5日から7日まで休みがとれた。
UTMFまでの間の最後の連休。
山を長時間走る練習に出ます。
5日は午前中に部活動のサポート。
部活の後少し寝て夜開始にしようかとも思ったけど、レースは朝起きて準備やらがあって昼スタート。
ちょうどいいシミュレーションになるので、部活後そのまま山に入ることにした。
どれくらい眠くならずに走れるかを確認したいので、今回も最低24時間100km程度は走りたい。
できれば仮眠した後どれくらい走れるか、更に2回目の夜に身体がどうなるかを確認しておきたいので6日の夜までは粘りたい。
普段より歩いたり走ったりして慣れ親しんでいる山を結んでのルート作成。
途中、2回街に降りるので必要な補給もできる。
UTMFは飲食物購入も許されているので、それも含めて練習になる。
食べたいものや食べられなくなるものも確認します。
装備した食べ物は、パン、ベビースター、ハッピーターン、柿の種、羊羹、クルミ餅、ドライマンゴー、チョコ、キャラメル、飴、各種ジェル・ゼリー類。
飲み物は、スポドリ、クエン酸飲料、コーラ、経口補水液、麦茶、水を装備。
これらは普段の登山で装備するものが多い品々。
ランプの持ち、GPSウォッチやスマホの電池の持ちも確認します。
まずは先月の100kmトレと同じルートで。
寒山寺駐車場に車を停め、13時スタート。
柚木愛宕神社から登り始めます。
ちょうど桜が見頃。
長い石段で一気に汗が流れ、足はパンパンになる。
今日は高温、強風で、花粉と黄砂に注意との予報。
山道に入る。
明らかに足が重い。
ハセツネ30kの疲労がまだ抜けていないようだ。
こういう所で年を感じる。
装備が重いということもあるが、フラットトレイルでも走ることが辛い。
無理に走ったら身体が復活してくるか、もしくは潰れるか・・・。
後者な気がする。
単独行なので安全第一。
思い切って走ることは諦める。
歩きで行こう。
奥ノ院を参拝。
日の出山へ。
平日午後なので山頂にはハイカーが1名だけ。
御岳山へ。
少し眠い。
半日部活を手伝ってから登山というのは初めてだし、昨夜は断眠だったし。
それも含めて確認しておかないと。
武蔵御嶽神社を参拝。
大岳山へ。
時間的に御岳方面に戻ってくるハイカーと多くすれ違う。
大岳山神社。
岩の多い道を登り山頂へ。
16時45分。
この時間だと山頂は誰も居ない。
走っていないからか、腹が減る。
走ると胃があまり食べ物を受ける付けなくなるが、歩いていれば腹が減る。
パンと塩気のある菓子類を食べる。
スポドリとお茶を飲む。
走っていて胃が何も受け付けないとき頼りになるジェル類は摂りたく無い。
標高も上がり、風も強くなる。
陽が傾き始め少しずつ寒くなる。
上着を1枚羽織り出発。
眠気は無くなった。
御前山を目指します。
多分山頂手前で日没するだろう。
ちなみに今回は新しい靴を試している。
ブルックス一筋で、毎年1足同じモデルを買っているが、日本人対応にサイズ展開を始めた結果自分の足幅であるD幅が店舗から消えた。
D幅がメインのメーカーという理由でブルックスを買い続けてきたのだが。
昨年買ったシューズは既にソールが剥がれはじめている。
お世話になっているお店で相談し、スポルティバの靴を試してみることにした。
フィット感は非常にいいので、大丈夫だろうとは思いながらも、まともな試し履きとしては初。
それが100kmというのはね・・・。
フィット感はいいが、ホールド感が少なく、ある程度ホールド感が欲しい自分には少し頼りない感じがする。
奥多摩の起伏の多い道だからかもしれない。
自分には、この靴は起伏の緩いロングトレイルにちょうどいいような感じかなぁという印象。
そんな感じなので、足にはどうしても余計な力を入れてしまう。
100kmもつかなぁ・・。
何匹かの鹿が道を横切る。
獣が動き出す時間だ。
御前山手前で日没、すぐにヘッドランプを点ける。
御前山。
動くと暑い、止まると寒い。
この時期はこんな感じだ。
スポドリは早くも飲みたくなくなった。
