんてものはないけれど、自分のなかにある"イメージ"がたすけてくれることなら、もしかしたらあるかもしれない。
そんなことを思いながら、3冊ご紹介しております。
ぜひお読み下さい。
3冊目にご紹介した絵本『あかいてぶくろ』作者のいりやまさとしさんに伺いました。
「どこからも出版されなくてもよいから自分の気持ちを絵本の形で残しておきたかった」と。
編集さんが「きっと世の中には同じような気持ちの人がいる」と肩を押してくれたそうです。
想いを映し、手渡される絵本。
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11/22 【上越ケーブルビジョン『NEXT』出演者の集い】
故郷のテレビ局・上越ケーブルビジョン(JCV)にお招きいただき、過去番組「NEXT」に出演された皆さま、JCV齋藤社長とお会いする機会をいただきました。
故郷の思い出を力に、仕事に誇りを持ちがんばっておられる先輩、後輩に勇気をもらいました。
ありがとうございました!
フリスク、ではなく絵本です。
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11/25 【「長屋通信」を編む仲間】
「本の長屋フェス」、今日は出版部によるトークイベントが行われました。
1号、2号と発行された『長屋通信』――その制作秘話、各人の想いを伺うことができました。
長屋にはプロの作家も含め多彩な顔ぶれが集まっています。
そんな面々に原稿を手配し、編み、刷り、折られた通信。
ありがたいなあ。
内容も多様で、「コモン」としての長屋を体現しています。
本の長屋にありますので、皆さまぜひお持ち帰りくださいね😊🤲
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11/25 【文字のない絵本】
有刺鉄線が蜘蛛の怪物となり少女に襲いかかる。
黄色い蝶に導かれた先で、少女は大地に突き刺さるミサイルを見て、かつて猫と遊んだ木を思う。
怒りと絶望で歪む顔――
避難生活を送るウクライナの作家が絵本で訴える絵本
『イエローバタフライ』
(オレクサンドル・シャトヒン/講談社)
ロシアとの国境に近い街サミーに住む作者は、昨年2月の侵攻によって故郷を捨てることを余儀なくされた。
それから1ヶ月の期間で描かれた作品。
あとがきには「戦争の後も人生は続き、全て復興され、平和なウクライナに暮らすことは、確信であり、希望であり、信念」と記されている。
視覚的メタファーを用いながら、読者に問いかける。
当事者であるアーティスト。
怒りと悲しみと絶望を少女に託し、かつてそこあったものを記すこと、最後に希望のイメージを置くことで、
何よりかれは自らを保とうとしたのではないだろうか。
ミサイルは破壊するのだ。
なにを?
私たちの暮らしを
命を
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11/26 【ツミナハナシ「罪と罰×絵本」に登壇】
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11/28 【詩と花を贈る絵本】
今日は、イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの誕生日。
飛び出す仕掛け絵本『花の神殿』(キース・モーズリー作/パトリシア・ウィッティカー絵/三村寛子訳/大日本絵画)には、ワーズワース、ディキンソン、ブレイクらの詩と、やわらかな水彩で描かれた花々が綴じられています。
美しい言葉と花に、心が解けていくようです。
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11/28 【あたりまえに優しい】
子どもたちが大好きな一冊。
物語は、ハリネズミが森で金貨を拾う場面から始まります。
老いて冬籠り支度がたいへんになったハリネズミは、それで食糧を買おうと思いますがみつかりません。
道を行くと、会う人のすべてが当たり前に、彼に親切をほどこす――そんな物語。
☆『ハリネズミと金貨』
(オルロフ 原作/田中潔 文/オリシヴァング 絵/偕成社)
『ハリネズミと金貨』はロシア発の創作絵本。
ウラジーミル・オルロフ(1930-1999)は、ソ連時代にロシアからウクライナへ帰属が変わったクリミヤ地方で活動した児童文学作家、詩人、劇作家。ウクライナの児童図書館には氏を記念する名がつけられています。
厳しい冬は目前。
温めましょう、心から。そして、
世界に思いをはせましょう。
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珍しく原稿の締め切りを3本抱え、パソコンにはりついています。ありがたいことです。
来年の仕事のオファーもお待ちしてます!
絵本コーディネーター東條知美