『アウフタクト』が解らない(^_^;)


 私は義務教育以外の音楽教育を受けて来て居ないので音楽用語等に疎いです。 『アウフタクト』と『裏拍』の違いが何か正確に理解していません。

 『アウフAuf』『タクトTakt』と云うドイツ語は普通に使っていたので意味は知っています。 でも『アウフタクト』と云う音楽用語になると「弱拍からのスタートで日本では裏拍と同じになる事が多い」と云う説明もよく理解出来なくて・・・。

 もうこれは実践で音楽家の方に教えて貰うしか理解出来ないかも(^_^;)




 また“バットマンタンデュ”等をやる時に一拍目をつま先を伸ばし切った時に取る、所謂「外アクセント」ですが、これを指示すると生徒から「ではアウフタクトで始めるのですね!」と確認される事があるのですが、これにも「?」と思ってしまいます。


 指示したのはつま先を伸ばし切る時に一拍目(表拍)になる事だけなので、スタートがアウフタクトになるのか、裏拍になるのかは別の話なのですが、多くの人が『“バットマンタンデュ”の時に表拍なら第5ポジションになるのは裏拍になる、第5ポジションが表拍なら“バットマンタンデュ”は裏拍になる』と勝手に思い込んでいますが、本当にそうですか?


 もしこれが正しいとしたら表拍でも裏拍でも脚の動きや速さは全く同じで音楽が無ければ見分けが付かない事になります。

 しかし実際には音楽性のあるダンサーの“バットマンタンデュ”は音楽が無くてもアクセント位置が外なのか中なのかがハッキリと判る様に動いています。


 例えば私なら外アクセントのスタートは裏拍と表拍の中間や更に遅れて表拍ギリギリの瞬間に超高速で脚を動かします。 何故なら脚を伸ばしている形を見ている人には印象付けたいから脚の移動を極力見せたくなく、逆に静止している瞬間をなるべく長く見せたいからです。


 前述の外と中を表拍と裏拍で取っていると脚はずっと動き続けているので脚が伸びた形が印象に残らずに曖昧なままで終わるのです。 勿論、この様な静止せずに動き続ける訓練も、筋肉を引き伸ばしながら脚を動かすと云う意識を身に付ける為に必要なのですが、多くのダンサーはこの様な基礎が意外と出来ないので中途半端な音の聞き方をしているとしか私には思えないのです。





小節が解らない(^_^;)


 音楽の事を生徒と話していたら小節が何処から始まり何処で終わるのか解らなくなりました。


 私は小節とは一拍目から突然始まるのではなく、その前から既に始まっている物と思っていたのですが、生徒の一人が『一拍目から小節が始まる』と言い出して譲らないし、私も専門的に勉強した訳では無いので自信がなく訳が解らなくなりました。


 もし一拍目から小節が始まるなら、何故小節線と一拍目の音符の間に空白があるのか?
 指揮棒を振り下ろしている時、鍵盤を弾こうとしている時は前の小節で、音が奏でられた瞬間が小節の始まりと云う事になるのかな?

 こんな事はあり得ないと私は思うのですが、如何せん知識が無いので生徒が納得する様な論理的な説明が全然出来なくて曖昧なままお茶を濁す様な会話で話を終えたのですが、一体何が正しいのでしょうか?


 バレエを教えているのに、この程度の音楽知識の私が一番悪いのですが、このままでは気持ちが悪いので文さん教えて下さいm(_ _)m






 5月25日㈯に『めるもバレエスタジオ』で私の特別講習会が開催されます。 この機会に是非ご参加下さい。 遠方の方も会員登録の上でライブ配信にご参加頂けます。 今回も質問タイムがありますのでお楽しみに(^_-)-☆

 詳しくは下記のサイトから↓


レッスンは科学です!


