日本維新の会幹事長松井一郎大阪府知事は、昨日オスプレイの訓練を八尾空港で受け入れる提案を、日本維新の会共同代表橋下大阪市長がしたことに対し、田中誠太八尾市長と会談した。
松井氏は「沖縄の軽減負担だけではなく、大規模災害時に米軍の協力を得るケースを想定していることを強調し、安全保障の問題、震災対応に前向きに取り組んで欲しい。検討すらしないで、反対するのはおかしい。訓練が可能かどうか、安全性は専門家が判断すべきだ」と主張した。
これに対し田中市長は、負担軽減の必要性について理解を示めつつも、「航空管制など物理的な問題に加え、多くの市民が不安を持っている」と指摘。訓練の受け入れについて「知事は、『可能性がある』と言うが、僕は、『ない』と思っており、大きな隔たりがある」と述べた。
会談結果を踏まえ、橋下氏は大阪市役所で記者団に、「八尾市民の代表者の意見だ。尊重しなければいけない」としながら、「嫌だから『反対』なら沖縄の負担軽減をどうやって進めるのか」と田中市長の対応に疑問を示した。(北海道新聞1面)この報道を見て、松井知事が、「検討すらしないで、反対するのはおかしい、訓練が可能かどうか、安全性は、専門家が判断すべきだ」と述べているが、全く本末転倒の話だ。防衛省、自衛隊が八尾を適地と考えての話ならば良いが、ただ、飛行場があるから負担軽減のためにというのは、浅はかも浅はか、防衛のなんたるかをわかっていない。さまざまな条件をクリアしての話ではないことに、思いつきの感が否めない。
橋下市長が「嫌だから『反対』なら、沖縄の負担軽減をどうやって進めるのか」と言っているが、防衛省が八尾にお願いしてきたわけではない。何の検討もされていない、八尾飛行場に突然なぜ、いま八尾なのかその説明をしてもらいたい。
沖縄に対する差別、女性蔑視ともいえる自らの発言を挽回するために、「八尾」と言っているとしか思えない。
安全保障はトータルで考えていくものだ。こうした受け入れ問題は、華々しく打ち上げればよいというものではない。水面下で関係、自治体としっかり協議して進めるべきものだ。
民主主義の一番は手続きであり、次に中身である。両方備わっていない橋下提案は、パフォーマンス的発言であり、迷惑千万と八尾市民は思っていることだろう。「経験のなさ、基礎体力不足を自ら示している」という声が多数寄せられたことをお知らせしたい。