保健室経由、かねやま本館。 | じゅげむのブログ

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読書と日々の生活

また出てしまいました。緊急事態宣言。

なんとか踏みとどまって、春が迎えられますように。

 

最近読んだ本。

 

『保健室経由、かねやま本館。』松素めぐり(2020/6/1講談社)

 

第60回講談社児童文学新人賞受賞作。
正直言うと、主人公サーマが仲間はずれになり、兄は不登校にという出だしに、あまり引かれませんでした。親の反応もなにかありきたりで既視感のあるような。
そのサーマが保健室から行ける(!)温泉に。それは、癒やされるしめでたしだろうと、そこまでは予想できましたが、中盤、サーマによく似た女の子、アリが現れるあたりから、俄然おもしろくなりました。
他の人物がなにか作り物っぽく見えるのに、アリにリアリティを感じるのは、二人が似たものであるがゆえに、その深いところまで見通せるような気がするからでしょうか。
別れはありますが、最後はさわやか。あと、おにぎりがおいしそう。