 『めるもバレエスタジオ』さんでの講習会の開催まで2週間とちょっとになりましたが、どの様な内容にするかを考えています。


 ブログでも書きましたが、

 先ずYouTube上で誤った“バランセ アントゥールナン”の説明について、実際の動画の何処がどの様に間違っているのか、正しい方法と“バランセ”との整合性について、足の踏み変えがどうして駄目なのかについて、脚を“アンドゥオール”するとはどういう動きなのか、“プリエ、タンデュ”と“バットマンフォンデュ、フラッペ”、また“フェッテ”と“ロンドジャンブ”等の同一性についてを時間の許す限り解説と実践を通して理解して貰います。


 その上でキネシオレッチを行い、そのアンシェヌマンがストレッチなのに体幹トレーニングであり、またレッスンでの身体の使い方と全く同じ事をしていて、本来のバレエストレッチとはどういう物であるのかを経験して頂きます。

 ※キネシオレッチを体験すれば、如何に『ストレッチ禁止』を主張する事が愚かでバレエの事が全く解って居ない者の言動だと理解出来ます。

 そして教えた内容を元にバーレッスンでそれがどう活かされるかを体験して貰いたいと思います。
 キネシオレッチ(ストレッチ訓練)から基礎レッスン、テクニックまでの全てが同一線上の考え方、動き方で統一されており絶対にダブルスタンダード等がバレエでは起こり得ない事が理解出来る様な進め方で行いたいと思います。 かなり頭を使いますし覚えなければならないメカニズムも多いのでメモを取る事をお勧めします。


 バレエの動きとは科学的に解説出来るのでロジカルな思考のレッスンとなる様頑張りますので皆さんお楽しみにしていて下さいね(^_-)-☆


 ※キネシオレッチとは私が考案したレッスン前の身体作りのアンシェヌマンの事です。





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自己責任で選択すべき!


 複数の指導者に習う事に罪悪感を覚える生徒が居るかと思うと他の指導者のレッスンを受ける事を『変な癖が付くから』と禁止する指導者も居ます。

 しかし色々な指導者から教えを受ける事は良くない事なのでしょうか?



 私は色々な価値観の教え方に触れるのは良い事だと思っているので他のスタジオに通う事も何とも思いません。 逆に私がやらない様なアンシェヌマンに挑戦出来るので良い経験になると推奨さえしています。

 例えそれが悪いレッスンであっても、その中で正しい方法論の知識を活かして正しいレッスンが出来る様に工夫する事は正しい知識に基いた基礎レベルを押し上げてくれるので良い結果を生む事にも繋がります。

 所謂反面教師ですね(^_-)-☆



 指導者によって言う事が異なるので混乱すると云う生徒も居ますが、正誤が解らずに惑わされてしまう生徒や間違った方法論を信じてしまう様な生徒だと正しい事を教えられても理解出来ないので、一人に教わろうが複数に教わろうが大差がありません。 それなら楽しくレッスン出来れば良いのでは無いでしょうか?



 他のスタジオとの掛け持ち禁止と云うのは生徒が移籍してスタジオが衰退する事を憂いた先生同士が暗黙の了解として言い出された事だと私は考えます。

 日本はバレエを殆ど知らなくてもバレエ教室を開いて指導が出来る環境なので指導者のレベルも玉石混交、駄目な指導者の下から良い指導者へと生徒が移籍する、または良い指導者でも本格的なレッスンには耐えられない生徒はお遊戯レベルのレッスンのスタジオに移籍してしまうから尤もらしい理由を付けて禁止しないとスタジオの運営が成り立たなくなるから掛け持ち禁止なのでしょう。


 大人バレエ等は特に余暇を使ってレッスンしている訳ですから自分の通い易い時間と場所、そして先生との相性等を天秤に掛けて好きなレッスンを選べば良いと思います。 但し自分のレベルに不釣り合いなクラスを受講して怪我などをしても自己責任だと私は思いますのでクラス選択は慎重に行うべきです。


 ジュニアに関しても、生徒が目指している事がそれぞれ異なりますし、バレエに掛ける熱意も一人一人違います。 レッスンを受ける回数やレベルの開きが大きい生徒を同時に見なければならないのでレッスン内容に不満を持つ生徒も居るでしょう。 保護者が児童の教育内容について、どの様な考えを持っているか、信念の有無と云う要素もあります。
 ですから掛け持ち禁止等と云う下らない事は言わずに自由意志で他のスタジオや指導者に教えを受けられる様になるのが一番良い事だと思います。


 指導者が生徒の人生に責任を持てる訳では無いのですから生徒一人一人の責任において自主的に判断して誰に習うのか、何を習うのかを決めてレッスンする事が生徒の成長を一番促すと思うのです。

