エクササイズが全てを解決はしない!
『大殿筋が強張っているから前屈が出来ないんだよ!』 『では大殿筋を解すエクササイズを教えて下さい。』
『ハムストリングスが固いから膝が伸びないんだよ!』 『じゃあハムストリングスを柔らかくするエクササイズを教えて下さい。』
『筋力が足りないから引き上げが出来ないんだよ!』 『じゃあ筋力アップのエクササイズを教えて下さい。』
筋力や柔軟性に問題があって何かが出来ないと直ぐにそれを解決する為のエクササイズを教えて欲しいという生徒が時々居るのですがエクササイズが何でも叶えてくれる魔法の道具の様に考えて居ませんか?
例えば“ルレヴェ”の為のエクササイズがあるとして、それを練習し続ける事は“ルレヴェ”そのものを練習するよりキツくなるのですが、エクササイズを教えて下さいという生徒はエクササイズの方が楽に練習出来ると勘違いしている場合が殆どです。 フロアバーなんかも普通のバーレッスンの何倍も筋力を使い疲労困憊するので決して楽に出来る様な物では無いのですが簡単にバーレッスンの代わりになると勘違いしている人が非常に多いのです。
また体幹トレーニングと称して色々とエクササイズやっている生徒がレッスンで体幹が強くなっているのを感じた事が私にはありません。 体幹トレーニングをやり続けているダンサーよりレッスンで絶対に体幹を崩さない様に気を付けているダンサーの方が体幹が強い事が殆どなのです。
つまり何でもエクササイズをしていれば強くなる筈、上達する筈と云うのは幻想で、現実逃避でしかないのです。
回り道をしないで!
エクササイズが上達の為に有効な場合もあるでしょうが、大抵の場合はエクササイズと云うのは怪我や筋力不足等で普通のレッスンが出来ない時の代替手段である事が多く、エクササイズそのものがバレエの上達の助けになる事は多くないと思います。
エクササイズに意識を割く位ならレッスンで集中して自分の身体と向き合う方が余程効率が良いのです。 ハムストリングスが固いとか短いと言われたら、どうすれば柔らかく長く使えるかを考え意識して使えば良いのです。
最初から上手く行きませんが、全く違う動作から筋肉の使い方を覚えるより、やりたい動作で直接筋肉の使い方を覚える方が早いし効率的なのです。
常に自らの身体に注意を払い続ける集中力を鍛える為にもエクササイズに頼り切らない様にしましょう!
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