JR四国キハ185系1400番台「伊予灘ものがたり」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

JR四国の観光列車ブランド、ものがたり列車。最初に登場した「伊予灘ものがたり」は、キハ47形を改造したキロ47形で普通列車として設定されましたが、2022年より二代目の列車に置き換えられています。

 

二代目となったのは他のものがたり列車に続いて順当にキハ185系、番台区分も先代に続いて1400番台となっています。また今回の車両変更と同時に普通列車から特急列車に格上げされました。まぁダイヤは以前と大きく変わらない「特に急がない」ですので、早い話が値上げでございます。JR四国は割引きっぷが充実しておりますので、お得に使えるのは今まで通りと言えばそうなのかもしれません。

 

前面を見てみますと、上部のライトの形状は先代車両に似せた形状に変わっています。さすがに尾灯を下に持ってくるような愚は犯していません(^^;; 貫通扉に付けられたロゴマークですが、なんとバックで光るようになっております。地味に先代から進化(笑)

 

また今回の車両置き換えで1両増結の3両編成となっており、アイランドエクスプレス四国Ⅱとして最後まで残っていた車両を改造の上充てています。一回は乗ってみたかったのですが、結局乗車出来ずにものがたり列車として吸収されてしまいました。なお外部の色はラッピングによるもののようで、妻面は無塗装部分が残っています。

 

それでは、まずは1号車の茜の章から参りましょう。デッキから、ドアです。折戸構造はそのままに、化粧板を貼り付けて高級感を持たせています。他の化粧板も同系統のものに交換されていますね。

 

折戸の片側には、特急とグリーン車の表示がされております。方向幕は「伊予灘ものがたり」と書かれたもので固定されてますので、国鉄時代のサボのようなものでしょう。

 

デッキとの仕切りは一新されており、仕切りが扉を含めてガラスの面積が非常に大きくなっています。また金色に塗装された装飾もされていますね。

 

上部には伊予灘ものがたりのロゴも入っています。

 

最前面です。構造自体はそのまま半室構造にバーで仕切る方式ですが、暗い色調で印象を大きく変えています。手前の日傘はアテンダントさんのもので、運転停車時の待機時に使用することになります。あまり他では見かけない気がしますが、瀬戸内の愛媛県…日差しは中々強いのです。その辺はJR四国の配慮なのでしょう。

 

車端部は業務用スペースとなっております。仕切り扉には1号車の愛称、「茜の章」の文字とともに、ロゴマークをかたどった窓を配置しています。

 

こちらから向かって右側には、砥部焼きの展示ショーケースがあります。

 

グリーン車の方へはお食事を頼むと、このカップのうちどれかでコーヒーなどが提供されます。3号車は…また別途ご紹介いたしましょう。

 

向かい側。暖簾の色が異なります。

 

さて車内です。山側は2人掛け席・海側は最前面側に4人掛け席、車端部側にカウンター席が配置されており、これは先代に続くものとなっております。

 

デッキとの仕切りです。こちらは車端部側で、仕切り扉は茜の章らしく赤い化粧板とされています。LED表示機という便利なものはありませんが、観光列車は始発から終着まで乗車するケースが多いですし、車窓や内装、サービス以外の情報が視覚として入ってくるのは無粋と捉えたのでしょう。

 

右側には装飾の棚があります。ハロウィンの装いなので、季節により変えているのでしょう。側面には非常灯が備えられているようです。

 

左側にはディスプレイがあり、前面展望や沿線情報を流しています。そうそう、フリーWi-Fiも備えられていますね。

 

最前面側です。客室側からでもこちらの景色が見えるようにガラス張りにしたんでしょうね。

 

天井です。かなりスッキリした印象で、窓上に暖色系の間接照明を配置し、補助として飾り照明が付いています。荷棚は全て撤去されておりますので、身軽な状況で乗り込む方が幸せです。

 

窓です。先代は中央よりにドアが設置されたキハ47が種車だったため窓割りが残念な席もありましたが、それに比べれば比較的眺望はよくなってるでしょう。日除けは横引き式のカーテンからフリーストップタイプのロールカーテンに交換されています。

 

窓の柱には照明を仕込んだ装飾がされております。障子風の優しい光が、トンネル通過時や夏を除く道後編で美しく映えます。

 

座席です。まずは海側、4人掛け席から参りましょう。

 

緑のソファ席で、各席にクッションが置かれています。肘掛けが一応ありますが…無くても困らないくらい気休め程度です。片側2人セットの座席となっているため、こうしないと出入り出来ないのは理解しますが…。テーブルは大型で、4人分のお料理も余裕で載せることが出来ます。

 

窓下にはUSBタイプの充電ポートがあります。コンセントと一体化したタイプだと泣きを見るので気をつけましょう。

 