 指導者が『誰々先生のレッスンは受けてはダメ』とか『何々はやってはダメ』等と指示するのは一番良くない事だと思います。
 もしダメと言うのであれば理論的な説明が無ければならないでしょう。 例えば『余計な癖がつく』と云うのは説明として具体性が無さ過ぎて笑ってしまいますから説得力がありませんよね。


 昔から『類は友を呼ぶ』と言いますが、聡明な指導者の下には優秀な生徒が集いますし、そうでない指導者の下には凡庸以下の生徒しか集まりません。


 生徒自身に考え、決断させる事が人間としての成長を促すでしょうから、指導者が禁止するのは違うのです。 例えそれが失敗すると分かっていても経験の為にあえて失敗させる事も必要なのですから。









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歩き方が汚いのは何故?


 最近見たいくつかの舞台での感想なのですが『走る姿がガニ股で汚い!』と云うのを先ず最初に感じてしまいました。


 跳ぶ、回転すると云ったテクニックは一生懸命練習しているのでしょうが“歩く・走る”や“着地する”と云った所謂“繋ぎのパ”の練習が疎かなのです。 指導者の意識がその辺りには注がれないのか、ダンサー達が指導者の言う事を聞かないのか、とにかく舞台に出て来て踊り出す前に、その後の踊りのクオリティが伺い知れてしまうのが非常に残念でなりません。 実際に踊り出すと歩き方の汚いダンサーは確りと身体が使えなくて踊りも酷いのです。


 “歩く・走る”が出来ていないと云う事は第5ポジションが出来ていないと云う事なのでバレエの基礎を根底から甘いレベルでしか練習して居ないと云う事が分かってしまいます。

 どんなにテクニックに秀でて居ようとも、歩き方は付け焼き刃では直りません。 基礎力と想像力が問われます。 これは脚が太いとか身体が筋肉質でゴツゴツして見えると云った事にも同じ事が言えます。 本当に正しく基礎を練習していれば筋肉ムキムキには成らない筈なのです。 逆に言えば筋肉ムキムキのダンサーとは力で抑え込む様な踊りをしていて基礎からは外れていると云う事なのです。


 踊る時には脚を“アンドゥオール”させたままで居る事を一生懸命練習しますよね? それは歩く・走る時でも同じですし、テクニック前のプレパラシオンやパの終わりでも同じなのです。 脚のプリエ・タンデュ・アンドゥオールを一歩一歩、前脚も後脚も脳天からつま先まで全てに意識を持って動かなければ簡単に“ウチマタ・ガニ股”になってしまいます。


 跳躍等でも空中で脚がタンデュ出来て居ない、踏み切り脚が足の裏まで使われていない、体幹が保てて居ない等、山程の問題を抱えたまま舞台に立っているダンサーを見ると『もっと正しい指導を受けるべき』だと思ってしまいます。 勿論、作品を作る為には時間的な制約から基礎訓練に割く時間が限られていると云う事情もあるでしょうが、指導者の指導力に問題がある場合も屡々だと思うのです。





細かい所まで見落とさない集中力!


 美しい踊りとは教科書通りの動きをベースに観客にアピール出来る様にポジション等を整えて、それを滑らかに正確に行う事です。

 ですから基本的に左右を対象動かせる様に意識していますが、多くのダンサーは『つま先を伸ばして!』と云う注意に対して右足は反応しても左足は伸びていないと云う様な左右非対称に全く気が付かずに踊っているいるのです。

 指導者でさえ右足が伸びているのを見たら『全て伸びている』と思い込んで左足が曲がっていても気付かない人が多いので、その様な見落としをしていると踊り(または指導)のクオリティは下がり、テクニックも雑になるか全然出来なくなります。

 “アッサンブレ”や“ジェッテ”では振り上げる脚は伸びても踏み切り足が確りと働いている日本人ダンサーを見る事の方が私は少ないのですが、それでも私が注意すると皆出来るので、これは意識の問題なのです。

 これらはバレエ教室で普段から確りと意識すべき事を教えられて訓練されて居れば起こり得ない事だと思います。 要するに指導者達がこう云う事を見落としているか、若しくは全然見えていない事が生徒達の踊りを駄目にしているのです。



 踊りの全ての場面において指導者、ダンサーは見落とし、若しくは見えていない事が多過ぎるので、もっと細かい所まで全てを把握出来る様に見る目を養う訓練をすべきです。

 特にパドゥドゥは見ただけで問題点が解らなければ指導出来ない筈なのですが、そのレベルに達して居ないのに間違った指導をする指導者が多いので、もっと勉強して欲しいですね。

 完璧でなくとも完璧を目指して常に意識を高く持って踊る姿勢のダンサーはとても力強く、そしてエレガントに見えます。 それはコンテンポラリーを踊る時だって同じです。 その様な踊り手になる、育てられる為に頑張りましょう。








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周りの見えない大人には成らないで!