食べ物は相変わらず固形物の方を好んで食べる。
羊羹と麦茶とハッピーターンを摂る。
これだけ食べると、食べ物無くなるかも。
街に降りた補給しよう。
三頭山を目指します。
不慣れな靴でちょくちょくつまずく。
ナイトハイクなので慎重に行かないと。
シューズは前の物より、プロテクトが弱いので躓くとダイレクトな痛みが爪へ。
もともと爪が非常に弱いので、踏ん張ると爪はかなり痛む。
足の筋肉も疲れてきた。
小河内峠を越え、奥多摩周遊道路へ出る。
爪の痛みに足の疲労感。
このまま周遊道路を奥多摩方面に降りればまだバスがあるかもしれない。
このまま周遊道路で五日市まで下っちゃう方が楽だよなぁ。
弱気な自分の誘惑と戦い、なんとかその誘惑を取り払い月夜見山へのトレイルに入る。
鞘口峠から一旦都民の森駐車場へ下りる。
トイレ、自販機があるので少し休憩。
当然この時間は誰もいない。
登り始めは暑く、水分を一気に補給したが、日が傾いてからはあまり摂っていない。
摂取したのは麦茶500ml、スポドリ300ml。
麦茶を買い、ホットのミルクティーを購入して飲む。
ここからはしばらく補給できるところが無いので、水分は多めに持つ。
鞘口峠に戻り、三頭山へ。
登りでバテる。
とりあえず足は止めずに踏ん張る。
雪はすっかりなくなっていた。
結構風が強いので休憩はせず笹尾根へ下ります。
避難小屋を通過。
眠気が強ければ避難小屋で仮眠させてもらおうかと思っていたが、そこまで眠くはない。
先を進みます。
暗い笹尾根を歩く。
三頭山から浅間峠への道は快適に走れる道だが、今日は走れません。
風が強まり、気温が下がり上着を羽織っていても寒い。
走れないからより寒さを感じる。
寒さには強い方ではないので、夜は動き続けないといけない。
足を止めると一気に寒くなる。
たまにある登りがキツイ。
少し眠くなってきた。
浅間峠に東屋があるので、そこでエマージェンシーシートにくるまり、寝袋に入って少し寝ようかな。
浅間峠着。
もの凄く眠いというほどでは無いが、この先屋根があり横になれるところは無いので仮眠をとってみる。
上着の下にフリースを着て、エマージェンシーシートと寝袋(薄手)にくるまり横になる。
その間、GPSウォッチを充電。
横になるとウトウトし始める。
が、寒い。
冷気が寝袋の中に容赦なく入ってくる。
フードを被り、寝袋の中に頭まで潜るが寒い。
結局仮眠はあきらめる。
東屋に付いている温度計の気温は7度。
7度でこの強風なら寒いはずだ。
厚手の寝袋を持ってくればよかった。
コーラを飲んで歩きはじめる。
夜が明けて来た。
陣馬山で日の出かなぁと思っていたが間に合わなそうだ。
生藤山を過ぎたあたりで夜が明ける。
オールナイトハイクは夜明けの時間に毎回睡魔が襲ってくる。
今回も一気に睡魔が襲ってきた。
和田峠を抜け、陣馬山を登っている途中、強烈な睡魔が襲う。
覚醒を保とうと色々なことを考えたり、鼻歌を歌ったりするが、頭が朦朧。
とりあえず山頂まで行こう。
山頂。
日光を浴びるとさっきまでの睡魔が嘘のように消える。
このままどれくらい行けるかな。
富士山見えた。
この先はベンチも茶屋を多い。
気温も上がってくるし、眠くなったら、座って寝ればいい。
ウグイスが鳴いている。
鳴き声はするけどなかなか姿を見ることができないウグイス。
しかし、今回は枝先にとまり鳴いているウグイスの姿が見れた。
そのすぐ先に啄木鳥が木をつつくリズミカルな音。
アカゲラの姿も見る事ができた。
奈良子峠、明王峠を過ぎる。
あちこちにマムシグサ。
不思議と足のだるさが少なくなっている。
身体は本当に不思議だ。
くつも馴染んだのか慣れたのか、あまり不安定な感じが無くなってきた。
前回は高尾山から高尾山口に降りそこから車道で五日市へ行った。
今回は出来れば、南高尾稜線を縦走し高尾駅へ下りようと計画していた。
この感じなら行けるかな。
土曜の朝、早めに動き出しているトレイルランナーと多くすれ違う。
そして次第にハイカーの姿も多くなる。