お次は山側の2人掛け席です。

 

4人掛け席と異なる点は、海側の景色を見るためにハイデッキ化されていることと、高さがちょうどよいのか金色で塗装された握り棒があります。セミハイデッキ部分には注意喚起のためか照明が仕込まれています。あと、座席は少し海側を向いて設置されています。

 

こちらにもUSB充電ポートがあります。

 

 

窓上には座席番号が貼り付けされています。この車両のコンセプトのひとつに「桜」がありまして、そのデザインがあしらわれています。

 

続いて海側、車端部方向に配置されているカウンター席です。こちらには5席が用意されています。足元には配管が残されているので少し窮屈かもしれませんが、足掛けとしても使用は出来ます。

 

一応、出入りを考慮して2人ずつ寄せる形で配置されており、2人グループでも利用出来ます。窓割りも合わせられていますね。

 

座席下にはトレーがあり、小さな荷物程度なら置くことが出来ます。

 

キハ185系と言えば窓上に設けられた空調のツマミですが、この車両に関しても形状を変えて存置されています。回転式から開閉式になっていますね。

 

飾り照明ですが、土地柄らしくみかんの形状をしています。

 

続いて中間の2号車、黄金の章へと参りましょう。

 

2号車も同じく章の名前が描かれています。

 

トイレです。バリアフリー対応で、面積が広く取られています。手動式ですが、アシストレバー式で開閉が楽になっています。しかしながら、車椅子利用を想定している割にレバーの設置位置が高めではないでしょうか。

 

洗面台はお馴染み陶器製、きれいですね。

 

記念乗車証や俳句入れなどです。みきゃんたちが外を見てますね(笑)

 

そしてショーケース。詳しくは乗ってから見てください。

 

出入り口と反対側の業務用スペースです。各号車に配置することで、待ち時間を極力少なくサービスを提供出来るようにしてるんですね。

 

2号車、「黄金の章」の車内です。こちらも章の名前に合わせたデザインとされています。元々キロハ186として登場した車両だけに、その面影が少しですが残っています。

 

デッキとの仕切りです。化粧板はゴールドになっていますね。

 

そして、右側の飾り棚。季節がうつろいゆくのは何も車窓だけではありません。

 

天井です。こちらは1号車と同じですね。

 

窓です。キロハ186は普通車区画も1列ごとに窓が配置されていましたので、その名残がこの通りで小窓が並んでいます。

 

こちらは山側。柱の飾り照明のデザインが1号車と異なりますね。

 

座席です。この車両に関しては窓側が全てカウンター席となっています。
 

松山方にはペアシートか設定されています。固定式のセンターアームレストも設定されていますね。デフォルトなのか空席だったのかは分かりませんが、中央の席にはみきゃんが座っておりました。

 

八幡浜方に設定された1人掛けです。出入りを考慮した区画はテーブルが少し凹んでおります。

 

山側の2人掛け席です。クッションは黄金の章ということで、黄色のものがセットされています。

 

そして座席番号です。ここは桜のデザインで変わりません。

 

さてここからはサービスなどを一部ご紹介、起点駅ではマットが敷かれます。これは先代から続くものですね。

 

予約された席には、紙製のランチョンマットとメニュー、この列車専用の割り箸・おしぼりが用意されています。

 

乗車したのは双海編、大洲編で朝食をいただいたので軽めに「道後ビール アルト」と「キッシュとローストビーフのミニプレート」をいただきました。双海編で海が見えるのは後半、お料理にも数に限りがあるので、どのタイミングで注文するかは考えどころですね。

 

 

そしてオリジナルカクテル。どちらもロゴが入った専用のグラスに入れてくれます。

 

喜多灘駅は伊予市と大洲市にまたがる駅です。駅名標横の市境に設置された看板、二代目になってからデザインが変更されたようですね。

 

そして皆さまお馴染み下灘駅でドアを開いた運転停車です。観光客も多く来られていますが、地元のボランティアの方が伊予灘ものがたりの乗客のためにホームを開けるように整理されておりました。車で来てJR四国に一銭ももたらさない方々でも理解してくださっている格好ですが、ローカル線に未来を、是非次は鉄道で訪れましょう。

 

ホームに出ている間、飲み物にはアテンダントさんがラップを被せてくれます。ありがたい気配りです。

 

双海編では伊予上灘駅でもドアを開いた運転停車が行われます。

 

無人駅ですが、伊予灘ものがたりの暖簾がかけられています。

 

また、近所の彼らもお出迎えしてくれます。人慣れしていて大人しく、かわいがられておりました。

 

二代目になりパワーアップが図られた「伊予灘ものがたり」、愛ある伊予灘線も厳しい状況が続きますが、この車窓をいつまでも見られるよう、走り続けます。え、3号車はどうした?それはまた別項に譲りましょう。