 今日はちょっと大人バレエに苦言なのですが・・・

 先日あるレンタルスタジオでレッスンした時の事です。


 スタジオが複数あるスタジオでしたのでレッスン前に入室待ちの大人バレエの人達が廊下で世間話をしたりストレッチをしたりしていたのですが、その話し声が思いのほか大きく、周りの迷惑になっているにも関わらず指導者とおぼしき人まで一緒になって話し込んでいて・・・

挙句の果てにはチュチュの背中が全開のままの人まで居たのです。 レオタードを下に着ていた訳でもなく部外者がいる廊下でですよ。 第三者がいる、いわば公共の場で衣裳の背中がはだけた状態で平気な顔して世間話に講じている等、私には想像を絶する世界が広がっていて仰天しました。

 例えばホテルのロビーや廊下でその様な言動が出来ますか?


 プロダンサーの世界では絶対にこの様な下品な行動は慎みますし、この様な行動をするダンサーが居たら軽蔑されるでしょう。 バレエ団の建物内や衣裳合わせの時なら百歩譲って許せますが、それでも異性もいる空間で衣裳がはだけたままで居られる様なダンサーは皆無だと思います。


 私が目撃したのはちょっと特殊な人達なのかも知れませんが、もし一般の人の目に触れる様な場所で同じ様な事をする人達が居ればバレリーナに対する世間の印象が悪くなる事は間違いありません。

 女性が大多数の世界ですから女子校の様なノリになるのかも知れませんが、いい大人が浮かれ過ぎて周りが見えなくなる様な事が無いように自戒して頂きたいです。


 周りへの配慮を忘れずに常に謙虚で居たいですね。








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バーに全面的に頼る時もある!


 バーレッスンをしていると『バーに掴まらないで!』と必ず注意されるのでバーには絶対に頼っては駄目だと思う方も多いと思います。

 勿論それはその通りなのですが、バーに頼らなければならない場合もあると云う事を今日はお伝えしたいと思います。



 ではバーに頼る時とはどんな時なのでしょうか?



 例えば、両手バーで“シャンジュマンドゥピエ”等の跳躍系のテクニックを練習する時や“バランス”の練習等の時です。


 何故バーに頼るのかと云うと腕を正しく使ってバーを押す事で体幹側の筋肉、特に前鋸筋付近を働かせて体幹を引き伸ばして強く保つ為と腰を持ち上げる感覚や空中で静止する感覚を養う為です。

 この練習により跳躍では脚をどんなに動かしても体幹が崩れる事無く安定しますし、“アラベスクやアティテュード”等のバランスでも安定感が増します。


 しかし勘違いしないで下さい。 ここで言う『頼る』は体重をバーに掛けると云う事ではありません。 あくまでも『正しくバーを持ち、腕の筋肉を使う』と云う事なので体幹を崩す様な体重の掛け方は厳禁です。 つまり正しいバーの持ち方と腕の筋肉の使い方と云うのがあるのです。


 この様な手のひらと腕の使い方は“パドゥドゥ”では必須の技術で男女共に身に付けている事が好ましいですが、男性が技術に秀でていると基礎が不安定な女性の足りない部分を補って、ある程度踊らせて上げる事が出来るので女性側が『一人では踊れないけどパドゥドゥなら踊れる!』と云う勘違いを生む事にもなり兼ねないのです。

 でも、それは錯覚ですので、本当に踊りが上手くなりたかったら支えて貰うのでは無く自分自身が正しく動く為のロジックを理解して練習しなければならないのです。 女性が正しく出来た上で男性の助けがあれば相乗効果で本当に美しいパドゥドゥが踊れる様になります。

 男性だけが上手では一方通行のサポートになり介護の様な踊りになるので気を付けたいですね。 またプロの男性もサポートが未熟な人はとても多いので自分のテクニックを過信せずに常に上手な人から学んで行く姿勢を見せて下さい。 その姿勢があれば必ず教えてくれる人が現れて自分の技術を高めて行けますから。

 





バーの押し方はプリエで床を押すのと一緒!


