まずは、知床半島沖の観光船の事故についてお見舞いとお悔やみを申し上げます。

 

政府の発表(記事内にあります)通りならば、私は政府が国民を見捨て、メディアはそれを手助けしていると考えます。

海保は救助要請時点で能力的にすぐに現場に行けないとわかっていた、(根拠は政府の説明右矢印のところ)それなのにすぐに自衛隊に派遣要請もせず、海保だけでなんとかしようとして時間ばかりがかかり悲惨な結果になったのです。

 

昔私も知床遊覧船に乗ったことがあります。夏で長袖を着ていても、唇が真っ青、震えるような寒さでした。水に入れば長時間生きられないのは誰でもわかることです。海保も当然知っています

この海保のレポートにはライフジャケットの大切さが書かれていて、こんな記述もあります。

(前略) 北西の風約 12 メートル波の高さ2メートルを超える時化の中、救助を待つことができ、事故者3名は海上保安庁の巡視艇により海中転落から約1時間後に救助されました。

こんな時化でも1時間で現場に行けているのです。

 

奇妙なことに、ヤフコメなどでは「救助が遅い」という書き込みにはブーが大量につけられ、

「救助が遅いことの正当性を説明」にはグッが大量についているようです。

ネット上でも船会社だけが悪いという世論形成がされているという感じがします。

 

もちろん船会社が悪いんです。しかし、どうやったらこのような悲劇が防げるのかを論じなければ進歩がありません。監督も救助の官庁も国交省なのです。問題はあるでしょう。

(韓国ではセウォル号沈没事故で政権与党の支持率が急落しました。だから言論統制?)

 

例えば、山道で飲酒運転の車が事故を起こし人をはねたが通報した。車が動かず救命措置をしながら待っていたが、救急車が3時間後に来たので被害者が亡くなってしまった。

こんな事故があったときに、「加害者が悪い」だけしか言わない人を疑う感覚が必要です。

 

第一管区海上保安本部の地図を見るとこんな感じです。

 

確かに広いですが、あの辺りは日本が統治してないということでもないでしょう。もし、アメリカに言われるままにロシアにケンカを売っている今怖くて近づけないのなら、国民に告知しなくてはいけません。遊覧観光とか出漁してもいいけどロシアが怖いから助けに行けないと。

 

ロシアが無関係なら、海保の救難能力について人員や予算が足りているのか、

自衛隊への要請が遅すぎないか、という議論があってしかるべきです。

自衛隊に頼んでも同じだけ時間がかかるのなら、もっと問題です!

そしてそういう議論をさせない今の風潮が一番の大問題なのです。

 

海保が遅いことについて政府が説明していますので以下の報道から抜粋します。

海保は自分ができない、ならば乗客は助けられない、そこまで理解できていた証拠です。

何が起きたのか? 知床観光船遭難 事故発生からの経緯(NHK 北海道 2022/4/25)

 

《相次ぐ通報 救助求める》

午後1時13分、観光船から無線で連絡を受けた別の運航会社が海上保安庁に救助を要請
「『カシュニの滝』付近で沈みかかっている。浸水している」という内容


午後1時18分、この船から直接「船首が浸水している。エンジンが使えない。救助を頼む」と海上保安庁に118番通報あり


午後2時55分には、観光船の運航会社から「KAZU 1から『船首が30度ほど傾いている』と午後2時ごろの連絡を最後に連絡が途絶えている」と海上保安庁に連絡あり

乗客について、運航会社は海上保安庁に対し、全員救命胴衣を着用していたと説明している

 

《捜索開始 23日は発見に至らず》

磯崎官房副長官は25日午前の記者会見で、「海上保安庁の捜索部隊が現場に到着するまで時間がかかった理由はなぜか」と問われたのに対し・・・

右矢印

午後1時13分ごろに救助要請を受けた。最も近い釧路航空基地所属の回転翼機は当時、哨戒業務中で現場海域が遠方で、つり上げ救助などの活動時間を確保するために燃料を補給する必要があった」


