相場については予想に反して高止まりで困惑しています。



これは欧米に加え日本までが際限ない金融緩和で行き場を失ったマネーの過剰流動性による市場への資金流入が大きな要因です。



ばら撒かれた通貨が実需に向かわずに投機に向かうのであれば単なるゼロサムゲームですよね。



麻雀で点棒が行ったり来たりするのと似ていますが、もっと性質が悪いのは株価や債券価格は単なる評価価格にしか過ぎず含み益が出ても確定しなければただの絵に描いた餅です。



ですから、実体が追い付いていない株価は何れ調整されて萎みます。



 また、日本の場合は基幹産業が為替に大きく揺さぶられるという構造的な欠陥があり、恣意的な円高圧力が掛かれば利益が出ない…生産して販売すればするほど赤字が拡大するという本末転倒な不条理に直面します。



パナソニック、ソニー、東芝も将来は真っ暗ですが、直近ではシャープが下手をすれば外資と合併するか買収されなければ存続が危うい程、白物家電は行き詰まっています。



 自動車においては出る釘は打たれるで、トヨタはブレーキ問題でいちゃもんをつけられ、ホンダは燃費で損害賠償を求められる…米国も大人げないというか、パワーゲームで自国のGMやフォードを守ろうとする。



 詰まり、グローバリゼーションのメリットは享受できずにデメリットばかりを被らされる日本の問題は外交に大きな問題があり、そういう意味では与野党共に政治力が極めて脆弱としか言えない訳です。



 また、日本人特有の貯蓄が美徳といった経済と背反する思想が自分の首を絞めている事にも気づかないといつが来てもデフレから脱却できません。



所謂貯蓄のパラドックスで、貯蓄性向が高まれば消費性向は反比例して乗数効果が極端に低くなりGDPは維持できない。



その肩代わりを政府がしないとマイナス成長が永遠に続くから、政府の借金が雪だるま式に増えるのは至極当然な訳だ。



 信用創造(乗数)について面白い画像があります。通貨の無から有への創造ですね。



自民党西田昌司氏の解説…国債をすり続ければいいという肝心なところについて見解に相違がありますが概ね分かりやすく解説されています。民主党には少なくても経済についてこのクラスの議員は居ません。



 






 


さて、野田首相が消費税増税を訴えるのは道理に適っている。



消費税を上げなければ事実上、年金や医療保険制度は間違いなく崩壊する。事実、ほぼ破綻状態だ。



 ただ、民主党は消費税は絶対に上げないと公約に掲げた訳だから、嘘をついて政権を取ったことになる。



また、懐より始めよと言いながら全く身を切る努力は見られないし、公務員改革に至っては全くの骨抜き。



最低でも普天間の県外移転から始まって八ッ場ダム問題、原発メルトダウンの隠蔽と終始一貫して嘘ばかりの民主党…兎に角、政権担当能力はゼロというよりかやらない方がよかった事をやって自滅するという面では明らかにマイナスだ。



 出来もしない夢物語を語り、嘘八百を並べて公約を掲げれば与党になれる日本国。



本来なら国家的詐欺で国民に告訴されても可笑しくないだろう。



皮肉にもマニフェストという曖昧な言葉は破られるためにあると言う事を民主党は知らしめてくれた。



 ところで、民主党を揶揄しても他にまともな政権が見当たらない現状ではどの道日本に将来はない。



 金融緩和や消費税を含む歳入をいくらいじっても少子高齢化に歯止めがきかない以上は単なる延命策。



大事なのは、原発に替わる太陽光発電や風力発電などのエネルギー源の普及と政策新たな国家的基幹産業の構築やベンチャー企業の育成だ。



 GDPというのは鮫と同じで休んだら死んでしまう…米国のアップルやFacebook,Googleなど圧倒的な高付加価値商品を作れる土壌にないというのが大きな国家的欠陥だろう。



これは、官僚にも責任があるし、選択眼や目利きの出来ない金融の源である銀行の低レベルが大きな足かせになっている。



担保を取らないと貸し付けができない…不動産神話が崩壊した現状ではそれも出来ないから国債で運用する。



銀行が本来の本業を放棄して保身に向かう…こんな国で経済が上手く回る道理はない。



 需要側から見ればテレビや自動車、携帯電話など必要な物に溢れていて、これ以上欲しいものなんてないじゃないか?



新たな産業が生まれなければこれ以上の需要は望めず経済は間違いなくマイナス成長という軌道から抜け出せない。



 この様にマクロ経済や将来展望を考えたら有効で実現できる政策は皆無に近く日本はユーロ圏より先に沈む可能性が極めて高いと言っても決して過言ではないと思う。