 さて『バーに頼る』と言っても闇雲に荷重を掛ける訳ではありません。 先程も書いた通り先ず大切なのはバーの持ち方と腕の使い方です。


 バーは手のひらで優しく包み込む様に密着させて隙間が出来ない様にします。 これは“プリエ”の足の裏で床を掴むのと全く同じ事ですよね。 力任せにバーを掴むと手のひらがバーに密着せず力が有効に使えませんし繊細なコントロールも出来ません。



 次にバーには常に一定の力を掛け続ける事が基本です。 身体を押し上げる時も降りて来る時も床で静止している時もバーに掛かる圧力は一定のままにします。

 『降りて来る時はバーを押さなくても良い』と考える人も居るかも知れませんが、降りて来る時にバーを押す事が身体を引き上げて、柔らかく着地する為のコントロールとなり次の動きへの準備ともなるので、重力に任せて落ちて来る自由落下をしては次の動きに繋がらずスムースな踊りにはならなくなるのです。

 また静止している時もバーを押しているのは、何時でもバーを押せる様に準備して置く為です。 脱力状態から急にバーを押して身体を持ち上げるのは絶対に無理なので、予め備えて置かねばならないのです。

(ですからリフトが上手く出来ないと云うのは男女共にこれが出来ていないからです)


 これらを全て正しく行うと『これ(腕の使い方)はプリエだ!』と云う事が理解出来る筈です。 床を押す時の脚の使い方とバーを押す時の腕の使い方が全く同じで、引き伸ばし方だけでなく動かし方でも脚と腕は同じ感覚なのでレッスンの時に腕の意識が希薄なダンサーは脚の使い方も正しくは無いと言えるのではないかと思います。




 『バーに頼らないで!』と云う注意は自立が出来ていないダンサーへの物で『バーに頼って!』と云う注意は自立した上で更に身体を引き上げ体幹を強くする為の物だと思って下さい。


 正しいバーへの頼り方を身に付けてバーに寄り掛かるリハビリ状態にならない様なイメージで毎回レッスンしましょうね(^_-)-☆







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ロジックが成り立つ事を確認してから公開しなければ!


 YouTubeで“バランセアントゥールナン”と検索してみたら10件程の解説動画が出て来たので全て見てみたのですが、ものの見事に全員が間違った動きと解説をしていて愕然としました。

 壊滅的なのは“パ”そのものが間違っている事と音取りが無茶苦茶な事です。

 回らない普通の“バランセ”との整合性も無ければ、“バランセ”特有の振り子運動も無く、時々つま先を伸ばして見せただけで、殆どつま先も膝も伸ばさないまま動くとか、一番酷いのは逆足から動き始めている事・・・、つまりロジックが成り立って居なかったのです。



 YouTubeで指導者として『解説します!』と銘打って動画を公開していれば素人(生徒)はおろか、レベルの低い指導者まで『これが正しい』と信じてしまうでしょうから、これは罪深い行為だと思うのですが、皆さんはどう思いますか?


 当事者達は『正しい事を広めなければ!』と云う気持ちで居る事は分かりますが、普段自分が何気なくやっている事が「本当に正しい事なのか?」「それが観客からは美しく見えるのか?」「同系統の“パ”と整合性があるか?(違う動きをしていないか?)」「音と動きが合っているか?」等を多角的に検証して行き、誰が何処からどう見ても破綻の無いロジックが成り立って居なければ、それは正しい事とは認め難く、本来なら曖昧な知識の物は他人に堂々と教える等恥ずかしくて出来ない筈なのです。


 この点でYouTubeにバレエのパの解説動画をアップしている人達は思慮が浅はかな人が多い印象を受けてしまいました。 もっと厳しく言ってしまうと、この様な間違った認識では指導者ではなく生徒レベルです。
 情報を受け取る方も指導者の言う事だからと鵜呑みにせず情報を精査する姿勢が無いといけませんね。
 生徒にも一人一人大きなレベル差がある様に指導者達のレベル差も大きいのですから、全員が一律で正しい事を教えられる訳では無いと云う当たり前の事に気付かなければ間違った事でも無條件で信じてしまいますから。 勿論、自分の知っている智識と違うからといって論理的裏付けも無く指導者の言う事を否定する事も頭の良い人の思考では無いので気を付けて欲しいと思います。




“バランセ”のロジック!


