“前屈”とは二つ折りになる事!


 “前屈”はバレエを踊っていて絶対に避けて通れない動きですが正しく理解して動けているでしょうか?


 多くのダンサーが前屈をする時に頭を前に出して行きますが、これは正しくありません。

 何故なら“前屈”とは股関節から身体を二つ折りにする事だからです。
 「身体を二つ折りにする」と云う事は、曲がる関節は股関節だけで、脚も体幹(上半身)も真っ直ぐの状態で無ければなりません。 もし頭を前に出すと背中が丸くなり、真っ直ぐを保てません。 また背中を丸くすると骨盤は後傾して行くので、股関節が曲がる方向ではなく伸びる方向に動いてしまいます。

 ですから多くのダンサーがやっている「脚に頭を付けようとする」のは背中を丸くして骨盤を起こし前屈とは逆の動きをしている事になるのです。

 ここの理解が出来ていないダンサーが多いので「“前屈”は頭を前に出す」と云う誤った認識が広まってしまうのだと思います。





お尻を引くのが最善!


 正しく“前屈”をするには「お尻を後ろに引く」のが最善の意識です。 身体を二つ折りにする起点となるのは股関節ですからお尻を後ろに引っ張る事で股関節が曲がり、お尻と踵が引っ張り合い、お尻と頭も引っ張り合うと云う関係性が築けます。 これにより股関節だけが曲がり、脚と上半身は伸び続ける事が出来るのです。


 バレエの動きとは突き詰めると意外に単純で決して難しい物ではありません。 ただ「こう云う物だ!」と云う固定概念が正しい概念を覆い隠してしまう事が多いだけなのです。

 だから固定概念に囚われず正しい概念を見付けられる様に柔軟な頭を育てて上げる事が重要なのです。