マニアックな読者の皆様、お早う御座います。

クリミア半島が発端となり、悪化していくばかりのウクライナ情勢…今回のマレーシア航空墜落で、最早ロシアは国際社会から四面楚歌になったかのようにも見えるが、事態はそんなに簡単ではない。

冷戦時代からの均衡した東西の勢力地図とは明らかに変わりつつある世界だが、中国や中東は依然として米国とは敵対しており、今回の件でもロシアを表立って非難していない。

それ以上に厄介なのが、EU諸国である。
天然ガスの30%をロシアからの輸入に依存している。
特に依存度が高い経済の核であるドイツ、フランスやイタリアは大きなジレンマに陥っているであろう。

                Natural gas pipeline from Russia(要クリック)


民間機撃墜は99%親ロシア派の誤射である事は最早世界中で周知の事実であるが、それが明白であっても米国や豪州に比べてEUのロシアに対する制裁(表明)は非常に脆弱である。

確かに今回の民間人を巻き込んだ事件でプーチンも選択肢が限られて来ているが、リーマンショックの傷が少しづつ癒えてきたヨーロッパ諸国にとって、対ロシアへの強硬姿勢は両刃の剣になる。
背に腹は代えられぬ…経済的打撃を受けない様な微妙な舵取りがEU諸国の代表には要求される訳だ。

さて、この様な地政学的リスクを他所に世界株式市場は高値を追うかの様に堅調に推移…

ところが、日本株式市場は歴史的にも薄商いの中で相変わらずの狭いボックスレンジで膠着している。

為替が円安に振れない事や、決算の見極めだとか様々な要因が取り沙汰されているが、本当の理由は海外投資家の日本の経済政策や日銀の金融政策に対する失望感である。

要は、海外勢の資金が日本株式市場に流入しない限りは膠着相場から抜け出す事は有りえない。

本日の日経ダウも、昨日と同様に為替と先物に振られるだけの冴えない展開が予想される。

引け後雑感

特筆すべき点は全くありません…参加者不在ではどうしようもないでしょう。
呼び値変更をしようが、日銀のETF買いに頼ろうが、海外勢が今年に入って明らかに売りに転じている日本株に魅力は有りません。

東証大引け、反落 材料難で膠着 値幅58円は1年7カ月ぶり狭さ

23日の東京株式市場で日経平均株価は反落。終値は前日比14円72銭(0.1%)安い1万5328円56銭だった。米景気回復への期待感や前日の米株高を受けて朝方は買い先行で始まった。だが、買い一巡後は下げに転じる場面が多かった。円相場の高止まりを受け、輸出関連銘柄など株価指数への寄与度の高い主力銘柄を積極的に買う動きは乏しく、相場全体の上値は重かった。相場の膠着感は強まり、一日の値幅は58円83銭と、2012年12月28日(58円78銭)以来、約1年7カ月ぶりの値動きの狭さとなった。

日経平均反落、14円安の1万5328円。23日のマーケットの動きを解説(日経CNBC)

日経平均反落、14円安の1万5328円。23日のマーケットの動きを解説(日経CNBC)

 下値では押し目買いの動きが根強く、下げ幅は限定的だった。地政学的リスクへの警戒感が薄れたこともあり、個人投資家の物色意欲は旺盛だった。23日付の日本経済新聞朝刊が「政府は、祖父母が孫に教育資金を贈った場合、1500万円まで贈与税がかからない制度を延長する」と報じたことを受け、学研HDなど教育事業を手掛ける銘柄が買われた。市場では「日経平均株価の膠着を受け、材料が出た個別銘柄に売買が集中した」(国内証券)との声があった。

 JPX日経インデックス400は反落。前日比6.77ポイント(0.06%)安の1万1587.07だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、前日比0.88ポイント(0.07%)安の1272.39だった。

 東証1部の売買代金は概算で1兆4778億円と活況の目安となる2兆円を15日連続で下回った。主要企業による4~6月期決算発表の本格化を前に、決算内容を見極めたいとする投資家が増えて様子見姿勢が強まった。売買高は17億8525万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は905、値上がり銘柄数は752、変わらずは159だった。

 低調な相場を映し、証券や銀行など金融関連株が総じて安かった。取引時間終了後に4~6月期決算を発表する日電産は利益確定売りが出て午後に入り下げ幅を拡大。ソフトバンクや東エレク、KDDIなどの値がさ株も安かった。前日に1~6月期の連結営業利益が18%増になったと発表したアサヒは午前は一時2.5%高まで上げたが、午後は利益確定売りに押されて下げた。

 半面、ロボット関連銘柄の協栄産が商いを伴い上昇し、40%高まで買われた。前日に4~6月期の連結純利益が前年同期の3.3倍になったと発表したメルコも上昇し年初来高値を更新した。信越化やファナック、テルモなどが高かった。


売買代金が1.5兆を下回るというのは、本来は異様な事態…然しながら、売買代金が少ないから個人投資家の循環物色でかろうじて日経ダウが15000円を維持しているというのが本当の所である。
閑散とした相場で投機筋が悪いニュースを餌に本気で恣意的に売り浴びせれば、日経ダウなど13500円程度まで一気に相場操縦できる危うい状態です。

悪い事は言いません…今年は相場からは早めに撤退すべきです。
無論、ショート戦略に長けた一部の個人投資家は空売りや先物売り、プットオプション購入で利益を上げる事が出来る絶好のチャンスですが、一般的にはポジションを閉じるのが正解です。

8月天井説…これは単なるアノマリーとか噂ではない事が数週間で証明されると思います。naniwa335