 “バランセアントゥールナン”とは“バランセ(スイング)”をしながら“アントゥールナン(回って行く)”すると云う物ですので、先ずは“バランセ”の型が崩れたら駄目だと云う事は分かりますよね。


 では“バランセ”をする時に普通は最初に身体を上に引き上げてから進行方向側の脚を大きく外に出して腰が放物線を描く様にトンベしますよね。 その後に二の脚を引き寄せてから反対側の動きに繋げて行くのですが、これで腰は8の字を描く様に動くのです。

 これは横への“バランセ”でも前後の“バランセ”でも同じです。

 音取りも足が床に付く瞬間にアクセントが来る様にするので必ず足で3度床を踏んでアクセントを取るから“バランセ”は三拍子の動きなのです。(※三歩目をハッキリと踏まない事もあります)




 YouTubeでの“バランセアントゥールナン”解説の最大の間違いは『身体を引き上げて最初の脚を大きく出す!』が出来ていない所です。 YouTubeでは大きく出すどころか出した脚を全員が引っ込めていたのです。 その為に本当ならカウントで1と2の間に来る筈の二の脚の“タンデュ”がズレて1の位置に来てしまい、その後は“パ”も音も全てが外れてしまうと云う事に。

 身体の向きを変えるタイミングも最初の三歩では身体の向きは表向きのままで、次の三歩の時に一歩ずつ90度、90度.180度と向きを変えて行きます。
 向きを変える時も“エカルテ”、“クロワゼデリエール”、“クロワゼドゥヴァンのトンベ”と一歩ずつ身体の向きに気を付けて観客からは常に美しい形が見える様に意識します。 勿論踵が後に引けてウチマタに見えない様に意識する事も当たり前です。

 またトンベの後に“バットマンタンデュ”をするのは単なる一形態で、そこが“クドゥピエ”であっても“バランセアントゥールナン”は成り立ちます。

 “バランセ”とは基本的に振り子運動をする物であり、往復する時は腰が8の字を描きます。 
 しかし“アントゥールナン”は腰が波打つ様に進んで行きます。 これは8の字を展開して見れば分かります。
 『∞』が展開されると腰の動きは『~~』上下上下となります。
 これら“バランセ”のロジックに矛盾しない様に“バランセアントゥールナン”は練習して行く事が大切なのです。

 最後にプロや指導者の方に言いたいのですが、どんな“パ”であろうと習ったままをやるだけではその“パ”は洗練されて行きませんし、他人に教える事は出来ません。 必ず自分自身で『より美しく、よりハッキリと』動ける様に考えてダブルスタンダードにならない様に気を付けて下さい。 そんな安易には正しい踊り方は身に付かないのですから。







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『魔法はイメージの世界だよ!』


 先日放送していたアニメ『葬送のフリーレン』の中で度々出て来た台詞がこの『魔法はイメージの世界だよ!』です。



 作中では自分でイメージ出来ない魔法は使えないそうなのですが、この台詞を聞いた時に私の脳内で鳴り響いた言葉が『バレエはイメージの世界だよ(^_-)-☆』でした。




 基礎的な動きにしろ、超難関なテクニックにしろ出来るイメージの無い動きが実現不可能なのはバレエでも同じ事なのです。

 細かい身体のコントロールとかも予め脳内でイメージして、各部の動きの連携やタイミング等が合っているか体幹を崩す事が無いかを動く前に脳内でチェックしてみるのです。 脳内でそれが上手く行けば次は実践です。

 実際に動いてみて、イメージ通りに動けるか、または動ける様に訓練をし、もしイメージが間違っていれば修正して、またその通りに動いてみるといった事の積み重ねが同じ事を反復して練習する事となり動きが洗練されて行き美しい踊りへと繋がって行くのです。


 何のイメージも無いまま取りあえず動いても、正しい動き方を再現する事は出来ませんし、毎回違う身体の使い方をしていては動きが安定しませんし筋肉も縮こまって太く短い身体へと育ってしまいます。