景信山を抜け、小仏峠、小仏城山へ。
もう茶屋が開いている。
結構お菓子を食べてしまったので、茶屋で食べ物を補給。
名物云々より、エネルギーになるもの。
カレーうどんをいただく。
コーラも1本購入。
10時になる。
この時間でも、もう山頂は沢山の人でにぎわっている。
しっかり食べるとまた動ける。
南高尾稜線を頑張って進もう。
この稜線は、標高はそれほど無いが小さなアップダウンが続き、そこそこキツイ。
大垂水峠へ下り、大洞山へ。
中沢峠を抜け、展望スペースで休憩。
桜が綺麗に咲いている。
ベンチに腰掛け高尾からのルートを検討。
前回はそのまま車道で五日市へ行った。
可能な限りトレイルを進むならば、北高尾稜線を行き黒ドッケから夕焼け小焼けふれあいの里へ抜け、林道を登って、今熊山へ。
これが行ければかなりのトレーニングになるが、北高尾稜線は意外と手強い。
この疲労した身体では厳しいかな。
夕焼け小焼けふれあいの里はハイカーは通り抜けできるが、閉園後は施錠され、門も閉められているので通れるかどうかを把握していない。
今からこのルートで行くと、おそらく閉園前には辿りつけない。
ということで、今回は八王子城址(城山)から陣馬街道へ下り、そこから林道を登って下って五日市へ出るルートにする。
高尾駅方面へ下りる。
小さなアップダウンが足にこたえます。
急な下りは疲れた足だと危険。
ゆっくり慎重に下ります。
13時を過ぎ、高尾駅まで戻ってきた。
コンビニへ入る。
ほとんど食べてしまった、羊羹と塩気あるスナック類を購入。
一方で、だいぶ胃にダメージが出てきているのを感じているので、エネルギーゼリーを購入。
コーラと麦茶を購入。
車道をしばらく進み、八王子城跡へ。
八王子神社手前が陣馬街道への分岐となるが、神社と本丸まで登る。
八王子神社
さらに登って本丸(跡)
来た道を少し戻り、ベンチで休憩。
そして陣馬街道へ抜けるトレイルへ。
陣馬街道を進み、関場から林道へ。
ロードのアップダウンのトレーニングで使う道だが、これだけ疲れた身体だと全く走れないし走る気にもならない。
そして、とてつも無く長く感じる。
登りピーク付近で日没。
GPSウォッチの電池残量が1メモリになっていた。
減りが早いなぁ。
ライトの準備と休憩での飲食の短い間を利用し、モバイルバッテリーで充電。
長い林道の下り。
川沿いの森がガサガサと鳴る。
アナグマが歩いている。
下っている間、何匹ものアナグマを見れた。
GPSウォッチの電池がまた1メモリに。
さっきの充電時間だと短かったかな。
ログを中断すると充電ができる時計であるため、充電するにはログを中断しなくてはならない。
ログを取るために休憩するのもなんだかなぁと思いつつ、飲み食いの休憩のタイミングでログを中断し、充電する。
五日市まで下り、金毘羅尾根で日の出山へ行き、御岳山の参道から御岳駅方面を下り、駐車場まで戻る。
110kmは越えそうだな。
累積標高は7000m位になるかな。
五日市市街に出る。
この先補給できるところは無い。
しかし、水分も食料も残りの道のり分はある。
自販機でホットの甘ったるい缶コーヒーを購入、その場で飲む。
時計を確認。
さっきログを中断してから再開していないことに気づく。
がっかり・・・。
ログを再開する。
さぁ気を取り直して最後の山道だ。
歩きはじめて30時間以上経っている。
2日の夜。
未知の時間だ。
身体がどういった反応をしめすか分からない。
30時間運動すると幻覚が見えるなんて話しも聞く。
さぁどうなるか。
睡魔もきっと襲ってくるだろう。
水分はコーラ中心とし、ジェルはカフェイン入りの物を摂るようにする。
何十回も登り降りしている道だが、何が起こるかわからないので慎重に。
上着を着たが、着ると暑く発汗が増える。
そして眠気が襲う。
上着を脱いで登る。
風が涼しく、この方が眠くならない。
それでも徐々に襲ってくる睡魔。
鼻歌を歌い、コラーを飲み睡魔を振り払う。
森がガサガサ鳴る。
結構大きな音。
鹿かな?
