素晴らしい冬晴れの1日。
今日はしめ縄を作りに行ってきました。

(葉山~秋谷の車窓!冬の澄んだ海がキラキラ)

日本の文化、歳時記研究家の
広田千悦子先生が主催する
「季節のしつらい講座」
神奈川県秋谷のスタジオは
ひっそりと山の中にある古民家。
まるでタイムスリップしたかのような
特別な空間です。

(ここが入口。うっかりしてたら通りすぎそう)


10月に重陽の節句のしつらえ講座に
お邪魔して以来の2度目の訪問。
しめ縄を自分で作るなんてと
何ヵ月も前からとても楽しみにしていました。

まずはお正月についての簡単な座学から。
(お正月ってお祭りだったんですね)

今は新暦(太陽暦)のお正月なので、極寒の中で迎えるわけですが、明治になるまでは旧暦(月の暦=太陰太陽暦)だったので、
2月の中旬頃が正月でした。
春がすぐそこ
鴬や梅の季節を心待ちにしながらのお正月とは
今と昔では随分気持ちも違いますね。

さてこのお正月。
・年神様をお迎えするお祭り
・祖霊(それい)=ご先祖様をお迎えする祭り
2つの意味があるようです。

自然ともっと密接な関係にあった昔の人は
自然界の色んなパワーを
神様として敬い、畏敬の念をもって
接していたのだと思います。
それだけ、自然に左右されて生きていたのだろうなと思います。

新しい年を無事に幸せに暮らせますように。
祈らなくても何もかもが揃っている
今の生活にはない、切実な想いを感じます。

ご先祖様をお迎えするってのは
ちょっと意外でした。
どちらかというと
お盆のイメージが強かったので。
夏から秋へ祖霊を祭るのがお盆
冬から春への祖霊祭りがお正月というわけです。

お中元やお歳暮はその名残と言われています。
しかも、この習慣は仏教の伝わる6世紀以前にすでに日本にあったとのこと。
お盆というと仏教のイメージが強いですが
ここにも、宗教より前に
日本人が自然そのものを神様として扱っていた
豊かな感性を感じます。

さていよいよしめ縄作り。
まずは身を清めるために
広田先生が作ってくださった
クコの実のお屠蘇をみんなで。


今日作るのは「伊勢のしめ縄」
季節を問わずずっと飾ってもよい
縁起のよいしめ縄です。
しめ縄は、俗世界との境界線。
日常の中に特別なものを作る習慣が
日本にはあるようです。


京都から取り寄せた青わらをみんなで
じぐざぐ。
お部屋の中いっぱいに青わらの
爽やかな香りが。

うらじろ
だいだい
ひかげかずら
南天

縁起物を沢山飾って
それぞれのしめ縄ができました。
みんなの作品を飾ると圧巻!!




日本人は無宗教と言われますが
神様がいないのではなくて、
なんでも神様にしちゃうんだと思います。

農業を営んでいる方でなければ
今の生活で、毎日の生活と季節が密着している人はそういないと思います。

でもこうして
日本の伝統文化を学ぶことで
ただのしきたりや堅苦しいものではなく。
自然と共に生き
必要だからこそ生まれた
生きる「知恵」のようにも感じます。

季節の節目に。
少し立ち止まり、みなで行事を楽しむ。

わらを香り
それを編む感触
お屠蘇の香り

五感をいっぱいにつかってみる

それは、忙しい毎日の中で
自分の立ち位置を確認することにも
繋がっているなと。

今年はこんなことがあったな。
次の年はこんな風にしよう。

毎日でなくてもいいと思います。
季節の節目だけでも
五感を感じる時間を少しでももてれば
きっと毎日が少しずつ変わっていくと思います。

ふつうの毎日に特別がある。

そんな感覚を忘れずにいたいなぁ。