 脳内で正しい動きをイメージ出来るか否かが正しく踊れるかどうかを左右していると言っても過言ではありません。

 ですから考えるのが苦手とか同じ事をコツコツやるのは飽きる、とにかく何も考えずに動くのが好きといった人は安定して踊る事が出来ません。
 やはり身体の動きをイメージ出来る明晰な頭脳が無いと駄目なのです。


 ヴァリアシオン等を練習する時は必ず最初から最後まで止まらずに踊り切る事をイメージする事、特にパとパの繋ぎが上手く出来るかが重要なので、パが上手く繋がる様な動きをイメージ出来る様に脳内訓練をしましょうね。







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運動神経ではなく頭脳で踊る!


 バレrinaさんのブログからの引用ですが、『バレリーナに運動神経は必要ない!』とは本当にその通りだと思います。

 私個人としても球技や道具を使った競技全般は苦手でしたし、自転車を漕ぐのはバレエではあまり使わない筋肉を使うので直ぐに疲れてしまいます。

 知り合いには自転車に乗っていて上手く運転出来ずに側溝に落ちたと云う人も居ますが、そんな人でもバレエでは上手なんですよね。 そして、そう云う話は枚挙に暇がありません。


 逆に体育は得意で運動神経は抜群なのにバレエでは全然上手くならない人も結構居るんです。 テクニックは一通りこなしても目茶苦茶なのは上手いとは言えないですしね、


 また一般の人からは『バレエをやっている=身体が柔らかい、運動神経が良い』と云う様な印象らしいですが、我々からしたら全然当てはまりませんよね(笑)


 だってバレエをやっても身体は柔らかくはなりませんし運動神経も良くなりません。 バレエを踊る為に努力して身体をほぐしているから柔らかいのであって生まれつき柔らかい訳ではないのです。 もし努力しても柔らかくならないと言うなら、それは単に努力が全然足りないだけです。 脚を伸ばすとか美しく動くとかも運動神経とは関係がなく意識して気を付けると云う努力です。


 例えば跳躍では高く跳ぶ事や沢山回転する、脚を広げる事が目的ではなく、空中での美しいポジションを見せたり、決められたポジションへ音もなく着地する事を目指しています。 スポーツならば着地で大きな音が鳴っても気にされませんがバレエでは着地で地響きを立てる等は言語道断ですから、その辺りはスポーツとバレエの大きな違いですね。



 私はバレエが上手になる為に必要なのは明晰な頭脳と根気強さと素直さだけだと思います。

 明晰な頭脳と根気があれば何か出来ない事があっても何が足りないのか、何をすべきなのかを考えて必要な事を自ら行う事が出来ます。 柔軟性が足りなければ必要なストレッチを十分な柔軟性が得られるまでするでしょうし、筋力不足なら確りと筋肉を引き伸ばして使う訓練を十分な筋力が付くまで毎日でも続けられるでしょう。 素直であれば新しい事を習った時に、例えそれが今までやって来た事と正反対だったとしても直ぐに受け入れて自分の物とする事が出来ます。

 これとは逆にバレエの基礎理論をわかり易く説明して上げても頭で理解出来ない様だと、どれだけ運動神経が良かろうと上手く踊れる様にはなりません。



 だから正しく美しく踊るのに運動神経より頭の良さの方が大事なんです。 頭が良ければ無駄な事に時間は割かずに必要な事だけ努力します。 だから早く上達するし目標を目指して頑張るのでコツコツした努力も苦にならないのです。 根性が必要となれば根性がを出すし、筋トレが必要ならば筋トレする、食生活を改善する必要があるなら、それを確実にやると云うのは頭が良ければ計画を立てて苦も無く出来る筈です。
 我武者羅に猪突猛進せずに確りと考えて聡明にバレエを上達して行きましょう。








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基礎とメソードは別物!


 『ロジック』(論理、法則、系統だった筋道)

 立つ、歩く、跳ぶ、回る、静止する、踊りでもスポーツでも何をするにしてもロジックがありますが、何故ロジックが必要なのでしょうか?