尾根から森を見下ろす。
目がキラリ。
なんだろ?
黒い姿。
熊じゃないよな・・・。
恐怖感がよぎり、眠気吹き飛ぶ。
あ、よかったカモシカだ。
こちらの姿に気づいても逃げることなく、じっとこっちを見つめるカモシカ。
しばらくお互いにらめっこ。
その後、慌てることなくゆっくりと森へ消えていく。
しばらく歩き、また少し眠くなってきたと思ったころに再び森がガサガサ。
そして目がキラリ。
またカモシカ。
大きさと、人を怖がらずじっとこっちを見ている感じは、さっきと同じ個体だろう。
最後の長い長い木階段。
山頂着。
テントが一張。
御岳山へ。
森がまたガサガサ。
そして目がキラリ。
三度こちらを見つめるカモシカさん。
おかげで一番眠いであろう時間帯に眠くならずに済みました。
「ありがとう」
声をかけてみる。
逃げることもなく、こっちを見つめるカモシカ。
こちらが歩きはじめると、ガサガサの森の中へ入っていった。
御岳山の参道下り。
足が痛い。
爪が痛い。
ゆっくりと下ります。
上着を着ていないのでかなり寒さを感じる。
でもこれくらいの寒さだから眠気を抑えられたのかも。
木の上が光っている。
夜行性の動物の目はライトの灯りを反射させ光る。
なんだろ、つづらおりの道をくだりながら光っている所を確認。
「リス・・?」
違うなぁ
「ムササビだ」
このエリアに生息していて、夜にはよく見かけると聞く。
いつかは見たいなぁと思っていたがようやく見ることができた。
滑空してるところを見てみたかったけど、さすがにそう簡単には飛んでくれる訳もなく。
ケーブルカーのレールの所に2匹の鹿。
鉄道の線路によく鹿が出て来て鉄を舐めると聞く。
自分の存在に気づき逃げていく。
一の鳥居までの下り坂を下りきり、駐車場まで。
舗装路のクッションの無さだボロボロの身体を更に痛み付ける。
ようやく駐車場へ。
あ、GPSウォッチの電池が切れてる・・・。
残念。
それにしても電池消耗早いなぁ。
靴を脱いだりしているわずかな時間で、一気に身体が震え出す。
やっぱり寒い中、上着を着ないできたので身体はすっかり冷えた。
眠気対策としてほどよい涼しさはいいが、冷えすぎないようには注意しないといけないな。
足は浮腫んでいる。
爪は両方とも親指の先の辺りが青くなってる。
テーピングを剥がすとかぶれてる。
小さな水疱もいくつか。
部活の手伝いに行く前に巻いたから、約2日。
かぶれるが、まぁこの程度ならよしかな。
右腸脛靭帯は張りと痛みが出ている。
ログが消えていた分を計算すると111.7km。
累積標高は6910m。
走れなかったけど、動き続ける練習にはなった。
持参品の参考にもなった。
沢山の動物に出会えたのもよかった。
来週はお付き合いでフルマラソンを1本走り、あとは疲労抜とします。