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🌟 春の長屋フェス【トークイベント】
『絵本とジャーナリズム:報道記者・加古紗都子と「少女兵士ピチャ」』(於 本の長屋)が開催されました。
ご来場いただきました皆様、ゲストの加古紗都子さん(TBS記者)、この度はまことにありがとうございました。
おかげさまで大盛況。終了後、複数のお客様より「考えるきっかけをもらえた」「自分も仕事の中で出来ることをやってみたい」等のメッセージを頂戴しております。
ピチャさんは、ウガンダ内戦の際に8歳で連れ去られ、約十年もの間子ども兵士として生きることを余儀なくされた女性です。
小さな村で家族とつつましく暮らしていた少女がなぜさらわれ、兵士にさせられなければならなかったのでしょうか?
父親ほど年の離れた兵士と結婚させられなければならなかったのでしょうか?
愛しい故郷はなぜ、罪のない彼女の帰還を拒んだのでしょうか?
戦争という過酷な状況下で、弱者である子ども・女性がいかに利用され、傷つけられるのか――
世界に今なお9万人以上いるといわれる少年兵を思いますと、無力感、絶望感にかられそうになります。
それでも
『少女兵士ピチャ』のモデルとなったアチャン・ピチャさんは、帰還後、元子ども兵を支援する施設の力を借りながら二人の子を育てています。
「自分のような元子ども兵の力になりたい」と笑顔で踏ん張っておられます。
彼女たちの物語は、まだまだつづくのです。
新型コロナウイルスによるロックダウン下ではたいへんだったようですが、仲本さんはこの事業を継続。
〈身近なレベルで、もっと根本から紛争を防ぎ、平和をつくる方法はないのだろうか?〉――問いを立て、ビジネスにより答えを出そうと奮闘しています。
遠い国であるウガンダ、少年兵の現実、アフリカの女性の問題も、こうして「絵本」や「ドキュメンタリー本」を通すことで、私たちの身近なテーマとして迫ってきます。
ゲストの加古紗都子さんには、貴重なお話をたくさん伺いました。
心に傷をもつ(取材)対象者に向き合うことの意味、
待つだけでなく自ら切り拓いていこうとする突破力、
そして「いつかきっと」と信じる強い気持ち……
報道記者としてあろうとする姿に心打たれ、たいへん励まされました。
また、見事な読み聞かせにも感服いたしました。(加古さんにお願いしてよかったです)
東條からは、史実を描く絵本、現在進行中のウクライナを描く(避難中の作家による)絵本、震災関連絵本について、少しだけご紹介させていただきました。
伝えたい出来事や思いがあるとき、
「ジャーナリズム絵本」という手法でリーチできる場面や可能性もあるのだ、とお伝えしたかった次第です。
「絵本」は子どもだけのものではありません。ぜひ、注目していただけたらと思います。
すべての子どもに安全と幸せを。
「絵本」と「ジャーナリズム」、まだ出来ることはありそうです。
言葉を大切に、ひとりひとりの思いを大切に、これからも媒体としてのメディア、「絵本というメディア」に刮目してまいります。
絵本を片手に、草の根、裾野を意識しながらコツコツ問い続けてまいります。
加古さんにはこれからもぜひ、大きなマスメディアから気づきの機会を創出していただきたい。
真っ当なテーマでガンガン突破してもらいたいと思います。
そして絵本作家かこさとこのファンとしては、次回作(絵本)にも大いに期待しております!
改めまして、ゲストの加古紗都子さん、ありがとうございました。
力をお貸し下さいましたすべての皆さまにも、心より御礼申し上げます。
シェア型書店「本の長屋」
東京都杉並区高円寺北3丁目8-13
☆JR高円寺駅北口から仲通り商店街へ徒歩5分
(改札はひとつ。改札出たら左へ。駅を背にして左へ。信号を渡ると目の前が仲通り商店街。細い通りの左側に店)
✦『少女兵士ピチャ』(かこさとこ作、絵/文芸社)をご紹介した際の音声版です。↓