「救助活動を行うための海上保安庁の潜水士を同乗させる必要があったことから、午後2時38分に釧路航空基地へいったん帰投し、給油活動および潜水士を同乗させたのちに午後3時20分に基地を出発し、午後4時30分に現地付近海域に到着した」


また、船による救助について・・・

「航空機と同じく、午後1時22分ごろに道東を管轄する部署に所属する巡視船に対して発動の指示を行った。通常の速力であれば、より早期に現場付近に到着できたと考えられるが、当日、海上が荒天下だったため通常の速力が出せず、最初に到着した巡視船も、午後5時55分に現地付近に到着した。海上が非常に荒天だったことが通常よりも時間がかかった原因だと認識している」
 

午後7時40分、第一管区海上保安本部は航空自衛隊に対し災害派遣を要請し、受理されたということです。(TBS

 

 

同じ記事内に船舶の点検についても書いていました。

【2日前の安全点検では“問題なし”】

網走海上保安署は、遭難事故が起きる2日前の今月21日、観光船「KAZU 1」の安全点検を行い、船体や設備に問題がないと確認していたことを明らかにしました。
これは、網走海上保安署がNHKの取材に対して明らかにしたもので、安全点検は行楽シーズンを前に、海上保安署が働きかけて任意で行ったということです。
今月21日に行われた安全点検には、いまも行方が分からなくなっている豊田徳幸船長(54)が立ち会い、海上保安官が船体に損傷がないかや、救命胴衣が適切に備え付けられているかどうかなどを確認し、特に問題はなかったということです。
一方で、位置情報を見ながら航行するための「GPSプロッター」と呼ばれる機器が船内に搭載されていなかったため、豊田船長に尋ねたところ「船から機器を外して整備している」と答えたということです。
「GPSプロッター」を搭載していなくても法令違反にはなりませんが、海上保安署では、機器を取り付けてもらった上で今月27日に改めて点検を行う予定だったということです。

 

BBCはこう伝えていました。

災害は1つのミスが原因ではない、というのは昔から言われてきたことだが、的を射ている。悲劇が起きるには、いくつかのことが同時にうまくいかなくなる必要がある
北海道・知床半島沖で23日に発生したのは、まさにそうした事態だったとみられる。

(中略)

4月でも海水はまだとても冷たく、水温はわずか数度しかない。

「安全」がほとんど国のモットーになっている日本ならば、極寒の海を航行する旅客船には救命いかだの搭載が義務づけられているはずだと、そう考える人もいるだろう。

だが、そうではない。海岸付近を航行する旅客船に、いかだの搭載は義務とされていない

 

カズ・ワンは、救命胴衣と乗客がつかまる浮き輪だけを積んでいた。4月の北海道沖の凍える海に投げ出されたら、一般的な大人だと1時間も生きていられないと専門家は言う。子どもならば、その時間がさらに短い。

しかし救助は、1時間たっても2時間たっても来なかった。海保のヘリコプターが最初にカシュニの滝に到着したのは、緊急通報の受信から3時間以上たってからだった。

 

北海道の北東部の沿岸は、救助活動の「盲点」とされる。

ヘリコプター基地は最も近くて160キロ離れている。今回の現場の一番近くに配備されていた海保のヘリは23日、別の任務で出払っていた。そのヘリも、いったん基地に戻り、燃料を補給し、それから知床へと北上しなくてはならなかった。現場付近に到着した時点で、日没まで90分しかなかった。

(中略)

複数の重要な疑問に対し、答えが求められている。その中でも特に重要なのが、なぜ経験不足の船長が、安全装備がまったく不十分な危険な状況のなかで、北海道沖の凍てつく海に出ることが許されたのか――という疑問だ。


日本では国民全体の生活向上は政策になりません。

レベルを上げるとついていけない人たちが団体を作り、自公政権に献金、陳情、投票して日本の発展を阻害します。

 

「考える有権者」は相手にされません。なぜかというと、そういう人は騙せないので自公政権は策がないのです。だから、「考える有権者」を無視して、「考えない有権者」に対する選挙買収もどきに走るのです。

そういう層に対してメディアの偏向報道や情報統制が有効なので、彼らに読みやすいネットの言論空間も今後どんどん歪んでいくのでしょう。