色々、ネット見ていたら

「呼吸を助ける筋肉のストレッチ」なるものがあり

覚え書きとして ここに置いておく。

http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2014/11/18/01.html

初級編 横隔膜をフル活用した腹式呼吸

横隔膜を自由自在にコントロールする達人、声楽家の管井秀憲さんに横隔膜をフル活用した腹式呼吸を教わりました。

まず教えていただいたのは、横隔膜を動かして腹式呼吸をする感覚をつかむのに役立つ、イスに座り、時間を決めて息を吐くトレーニングです。

目標時間を決めて腹式呼吸をする

イスに座り、床に時計を置きます。
10秒吸って、10秒吐いて、10秒楽な呼吸で休む。それを3分間繰り返します。

呼吸のポイント
1.口の形は、うどんを1本吸うような形にする。
→口を細くすぼめて、少しずつ息を吸うことで横隔膜に負荷をかけます。
2.息を入れる場所を意識する。
→おへそから3センチ下の辺りを中心に膨らませます。

このとき、ドローインをするときに活躍するおなかの筋肉、腹横筋で横隔膜を動かします。
おなか(腹横筋)を緩めると横隔膜が下がり、たっぷりと息を吸うことができます。
おなか(腹横筋)を引っ込めると横隔膜が上がり、息をしっかりと吐くことができます。

次に立った状態での、横隔膜を使った腹式呼吸のトレーニングを教わりました。

太もも上げで腹式呼吸をする

太ももを上げることで、腹式呼吸がしやすくなります。
太ももを高く上げておなかを圧迫し、かつ、このとき、自然と腹横筋が縮まるため、横隔膜が押し上げられ、息をしっかりと吐けるようになります。
太ももを上げるときに息を吐き、太ももを下ろすときに息を吸います。
歩くときにも太ももを高く上げると、同様の横隔膜のトレーニングになります。

※太ももを上げる腹式呼吸は、腹圧がかかるため、妊娠中の方は行わないでください。

管井さんワンポイントアドバイス
横隔膜を使って腹式呼吸ができているか、発声で確認するとき、口の形を「お」にすることがオススメです。
口と肺をつなぐ気道の形と「お」の形が似ているので、抵抗が少なく、吸い込んだ空気をむだなく、楽に出すことができます。

<取材協力>
管井秀憲さん(声楽家・ボイストレーナー)

中級編 胸まわりの筋肉のストレッチ

フラメンコダンサーの加藤美香さんは、激しい踊りのあとでも、息があがって肩が上下に動くことがほとんどありません。その秘けつは、胸まわりの筋肉が動きやすいように、ストレッチをしていることだといいます。
横隔膜や肺はろっ骨の内側で動きます。そのため、胸まわりの筋肉が硬いとろっ骨の動きが小さくなり、横隔膜や肺の動きが制限されて呼吸が浅くなってしまいます。
名古屋大学の石田浩司教授の研究室では、平均20歳の男性9人で、息を吐き切った状態で胸まわりを固定し、肋骨が広がらないようにして、軽いジョギング程度の運動を15分するという実験を行いました。その結果、1回に呼吸できる空気の量は、常に、固定しないときの8割程度に留まり、息苦しく感じることがわかりました。
深い呼吸をするためには、胸まわりの筋肉を柔らかくすることが大切なのです。

1.ろっ骨の間にある筋肉ストレッチ(1)

ろっ骨の間にある筋肉を「斜め前」に伸ばすストレッチです。
左右の手のひらをひじが前に向くように、ろっ骨の下側にあてがいます。
手で抵抗をかけながら、ろっ骨の下側が広がるイメージで、鼻から息を吸います。
続いて、ろっ骨を手で押し込むようにしながら、息を吐き、最後まで吐ききったと思ったあと、もう一息、手でろっ骨を押し込むようにします。
これで、ろっ骨の間にある筋肉を伸び縮みさせます。

2.ろっ骨の間にある筋肉ストレッチ(2)

ろっ骨の間にある筋肉を「縦」に伸ばすストレッチです。
ひじは曲げずに頭の上で手を組み、ろっ骨の間の筋肉を縦に伸ばすように、左右に体を倒します。
体を倒したところで、息を吸って吐くようにします。