 それは毎回同じ動きを確実に再現させる為です。





 例えば“ピルエット”を一回転、二回転、三回転、四回転と自ら回転数と回転速度をコントロール出来るのはロジックに則って身体を動かした結果なのです。


 バレエのロジックに則って身体を動かす為の方法が“アンドゥオール”や“引き上げ”、関節の“プリエ”等であり、バレエの基礎とは身体を効率的に動かす為のロジックに従って作られたと言っても過言では無いでしょう。

 ですから基礎とは運動音痴の人でも、それに従えばバレエが踊れる様になる道具なのです。


 よく混同されますが基礎とメソードは意味が異なっていて、基礎とは全てのメソードに共通なモノで、メソードとは踊りの表現の仕方なのです。 つまり振付の土台にはメソードがあり、そのメソードの土台が基礎なのです。 また異なるメソードで踊ろうとしても、それは元の振付とは違う物になってしまいます。 だからヴァリアシオンはメソードをごちゃ混ぜにせずに正しく学び身に付ける必要があると言われるのです。


 しかしメソードの土台である基礎が確りと身に付いて居れば異なるメソードでも少しメソードを学べは対応が出来るのですが、最近はメソードと基礎の違いを認識せずに学んだダンサー、指導者が多く基礎レベルが低いまま活動している為にヴァリアシオン指導等で目茶苦茶なアレンジが起こる事が多くなっています。





骨盤の移動は難しい!


 身体を動かす際はロジカルな考え方をしなければ、直ぐに体幹は崩れてしまいます。


 例えば第5ポジションから前に“バットマンタンデュ”して第4ポジションに移行する時の事を考えてみましょう。


 第5ポジションから第4ポジションへの移行で問題となるのは骨盤の崩れです。 骨盤が崩れとは、骨盤の前後傾と骨盤の左右が対称位置から外れる事の二点です。

 骨盤の崩れが起きない様に動くには以下の通りの意識で行います。




 『先ず前後にバットマンタンデュ”をする時点で出す脚に引き摺られて骨盤の崩れは起こります。 骨盤が脚に引っ張られない様に、脚を動かす時は踵と小転子が引っ張り合って居て、骨盤とは切り離して考えなければなりません。

 次に骨盤の移動では軸脚側の小転子が動脚側の踵と一緒に移動する事で骨盤の左右位置が対称のままで骨盤を移動させる事が出来ます。

 最後に骨盤は常に垂直を保たねばなりませんが、この時に腸腰筋群等の柔軟性の不足から骨盤が後ろ脚に引っ張られて前傾が起きやすいので坐骨を前に押し出す様なコントロールで腸腰筋群を引き伸ばして垂直を保つ必要があります。

 更に両脚は確りと張って膝関節等に緩みが出ない様にアンドゥオールを意識し、全身も引き伸ばし(引き上げ)ながら行わなければなりません。』




 骨盤を移動させる(ポジションチェンジ)とはこれだけの動作を意識しながら行うのです。 この全ての動きを完璧に、それも一瞬の内に行うのは至難の業ですよね? 実際に私でも物凄く慎重に骨盤の移動を行っていますし時間を掛けています。 ストレッチ等のウォームアップ無しにこれを行う事も私には不可能です。

 全身を引っ張り続けているので力も必要ですし意識を集中して疲れます。


 さて、これだけの動作をしていながら、その後に脚を踏み変える事が可能でしょうか? と云うか必要ですか? それが美しいのでしょうか?


 本当に基礎通りのロジカルな動きをしたら踏み変えは絶対に不可能なのです。



 最近ブログで話題に上がった“踏み変え問題”ですが、良い悪い、正しい誤っていると云う問題ではなく実際問題として踏み変えを行う事は

  不可能なのです。



 つまり両脚の踏み変えを教えている指導者はバレエの基礎を理解しておらず、指導としてはまだまだ半人前と言えます。

 ここまで言い切ると反発を受けそうですが、そう云う方は踏み変えを行わなければならないロジックを説明すれば良いのです。 因みに『バーからの距離が・・・』と云うのは合理的な理由にはなりません。

 それはバーレッスンとは自分の脚で自立して行う物でバーに頼らなければ立てない様なレッスンではバーレッスンとは呼べないからです。 またセンターでやらない様な事はバーレッスンでもやっては駄目なのです。



 踏み変えについて合理的なロジックがある方はコメント下さい。 皆さんと検証しますので(^_-)-☆







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