3.胸の筋肉(大胸筋)のストレッチ

ろっ骨の上を覆う胸の筋肉(大胸筋)を伸ばすストレッチです。
手を後ろに組み、肩甲骨をできる限り寄せながら手を下の方に伸ばし、胸を反らします。
胸をできるだけ反らしたところで、息を吸って吐きます。

4.背中の筋肉(僧帽筋)のストレッチ

ろっ骨の上を覆う背中の筋肉(僧帽筋)を伸ばすストレッチです。
ひざを軽く曲げて立ち、左右の手を軽く組み、できる限り、前に出します。
おへそを見るように下を向き、首から背中にかけての筋肉をしっかりと伸ばします。
背中を伸ばしきったところで、息を吸って吐きます。

1~4のストレッチ効果をまとめて期待できる 「象の鼻」の“ブラブラストレッチ”

象の鼻のように腕をブラブラさせたストレッチで肩と胸周りの筋肉を広範囲に伸ばすストレッチです。
ひじを曲げず、腕を伸ばして左右に大きく振り子運動させます。
ろっ骨の間の筋肉と、大胸筋、僧帽筋を伸ばす効果が期待されます。
ポイントは、胸を張り、ひじを曲げずに腕を重さを十分に使うことです。
体の内(前)側に振るときは、肩を内側に入れて背中の筋肉を伸ばします。
反対に、体の外側に向かって振るときは胸を伸ばすようにして、腕が斜め45度まで上がったところで、息を吸いながら手を上にしてわき腹を伸ばします。

加藤さんのワンポイントアドバイス
ストレッチを始める前に胸まわりの筋肉を、手を開いて親指の付け根でほぐすと筋肉が伸びやすくなるといいます。

<胸まわりの硬さと呼吸に関する実験 画像提供 協力>
石田浩司さん(名古屋大学 総合保健体育科学センター 教授)

<取材協力>
加藤美香さん(フラメンコ舞踊家)
フラメンコ教室「アルバフラメンコ」(東京都港区赤坂)

上級編 “究極のドローイン”

俳優や画家として活躍する片岡鶴太郎さん。その活力の源は、毎朝行うヨガの呼吸法にあると言います。その方法は、鼻から息をする腹式呼吸。おなかを引き込むドローインと併せて行っているのがポイントです。下腹から空気を絞り出すように、横隔膜を動かして息を吐き出します。
鼻呼吸にもポイントがありました。まずはじめにゆっくりとした呼吸をするのですが、そのとき、片方の鼻で吸い、逆側で吐くという方法をとります。片方の鼻で呼吸をすると、空気の通り道が狭くなります。そうすると、気道や肺の空気の通り道が狭まりにくくなるため、しっかりと肺の中からむだなく空気を吐き出すことができます。また、吐くときは、おなかの筋肉(腹横筋)を使って横隔膜を押し上げるために腹横筋を鍛えることになり、吸うときは横隔膜を強く押し上げなくてはならないため、横隔膜に負荷がかかり、それぞれのトレーニングになります。
さらに、両方の鼻で、速いテンポで“究極のドローイン”をすると、瞬間的に強い力が横隔膜にかかるため、強度の強い“横隔膜トレーニング”になります。
鶴太郎さんは、この呼吸方法を2年前に始めてから、もともとアスリート体型だったにもかかわらず、体重が2キロ減ったといいます。
そんな鶴太郎さんに一般向けのオススメ横隔膜トレーニングを教えてもらいました。

片鼻呼吸

イスに座っておなかに力が入らない姿勢になります。
片鼻でゆっくり息を吸って少し止め、逆側の鼻で息を吐きます。これを繰り返します。
脳に酸素を行き渡らせるイメージで、深く息を吸って吐き、左右両方ともしっかり息が通るようにします。

おなかを引き込みながら両鼻で呼吸

イスに座って、少し前屈みになり、おなかの表面(腹直筋)に力が入らない姿勢になります。そして、おへその下からおなかをぐっと引き込み、その勢いで息を吐きます。強く吐く分、吸いこむ力も強くなるため、横隔膜への負荷が大きくなります。
さらに速い テンポで呼吸を行うと、瞬間的に、さらに大きな力が横隔膜にかかり、強度の高いトレーニングになります。テンポが速いほど、瞬間的に横隔膜にかかる負荷が大きくなるので、短時間で何度も繰り返すことによりトレーニングの効果が高まります。
※テンポを速くした鼻呼吸は腹圧がかかるため、妊娠中の方は行わないでください。

<取材協力>